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詩❲情景❳

巡る風は春告げて

作者: 日浦海里

春の息吹きに導かれ

微かに染まる花蕾


(みどり)の海は穏やかに

琥珀の川は滔々(とうとう)

残雪の山は厳かに

たなびく雲は蕩々(とうとう)


紫紺に染まる空眺め

花咲く時を待ちながら


巡る命に想いを寄せて

巡りゆく時に涙する


慈しむは春の雨

雫を隠す花霞

(さえず)る小鳥

雲間の光


吹く風光る

枝告げる春


----

滔々:水が淀みなく流れるさま

蕩々:はてしなく広いさま


桜の咲く季節が訪れるたびに

いつかまた、と望んだあの場所へ

花霞の向こう側

聞こえるはずのない声を聞いて

巡る命のその先に

巡るはずのない命を思う

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― 新着の感想 ―
[良い点]  四季の彩りが鮮やかでとても美しいです。    花霞の向こう側……昨日を願うことはできませんがそれでも願わずにはいられないのでしょうね [気になる点]  特にございません。 [一言]  …
[良い点]  どっしりと腰を据えた物見の詩に >枝告げる春  この本質を捉えた締めの一文に感服しました。
[良い点]  冬の終わる雪融けから、早春のやわらかいながらも、どこかぱりっとした空気を感じました。  >吹く風光る   枝告げる春  巡る季節にせつなさを覚えながらも、芽吹く春の訪れを心待ちにして…
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