物語は新たなフェイズへ
「で……どうしてこうなる……?」
俺は教室にいた。机の椅子に座っていた。
顔が引きつっている。
ここは、俺が先週まで通っていた、馴染みのある教室ではない。
馴染みのある風景でもない。
隣にアイシルフィーもいない。
窓際最奥の席でもない。担任はフランソワでもない。
中央にレレイナもいない。
その中央の席には、代わりに俺が座っている。
未だに信じられない。
どうしてこうなった。
どうしてか、俺は、隣のクラスに移動させられてしまっていた。しかも、よりにもよって真ん中の席に。3限目が終わる頃に、学園へと帰ってきて、4限が始まる前に、フランソワに言われて、ここに移動させられてしまった。
わけがわからない。
右隣には、ルティア・ケールが俺をお慕いしているような瞳で見つめている。
「これから、よろしくお願いいたします。千夜さま」
「……」
そう頬を染めて言われた俺の顔面は、蒼白だった。
左隣には、これまた緑髪ポニーテールの、だがウェルリーフよりも緑は濃く、ポニーの尻尾が長く、また、座高もけっこう高い。身長もきっと高いのだろう。そして、黒い眼帯をかけ、腕組みをしている。
孤高の武士、例えるならそれが適切だろうと、脳のない頭で、俺は考える。
「ふん。なにをじろじろ見ている」
「……」
俺は機械のように、カクカクしていた。
そして、そして、俺が元座っていた窓際最奥の席には、張りのある薄い金髪を腰まで伸ばし、両サイド斜め上を小さく結んだ少女が座っている。
そして担任。
いつかの職員室で会ったことのある、クノイチっぽい茶赤のポニーテール。通称ボイン先生。フランソワよりも巨乳で、弾力がある。俺が帰る家をなくした際、この学園に泊めてやると言ってくれた張本人。とても頼もしい先生。
「よっ、青年。私がこのクラスの担任教師、ベリエール・フレイルだ。よろしくな」
そう、ベリエール先生は手を挙げて、クールな表情で俺に挨拶した。
俺の周りでは、四方八方から、見知らぬ生徒達が、じろじろと品定めするような目で俺を見てくる。
心の安まる暇がない。ストレスが半端ない。常時緊張状態。
身体が圧迫されている。呼吸がままならない。脳がはち切れそうだ。
どうしてだ。俺が何かしたか?
未だに納得できない。
なんで俺は物あつかいなんだ?
不平等? 平等?
何を言っているんだ?
俺は、1人の凡人だ。人間だ。
どうして実験台の上に乗せられたモルモットのような気分にならなきゃならない。
まな板の鯉の心境にならなくちゃいけないんだ。
まだアイシルフィーに謝ってない。
早く謝りたい。今すぐ謝りたい。というか、帰りたい。
なんで俺はここにいる?
俺は絶叫したくなった。
うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああおおおおおおおおおおおおおくっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。




