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(本編完結・番外編更新中)大好きな人たちのために私ができること  作者: 水無月 あん
本編

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21/33

21.3年後

ベイリ国にきて3年がたち、私はロベルタ学園を卒業した。


本当にあっという間の3年間だった。

魔力について一生懸命勉強したけれど、魔力は人それぞれ違うし、学べば学ぶほど奥が深くて、もっともっと知りたくなってしまった。


だから、卒業後もレベッカ先生の研究所で手伝いながら、学ばせてもらうことにした私。

魔道具作りの名人に弟子入りすることになったラナは、私がベイリ国に残ることをものすごく喜んでくれた。


でも、その前に、一度インダル国に戻り、しばらく、ゆっくり過ごすつもり。

というのも、なんと元気になったお母様が一緒に帰れることになったから!


私が一緒に住みはじめてから、お母様の体調はすぐに安定してきた。

その変化に最初レベッカ先生は、「やっぱり、娘がそばにいると違うわね」と、気持ちの変化が体調に影響していると思っていたよう。


でも、お母様の体調が安定した日がずっと続くと、レベッカ先生の目の色が変わった。


「魔力病がこれほどおさまるなんて、さすがに、気のもちようとかでは説明がつかないわね。アンジェ、もしかして、何か特別なことでもした?」


目をきらきらさせて真剣に聞かれたけれど、特別なことなんて何もしていない。


あ、でも、ひとつだけあった。

私の魔力がこもった緑色に変化した魔石を、お母様のお部屋の花瓶のそばに置いたこと。


「なるほど……。親子だけあって、魔力の相性がいいのかもしれないわ。アンジェ、よかったら、うちの研究所でアンジェの魔力を調べてみてもいい?」


「是非、お願いします! もし、私の魔力がお母様の役にたてるなら嬉しいです!」


私はレベッカ先生の研究所に通い、レベッカ先生や助手の方々に調べてもらった。


そして、わかったのは、私とお母様の魔力の相性は抜群によく、一緒のお部屋にいるだけでもいい影響があるということ。

でも、それだけじゃなかった。


お母様の部屋に飾っていたお花は、魔力の暴走を抑える効果のある薬草ジュスカの花。

その花瓶のそばに私の魔力がこもった魔石をおいたことで、花の力を強めたみたい。


レベッカ先生は私に試してもらいたいことがあると言った。


お母様はずっと、魔力病の症状をおさえるためにいくつかの薬草を煎じて飲んでいる。

その薬草のそばに、しばらくの間、私の魔力がこもった魔石をおいてから、お母様に煎じて飲ませるようにすることだった。


早速ためしてみたら、効果は抜群で、寝込んでいたお母様が起き上がって生活できるようになっていった。


こうして、今やすっかり元気を取り戻したお母様。

元気になった途端、お父様のところに戻りたいと言い出し、いつもは冷静なお父様が感激して泣き出したのよね。


レベッカ先生のOKもでて、私はお母様と一緒にドルトン家の屋敷に戻ってきた。

出迎えてくれた屋敷中のみんながお母様の帰還に泣いている。


ひとりひとりに、嬉しそうに声をかけるお母様。

そんなお母様をまぶしそうに見ながら、ぴったりとはりついているお父様。


幸せな時に胸がいっぱいになる。

でも、同時に、寂しさがおそってきた。


この屋敷にはアーノルドとの思い出がいっぱいつまってるから。



留学中、いろんなことがあった。

大変だったことも、驚いたことも、嬉しいことも、楽しいことも山のようにあった。


そのたびに、私はアーノルドに話したいと思った。


3年間ずっと……。


でも、自分から手をはなしたんだから、会いたいなんて勝手なことを言えない。


それにもう、アーノルドは好きな人を見つけて、一緒にいるかもしれない。

そう思ったら、胸がずきずきと痛んだ。


3年たっても忘れられないなんて……。

私は自分の気持ちをもてあまし、小さく、ため息をついた。



 ◇ ◇ ◇



翌日、お母様が魔力病から回復した話を詳しく聞きたいからと、私の主治医をしてくれていたミルナ先生から連絡があった。


3年ぶりにミルナ先生に会えるのも嬉しくて、


「いつでも、どうぞ」

と答えたら、すぐにミルナ先生がやってきた。



「今日は助手もついてきているんだけれど、よかったら、一緒に話を聞いてもいいかしら?」

と、ミルナ先生。


「助手の方がいらっしゃるんですか?」


「ええ。魔力の病についても診られる私のもとで学ばせてほしいと3年前におしかけてきたの。私は患者さんを診ることで精一杯だから教えられないと何度も断ったのに、あきらめなくてね。結局、私のほうが根負けして、まずは、雑用を手伝ってもらいはじめたの。でも、彼は勉強熱心で、あっという間に私の仕事を見て覚えていくものだから、今では頼りになる助手よ」


ミルナ先生がそこまでほめる助手さんに興味をひかれた。


「是非、入ってもらってください」


私の言葉に、ミルナ先生が席をたち、外で待っているらしい助手さんを連れて戻ってきた。

部屋に入ってきたその人を見て、私は息をのんだ。


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