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(本編完結・番外編更新中)大好きな人たちのために私ができること  作者: 水無月 あん
本編

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19/32

19.ベイリ国で

アンジェリン視点に戻ります。


ベイリ国にきて、私はお母様の実家であるコリジャ伯爵家に住み始めた。

今はおばあさまが家を取り仕切っていて、そこから、魔力について学べるロベルタ学園に通わせてもらっている。


ちなみにロベルタ学園は、おばあさまや今は亡くなったおじいさま、そして、お母様の幼馴染で主治医のレベッカ先生の母校でもある。


ずっとひきこもっていた私にとったら、学園に通うことすら初めてで、とまどうことばかりだけれど、おばあさまやレベッカ先生に力になってもらいながら、なんとか頑張っている。


でも一番の心の支えは、やっぱり、お母様だ。


朝、学園に行くとき、お母様が療養している部屋をのぞいて、「お母様、いってきます!」そう声をかけることができる幸せ。

体調のいいときは、ベッドにおきあがったお母様が「アンジェ、気をつけていってらっしゃい」そう答えてくれる幸せ。


本当に夢みたい!


レベッカ先生がお母様の往診にきてくれるのだけれど、私がここに住み始めてから、徐々にお母様の体調が安定する日が多くなってきたことに驚いていた。


そのため、レベッカ先生の指示のもと、お母様と一緒にいられる時間がどんどんのびてきた。


今は、学園から帰ってきたら、すぐにお母様に会いに行き、お母様の体調がよければ、その日あったことをいろいろ話したり、お母様の部屋で勉強したりして過ごすこともできるようになった。


そばにお母様がいてくれるだけで、不思議なくらい元気がもりもりわいてくる。



ロベルタ学園のなかでも、私が通うクラスは魔力を学ぶことに特化していて、クラスメイトは15人というこじんまりしたクラスだった。


登校初日、ドキドキしながら、私は自己紹介をした。

インダル国からきたことや、魔力のせいでたおれるため、ずっとひきこもっていたから学園に通うのも初めてだということも正直に話した。


不慣れで、多分、迷惑をいろいろかけてしまうと思うから。


みんなの反応が不安だったけれど、誰も笑ったり馬鹿にしたりすることもなく、自然に受け入れてくれてほっとした。


それもそのはず。


他の人たちの自己紹介を聞けば、みんなそれぞれ個性的なクラスメイトたちばかりだったから。


たとえば、ある日突然、魔力があらわれたので魔力について学びにきたと自己紹介したのは、お父様くらいのお年に見える男性で、年齢非公表というロビンさん。


実家が魔道具屋で、いつか、誰も見たことのない魔道具をつくりたい。でも、魔力は一切ないと自己紹介したのは、まっかな瞳が美しいラナベルさん。


他国からきた虹色の髪を持つジュリアさんは先祖にエルフの血が入っているという言い伝えがある家系だそう。

家に代々伝わっている本があるけれど、魔力で封印されているため、一族の誰もが読んだことがない。エルフ語で書かれているんじゃないかと言われていて、絶対に読んでみたい。だから、魔力を磨きにこの学園に留学してきたとジュリアさんは語ってくれた。


そんな感じで、このクラスは魔力がある人もいれば、魔力がない人もいるし、貴族も平民も関係ない、年齢も国籍だって関係なかった。


でも、それぞれ目標があって魔力を学ぶために通ってきているという共通点がある。


ここでは、魔力があっても変に見られることはないし、銀色の髪でも奇妙に思われることはない。

自分が異質に思われない環境が、こんなに気持ちが楽になるなんて……。


そんなクラスメイトたちにまじって、毎日、忙しく勉強していると、ふと、思い出したのはインダル国で令嬢たちに言われて傷ついた言葉の数々。


本当にどうでもいいことばかりだったと思うし、今ならさらっと聞き流せる自信がある。


それに人に何を言われるかを気にするくらいなら、魔力について、少しでも多くのことを学びたい。

だって、魔力を知れば知るほど、自分自身を知ることができるようで、本当に楽しいから。


個性的なクラスメイトはみんないい人たちで、特に魔道具好きのラナベルさんと仲良くなり、「ラナ」「アンジェ」と呼び合うようになった。


休みの日は、ラナのお家で魔道具をいっぱい見せてもらったり、うちで一緒に勉強したり、「あー、これが友達っていうものなんだ」と心から実感して、幸せな気持ちでいっぱいになった。


そんな時、思い出すのが、メアリー姉様のこと。


ラナと友達になって気づいたのは、メアリー姉様との関係は友達というものではなかったということ。

私が一方的にまいあがって、話せることを喜んでいただけ。


もちろん、メアリー姉様はいつだって優しくて、嫌な顔ひとつしなかった。


でも、ラナを知った今ならわかる。

メアリー姉様は笑っていても、私といることを楽しんではいなかったって。


自分だけのせまい世界に閉じこもっていた私は、そんなことすらわからなかったけれど……。


きっと、メアリー姉様はひ弱な私のおもりをするように、しょうがなく相手をしていただけなんだろうと思う。


そうまでして会いに来てくれた理由はわからない。


もしかしたら、うちが公爵家で、メアリー姉様は親戚の伯爵家だったからなのかな……。


ひきこもる私をお父様が心配していたとしても、無理に話し相手を頼むようなことは絶対にしない人だけれど、メアリー姉様は断れなかったのかもしれない。


とにかく、メアリー姉様は私に会いたかったわけじゃないことだけは、はっきりとわかった。


それもラナという本当の友達ができたから。



そんな時だった。

お父様が私に話があると言って、休暇でもないのに、わざわざ時間を作って、ベイリ国まで会いにきてくれた。



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