表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

状況を説明させてみました

 さて、何だかんだでわたくしは現在宰相用の応接室にいます!

 あの後アルベルトを引き連れて退室しようとした所、父上と古参の文官に縋り付かれた。謎の恐怖体験。歴戦の猛者アルベルトですら顔が引きつっていた。

 取り敢えず、防音完備の応接室になだれ込み、宰相(父親)with文官sと対面している。


「く……詳しく話そう。つまり、国の大事なのだ。エリシュナに何とかして貰わねばならん」


「わたくしで何とかなるのでしたら、国の大事などではございませんわ。気のせいです」


「ご令嬢のお力が必要なのです」


「お黙り! 話がややこしくなるわ」


 途中口を挟んで来た文官にピシャリと切り込むと、老いた文官は青くなって俯いた。恐らく高官だから古狸の筈なのに皆わたくしの外見に騙されるのだ。可愛げのある丸っこい目に髪を結う大きなリボン。レースの手袋をはめた小さな手で口元を隠しながら、吐くのは鳥のさえずりではなくドラゴンの剛火だ。


「エリシュナ……国王陛下についてお前はどう思う?」


「敬愛すべき主以上の気持ちはございません。領地に引き籠っていると拝見する機会も無いですし」


 即位して7年の若き王だ。有る事無い事噂には事欠かないが、わたくしに影響が無かったので気に留めてなかった。今日までは!


「国王陛下は32歳とお若いのに随分と優秀で、内政を僅か数年で安定させ、隣国との戦争の火種を上手くかわし……」


「ご立派なのは良く分かったわ。それで?」


「その方の唯一の短所と言うか……」


「誰も聞いておりませんから、はっきり仰ってくださいませ。女癖が悪いのです、と」


「え……エリシュナ!」


 そう! 領地まで響く噂とはこれだ。現在の後宮が酷すぎる。恨み妬みは後宮の常だが、そんな生易しい状態ではない。混沌(カオス)よ。

 それも全て陛下の下半身の躾がなってないから!

 ちなみに下半身の躾がなってないと言う言い回しはアルベルトから教わった。よく若い部下に使うらしい。異国で言う『はにーとらっぷ』への警戒なんだとか。


 それはさておき。

 これまでのお話を纏めると、気に入った女性とか政争のためにいる女性とか隣国からの姫とか何で居るのか分からない女性とかが山盛り後宮にいる。しかし後宮は陛下直轄でおいそれと手が出せないし、なかなか情報も上がってこない。(女官長だけが宰相の味方らしい) しかも陛下は後宮管理にヤル気がない! 抱ければそれでいいと! 


 わたくしが言うのも何だが、教育係仕事しなさいよ! 大分異性関係の考え方が狂っているわよ! 成長過程で何があったの!


 

 だから、わたくしに後宮に入って情報を上げるなり、側室の力関係を調節するなりしてこい、と。



 随分と勝手ですわね、お父様!


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ