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第4話 異世界からの転生!?

 光に包まれた太郎は微睡の中、夢を見ているような感覚になった。


 一体何が起きたんだろう?

 …そういえば…この世界はなぜ自分が知っているファンタジー世界の姿が再現されているんだろう。


 RPGゲームの世界観や設定、 想像や空想上の生物…そんな破茶滅茶で支離滅裂なことが現実に存在しているなんて…


「そんなの、ありえなくねぇか。」


 しかし…逆だったらどうか…パッと閃いた。


 空想の物語が「現実」になったのではなく、「現実」が物語として語られていたとしたら?


「ありえるのか?」


 ありえるのだ。太郎の存在こそまさにその証拠だった。

 転生が一歩通行とは限らない、むしろ相互に行われているとしたら?

 太郎が現実社会から異世界に来た様に異世界から太郎の現実社会に来た存在があってもおかしくはない。


 異世界から来た者が知識と経験を伝えたとしたら、その知識を元に映画やゲームができ物語として語られていたとしたら…


 そういえばファンタージものって何かの有名な小説の設定を元にして波及していなかったけ?

 その小説家が異世界転生者だったのかも知れない。


 太郎の生まれた国、日本の仏教に「輪廻転生」という教えがあった。

「輪廻転生」は、生命が死後も終わりなく新たな存在として生まれ変わり続けるという仏教の教えであり、このサイクルは無限に続き、人間だけでなく動物や他の生類も含めて、さまざまな形態で生まれ変わるとされている。

 仏教では、この永遠の生死のサイクルから解放されることを最終的な目標としており、輪廻転生の過程において、六つの異なる世界、すなわち「六道」があり、それぞれ天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道とされている。


「異世界転生」も六つの異なる世界のどれかへの転生なのかも知れない。


 だとすると、太郎がやって来たこの世界は六つの世界の内のどれかなのか?

 転生は、個々の行動が次の生に影響を与えるという因果応報の考えに基づいているそうだが、自分は前世でどんな行いをしたというのだろうか?

 そういえばこの世界に来る直前に俺は…


 漠然とした思考が徐々に収束を始め、結論へと結びつきそうな段階へ達しようとした時、不意に誰かに呼びかけられている様に感じ思考が霧散する。


「助けて!」

 必死に懇願する叫び声にも似た悲鳴に、太郎は半目を開ける。

 ゴトンゴトンと軽い揺れを定期的に感じる。ここは電車の中?

彼の目の前には、女性が震える様に立っていた。脇腹あたりを片手で押さえている。

そこは赤く染まっている…「血?出血してるの??」

「助けて!!」彼女はまた告げる。


 瞬間、意識はまた違う方向へと急速に収束し、視界全体が明るい光に包まれた。


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