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君の心の奥をのぞきたい  作者: みやあきら
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【第一章】④苦悩

 翌日、僕はいつも通り8時20分に青山のオフィスの鍵を開けた。始業時間は9時15分としているけれど、カウンセリングの準備があるので、大体これぐらいの時間にはオフィスを開けている。

 湯沸かしポットとコーヒーサーバーのコンセントを差す。サーバーに粉を入れて、2ℓの水を注いでコーヒーを抽出する。電話のアンサリング機能を解除して、パソコンの電源をつける。メーラーを起動させ、受診している間に給湯室に行ってコーヒーをタンブラーに注ぎ、席に戻るとメールの受信が終わっている。今日の受信は6件。うち2件はジャンクメール。うち一件は今日片山君が午後から向かう高校からの研修内容の確認だった。片山君が出勤してきたらすぐに伝えなければならない案件だ。

 こうしてコーヒーをすすりながら、今日のクライアントのカルテに目を通している時間に片山君と和美さんが二人そろって出勤してくる。大体8時45分ごろだ。二人が僕より出勤時間が遅いのは、ひとり娘を保育園に送り届けてから出勤するからだ。三人で出勤時間を9時と決めているから、僕らのオフィスの開業時間は9時15分となっている。8時45分に出勤してこられるなら、始業は9時でもいいんじゃないかと思われるかもしれないが、保育園までは片山君か和美さんが車で送り届け、その後マンションの駐車場に車を戻してから駅に向かうため、9時ギリギリにならないと出勤できないことがたまにある。信用を第一とするカウンセリング業としては、約束の時間が守られないということは非常にまずいという三人の意見の一致によって、始業は9時15分というのが守られている。まあ、カウンセリング業界だからという訳ではなく、三人とも時間には煩い性格だからだろうと思うが。

 和美さんは朝一で、土曜日のお試しカウンセリングの5000円を出すように要求してきた。取りっぱぐれていたので、自分の財布から5000円札を手渡した。何度もいうが、その5000円は僕の金だ。

 僕は一昨日のニノくんのカウンセリング内容を片山君に伝えて、彼の意見を仰いだ。和美さんも興味があったのか、横で聞いていた。

「完全に精神的DVだよな」片山君は僕と同意見だった。

「かなり可哀そうだよね」と和美さん。

「これ女の子の方、なんとかならないの?」と続ける。

「18歳未満だったら、淫行条例で相手をしょっぴけるし、場合によっては女の子を補導することもできるんだけど、19歳じゃ本人の意思ってことになるし、実際何もできないね」

と片山君は答える。

「ただこれほっといて解決できる状態かな」という和美さんの問いに対する答えは僕も片山君も一致していた。

「ニノくん自身が理不尽だという思いがありながら、自分が間違っていましたというスタイルをとる以外に解決方法がないというのは困った話だね」と片山君が答える。

「なにより理解できないのは親の反応よ。19歳の自分の娘が、自分たちで決めた許嫁がいながら、他の複数名の男性とセックスをすることを容認し、それを受け入れない息子に対して、『小さな男だ』とか、『大人だったらこれぐらいでは別れない』とか、挙句に『別れるならでていけ』でしょう。私にはまったく理解できないわ。普通、親はわが子をたしめしるし、そんな貞操観念のない女性とは別れなさいというでしょう。でも彼の親も彼女の親も、ニノくんの方を責めるって、常識では理解できないよ」和美さんは我がことのように憤慨していた。ただそれは同意見だった。

「まあ、次にカウンセリングを受けにきたら、そのあたりを掘り下げてみようよ」と片山君が告げて、僕もそれに同意した。僕はノートの最後に、二人の見解と、次回カウンセリングでの質問内容を書き込んだ。

 自分のデスクに戻った片山君は、午後からの高校の教職員向けの研修の資料の確認を行った。すでに土曜日に和美さんが手順や進行の変更などの確認を済ませているから、片山君のやることはパワーポイントの資料の内容確認程度しかなかった。

 僕の方は午前中に2件、午後から1件のカウンセリングが入っていた。午後からは心理検査が入っているので結構ハードなスケジューリングとなっている。

 そうこうしているうちに、一件目のペットロスに苦しむ熟年女性のカウンセリングが始まった。お昼は3人でいわしやのうどんを食べ、片山君はそのまま研修講師を務める高校へと向かった。僕と和美さんはオフィスに戻り、和美さんは事務作業、僕は性同一性障害と診断された方の心理カウンセリングを行った。

その間にニノくんから電話が入り、和美さんがとった。次のカウンセリングの希望が伝えられた。連休明けの5月7日~10日の午後からなら可能というので、心理検査の入っていない8日水曜日の午後1時30分からと決まったと、カウンセリング終了後に和美さんから知らされた。

午後からの心理検査はMMPIで、その作業中に午後4時を過ぎ、和美さんは娘を保育園に迎えに行くために退勤した。今日は主に電話受付や、書類のコピーや整理などをしてくれるアルバイトが来ない日だったので、僕がかかってきた電話を取った。その一つは片山君からで、現在のオフィスの状況の確認だった。特になにもなければこのまま直帰したいとのことなので、すぐに了承した。

僕の方も心理検査の作業はスムースに終わったので、定時より30分過ぎくらい、午後6時30分にはオフィスをあとにした。帰りの井の頭線は、いつもと同じくらいの乗客数だった。下北沢で乗り換える。小田急線は今日も許せない程に混雑していた。

 僕の恋人の中山敏弘は警視庁の準キャリアだ。この4月に警部に昇進し、1日付で府中にある警察大学校で、警部昇任者に対して行われる、警察署の課長などとして必要な知識と技能を修得させるための教養課程で学んでいる。警察大学校は全寮制のため、3ヶ月の本課程中は外泊許可が出ない限り、会うことができなくなった。そしてその外泊許可も実家以外には認められていないので、僕は3ヶ月の間、敏弘にほとんど会うことができなかった。まあそれでも、敏弘は、家族(妹)に会うためという理由で何度か外出し、カレと会うことができた。

 そんな状態だから、この年のゴールデン・ウィークはほとんど予定がなかった。一度だけ吉祥寺の実家に帰り、大阪に赴任している兄夫婦とあい、甥っ子と遊んだ。兄夫婦が大阪に行って4年。小学2年生になった甥っ子はすっかり関西弁になっていた。

 あとは片山君家族と、和美さんの大学時代の友人夫婦が、多摩川の河畔で行ったバーベキューに呼ばれたくらいだった。敏弘とは毎日、メールの交換はしていた。

 こうして、これまでの人生でも5本の指に入るぐらいに何もなかったゴールデン・ウィークは過ぎ、5月8日になった。約束の時間にニノくんはひとりでやってきた。そこには彼女の姿はなかった。結局、僕は最後までニノくんの彼女に会うことはなかった。

 ニノくんは青いトミージーンズのカジュアルシャツを着ていた。無印良品のものと思われるチノパンによく似合っていた。この日のコーディネートも彼女が行ったとのことだ。ニノくんは本当に青がよく似合う。彼女も多分、それをわかっているのだろう。

「お変わりはありませんか?」と尋ねた。

「ええ、変わりありません。表面的には」

「表面的にはということは、裏面ではなにかあったのですね」

「ええ、やはり彼女もセフレと会うのはやめず、連休中も2~3人と連絡を取り合ってセックスしていたらしいです」

「あなたは彼女とセックスしましたか?」

「ええ、しました。僕にも性欲はあるし、基本僕がしたいときには彼女が断ることはこれまでで一度もありません」

「彼女は君のいうことは比較的聞いてくれる」

「ええ、大体のことに彼女はハイハイって言ってきいてくれます。セフレと会うのはやめてくれという以外は」

「家族、この場合は彼女の家族も含まれるんですが、6人の中で一番わがままを言うのは僕で、一番素直でいうことをきくのは彼女だと言われています」

「それはどういうわがままなの?」

「例えば、みんなで外食に行こうという話になって、お寿司を食べにいこうよと言われたときに、僕は寿司が苦手なんで、焼き肉がいいっていうと、まず彼女がじゃあ焼き肉でと言ってくれるので、他のみんながしょうがないなぁ~、っていう感じです」

「そんな感じで、みんなの意見が違ってくると、彼女が僕に同意してくれて、みんなを説得してくれる。親たちは、まあ子ども二人がいっていることだし、しょうがなしに付き合ってくれるという流れです。だからみんなの中では、僕はわがままをいう人、彼女はそれに合わせてくれる人っていう関係性になっています」

「他には、なにか具体的にある?」

「両家族で何かイベントがあるときには大体いつもこんな感じです。僕の希望にみんなが合わせてくれる状態で、そういうときのみんなは優しいんです」

その後も彼が話した内容は、とるに足らない「幼少の子どものわがまま」といった域をでない話ばかりだった。外食のメニューの話や、出かけるときの行先のはなし。それに彼女が同意し、大人がそれに合わせて、恩に着せる。典型的なDVの加害者と被害者の関係であった。

DV被害者の多くが、家族を成立させなくてはという、義務感が強い。特にニノくんの場合は、自身の両親と、許嫁の両親がひとつの家族になっているので、家族5人対してひとりの彼という構図になり、より孤立している状況が深刻になっていると思われる。

 話の端々に、彼の家族思いの心理が伝わってくる。彼は自身の両親に不満はないと言っている。父親は在宅のトレーダーなので、ずっと家にいるが、彼女のこと以外は比較的放任で、やりたいようにさせてくれている。会社勤めをしていた時は、比較的良く遊んでくれたが、小学校に入ったぐらいからは、あまり遊んでもらった記憶はない。小学校2年生の時くらいから、デイトレーダーを始めたらしく、世界中のマーケットの状況を把握しなければならないから、忙しくなったんだろうということらしい。

 母親も身の回りのことは、甲斐甲斐しくしてくれたし、中学校の頃には彼女もニノくんの家の家事を手伝うようになり、家庭生活に全く不満はないという話だった。ただ、彼女の奔放というか無軌道な異性関係と、そんな彼女との結婚を家族が強要する以外は。

 ニノくんは両家族が集まっている時は、本当に平和で楽しい団欒が送れていると感じているという。しかし彼女の異性関係を持ち出すことで、彼はこの団欒を壊したくない、それを壊しているのは自分だという加害者意識を植え付けられているのではと僕は推測した。現在のこの環境を破壊することに強い罪悪感を持って、「自分さえガマンをすれば」という意識から、状況を受け入れようとしている。DV被害者の多くが、このように家族に対する責任感が強い。

 多分、ニノくんは「いつかは分かってくれる」と思っていたのだろう。彼女のカウンセリングをしてみないとはっきりとしたことは言えないが、DV加害者(彼女)は自己愛性人格障害かなにかのパーソナリティ障害を持っている可能性が高い。僕はニノくんに、

「彼女は今日もカウンセリングには来たくないと言っていましたか?」と尋ねた。

「はい、彼女は『困っているのはあなただよね。私は今の状況になんの不満もないし、困ってなんかいない。だから私にはカウンセリングは必要ないし、受けるつもりもない。だからカウンセリングにはあなた一人でいってらっしゃい』と答えられました」

「彼女は、自分の性交渉の無軌道さに君が苦しめられていることは理解しているの?」

「僕が苦しんでいるのは知っています。でもそれは僕が彼女を性的に満足させないことに原因があり、自分のせいではない、『だからあなたは今の状況を受け入れろ。セフレは単にセックスするだけで、付き合っているわけでもない。性的に満足すれば良いだけなので、気持ちは全くない。だから安心して』っていうんです」

「そういわれて、君は安心できる?」

「安心なんかできません。彼女にとって僕は一体何なんだっていう疑問がずっとあります」

「そのことは彼女に聞いた?」

「聞きました。彼女は『セフレの中にあなた以上に人格の優れた人なんかいない。だからセフレとは一切結婚するつもりもないし、ましてや付き合うことなんか考えられない。一番好きなのはあなた』って。そして『あなたのとのセックスは子どもつくるためのもので、セフレとのセックスは気持ちがいいというだけのもの、全く別物だから安心して』っていうんです」

「そういわれて君はなにか言い返す?」

「おまえの言うことは僕には全く理解できない。とにかくそんな乱れた関係を僕は受け入れられないって抗議するんですが、彼女は『あなたが私を性的に満足させてくれないから、セフレを作ったの。だからこのことは私の責任ではなくて、あなたの責任でしょ』となにを言っても同意してくれません」

「そのことは自分の両親や彼女の両親に伝えた?」

「伝えました。僕の父親は『お前もだれかそういう関係の人を作れば?』と聞いたんで、『作ったら彼女は僕とその相手を殺す』って言っているというと、ニヤッと笑って『愛されてるな』と言っただけでした。両方の母親は、『結婚前に多少遊んだっていいじゃない。そんなんで文句を言うのはガキの証拠。本当にいつも我がままばかり言ってないで、浮気ぐらい許せる大きな度量を持ちなさいよ』と口を揃えて言うんです。彼女の父親は『自由奔放なところがあるけど、もっと大人になって、大きな愛であの娘を包んで欲しい』と言います。誰も僕の味方はいない状況なんです。だから自分が我慢すれば平和なんだから、文句も言わないようにしています」

 家族によって最も守られなければならない状況にあるはずなのに、彼は家族(この場合は彼女の両親も含む)によって精神的に追い詰められている。多分、ほぼマインドコントロール寸前の状況だろう。

「ちなみに君が、彼女が多数の男性と性交渉を行っていることを知ったのはいつのことなのかな?」

「ちょうど一年前くらいです」

「じゃあ、君はこの一年間、そのことでずっと苦しめられているの?」

「そういうことになりますが、最も苦しかったのはそれが分かった直後です。彼女がバイトじゃないのに家にいないことが何度もあって、問い詰めたら、そういう相手がいるって、それでたまたま会った彼女の友達にそのことを相談したら、複数人セフレがいて、その一人は昔彼女にアタックした後輩のひとりだって教えてくれたんです」

「最初は『もう別れよう』って言ったんですが、彼女は半狂乱になって、『別れない』って言って、『別れるならあなたを殺す』と真面目な顔をしていうんです。こんなこと家族にも相談できないと最初は黙っていたんですが、耐えられなくなって両親にも彼女の親にも『他に好きな人ができたみたいだから別れる』って言ったら、『結婚前に多少遊んだからなんだ。あの娘に聞いたら、単に遊び相手だからお前と結婚するって言っている。お前が許せば良いだけなんだから、もっと大きな心であの娘を包んでやれ』とか、『大人になったんだから、それぐらいのことを気にするなんてガキ過ぎる』とか言われて、取り合ってもらえませんでした」

 彼をマインドコントロールのような心理状態に落ちいれさせたのは、家族のだれも自分に同意してくれないという孤独感だろうと推察した。家族全員で自分の意見は否定され、彼女の言い分だけが通る。自分が間違っているのか、相手が間違っているのか、判断ができなくなる。そのうえ話の内容もおいそれと気軽に相談できるものでもない。そんな不安感と焦燥感の波に絶えず襲われて一年がたち、やはりおかしいと思って、巨大掲示板で他の人の意見を聞き、自分が間違っていない確信を持った。そして現実の世界で吉沢君が彼の様子に気づき、動き出したのだろう。

 多分、ニノくんと彼女の関係、ニノくんと両親の関係、彼女と両親の関係、そして彼と彼女の相手側の両親の関係、そこになにかがあってこの歪んだ人間関係が形成されているのだろうと思った。

 今日のカウンセリングではそこまでの突っ込んだ話は出来そうになかった。何より今の時点では僕にはまだ語れない話を彼は持っている様子だった。ただ時間は90分を過ぎようとしている。次のクライアントがやって来る時間が近づいていたため、僕は次回のカウンセリングについての希望を聞いてみた。

「今日はここまでにしましょう。次回のカウンセリングはどうしますか?」

「ぜひお願いします」といって彼はスマホを取り出し、カレンダーを確認した。

「それはiPhoneですね」

「はい、5です。先月バイト代を貯めたお金で買いました。いろいろなアプリが入って便利なのでもう手放せません」

「そうですか、僕もiPadを先月から使っています」

「写真とかも簡単に撮れて、編集も楽なんですごく便利ですよね。あっそうだ、彼女の写真があるんで、見ますか?」願ってもないチャンスだった。僕は相手の容姿を観察するのが好きだ。彼の語る、性に対して無軌道で自由奔放な彼女の姿はプロファイリングには欠かせない要素となるだろう。

 ニノくんからiPhoneを受け取って、その液晶画面に映った彼女をみて、僕は思わず息をのんだ。セミロングの髪をほぼ中央で分けて、柔らかな微笑を浮かべた美しい女性が写っていた。

最も適した比喩は、「百合の花」だ。多分に古風な例えであるが、そこに映っていた女性の姿は儚げであるが、しっかりと美しさを主張する白い花びらを連想させた。春の日差しを受けた肌は白く輝いていた。

多分、スナイデルだと思われる白のワンピースは、長い手足を強調させていた。20代後半の大人の女性に人気のあるスナイデルのワンピースを着こなせる10代の女性は余りいないだろう。19歳という年齢よりは大人びて見えた。どこかの宣材写真だと言われたら、多分皆がそう信じるだろう。

「身長が高そうな女性ですね。スタイルも良い。今どき黒髪も珍しいですね」

「身長は僕とほとんど変わりません。163センチって言ってました。体重は48キロだそうです。高校時代は陸上部で高跳びをやっていて、そこそこいい記録を出していたんですが、3年生になると同時にやめました。肌がやけるのがいやとか、大学受験のためだとかが理由だそうです。髪も行きつけの美容院で『絶対染めちゃだめ、これは財産だと思ってね』って美容師に言われたので、絶対に染めないんだそうです」

「そうですか。ニノくんも陸上部だったんですか」

「僕は中距離を走っていたんですが、ほとんどが予選落ちで彼女ほど期待されていないので、一緒にやめました。彼女は慰留されたけど、僕はあっさりとやめさせてくれました」

「それは少し、寂しい話ですね」

「陸上部の顧問が担任の先生で、僕は勉強の成績も悪かったんで、大学受験に専念するという理由で辞めさせてくれました。ただ彼女は成績もよくて、夏までは続けたらと言われていたのに、あっさりとやめたんです。そこから放課後に時間が出来たことで、いろいろと起こったような気がします」

「次回はそのあたりの話をしましょうか」と提案して、僕はニノくんにiPhoneを返却した。彼はそれを両手でしっかりと受け取って、頭を下げることを忘れずに、カウンセリングルームから出て行った。

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