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タイトル?適当に「転生して化け物になってもマイペースに生きてきます」とかで良いでしょ  作者: かいがら
第一章 5分でわかる!国家を転覆させる方法
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もう少し待ってね

「何を悠長にしてるのアサイさん!?」

「急いては事を仕損じる。朝はドタバタしてた分、今寛いでるのさ」

「あ、あらそう。じゃあ食材の下拵えは終わったのね?」

「あぁ。きっと今寛いでいる分後の私がやってくれる」


調理場の片隅、そそくさと足音立てずに裏口へと向かう。

こんなじゃんじゃんうるさい場所で足音気にするとか石に灸だけど、こう言うのは雰囲気。

やるのとやらないとではテンションの差が大きく変わってくるものだ。

……つーか最近タクシーになったり操り人形になったり武装になったりでストレス溜まってるんだよね、自分から飛び込んだ事なんだけどさ。


「ただまぁ自分の好きな事をやるって事は、何も面倒なことを一切やらない訳じゃないんだよ」

「貴方の独り言は何時まで続くんですか」

「飽きるまでだけど」

「そうですか」



なんて不毛な会話を繰り広げてればゴミ捨て場って寸法。

お城のゴミってどんなもん?って聞かれると、少しくらいは綺麗なもの思い浮かべるんじゃないかな。

現実はまぁただただ多いゴミの山なんだけど。


「鍵ってこれで本当に会ってるの?錆すぎじゃない?」

「長い事人が入っていないでしょう…10年以上は、少なくとも」

「主犯も入ってねぇのかよ…なんでここ選んだんだ」

「積年の厄を集めるんだったら、堀の上からで十分だったのでしょうね」


暫く鍵穴と格闘して、何とか扉が開いた。

ちなみに鍵はぶち壊れた、バキって落としてみてみたら持つとこの先がへし折れてた。

なんであれ開いたんだからよし、中へとれっつごー。



とまぁ中へ向かった私達だけど、その中で見たものは一回保留しておきます。

なんだって先に結末知っちゃったら楽しくないでしょ?

だーかーら、ここは一度目を瞑って。

何かがあったことだけは伝えておくよ。

大丈夫、直ぐに解るから



^^^^^^^^^


それから私達はお通夜みたいな雰囲気で底を後にした。

時刻は夕暮れ、大体6トキくらい。

肩越しに負のオーラが滲み出る。なんだったら私も少しくらいは落ち込んでる。

確認したい事は出来た。主犯を殺した日にゃ呪いが伝播して見境なく死んでいくって事。そしてその原因をも、私達は突き止められたんだ。

……だけど、だけどなぁ。

死霊術とやらに”絶望”なんて付与効果があるなら、私達はまんまと引っかかってるんだろうな。

尤も、主犯すらも引っかかるような代物だけど



「明日の作戦はどうしますかい?」

「……死霊術を行使する今宵。呪いの方向は一直線に三日月へと向かいます。その際であれば、彼を打ち倒せるでしょう」

「良いの?一歩間違えればお父様無事じゃ済まない気がするんだけど」

「背に腹は…変えられません。どちらにせよお父様は、……助かる術が見当たりません」


彼女は苦虫を噛み潰したような表情でそう言った。

出会った時とは考えられない程に表情豊かになったもんだ。

一度たりとも笑顔は見えてないけどさ


「時間さえ残っていれば……私が真っ当に動けていれば、早くに気がついていれば」


そんなタラレバ気にしていたって、どうしよも無いことは彼女が一番よく分かっているだろう。

だけれどどうしてか、感情って言う不可解な電気信号はレバーを倒せば変わるような単純な物じゃない。

全てはあるがまま、見えない糸に手繰られるように流れていくもの何だろう。神様って奴がコントローラーで動かしている結果かもしれない。

だったら私は神様ってのを心底恨むよ。最初からハッピーエンドの道が途絶えたシナリオを歩ませるなんて。


ここまで来るのに力が足りなかった。

ここまで来るのに知識が足りなかった。

ここまで来るのに時間が足りなかった。

ここまで来るのに関わりが足りなかった。

そんな風に、上げればキリが無いほどの欠乏を私達に強いやがって。


私が抱える憤りも、彼女の深い哀惜も。

それら全てはこうなるべきだったんだろうな


時刻は7トキ。

いつの間にか空には青い三日月が昇っていた

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