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意志の手、感情の足  作者: 欧貝トウシ
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落差の桜

 俺、大津聡は現在18歳の高校3年生だ

 高校の偏差値は低いが部活動は活発のよくある高校だ。


 そんな高校を通い始めて3年目にして俺は受験という壁に立ち向かっていた。


「聡はなんで物理を勉強してなかったんだよ」

 そう言って高井は俺に問いかけてきた。


「別に勉強してないって訳じゃあないけど英語と数学に時間を取られすぎたんだよ。ていうか、物理なら数学と同じ要領だら?じゃあ行けるら」

 俺は高井に返した。


「は〜、まぁ頑張れ」

「おう」


 高井は呆れた感じで返してきた。

 俺は私立の大学を一般で受けるつもりだから基本3教科を勉強している。


 うちの高校の生徒は偏差値が低い関係そのまま就職する人が多い。しかし、もちろん大学に進学する人も中にはいる。うちの高校は3つの学科に分かれている。電気科、普通科、情報処理科である。

 電気科と情報処理科は就職がとても多い。進学する人は僅かである。普通科は逆に進学する人の方がとても多くて就職する人が僅かという感じで、俺はその普通科に属している。

 つまり、進学がメインだが高校の特質上一般で大学を受ける生徒はとても少ない。なぜなら、大体の生徒は学校の指定校推薦を受けて大学に進学する。そのせいで俺のクラスメイトは俺を除いて皆すでに進路が決まっている。

 もちろん、決まってない生徒もいるがそういう奴らは受験日が遅いだけで実質受かっているようなものだ。


「ていうか、お前の方こそ大丈夫なのか?」

「何が?」

「大学の面接とか」

「あ〜、俺は多分大丈夫だと思う。しっかり結果とか残してるし、面接とかの練習もしてある」


 俺は高井に大学の事を聞く。

 高井は指定校推薦で大学に行くのではなく、スポーツ推薦で大学に行くらしい。何でも、高井はアーチェリーで全国のトップレベルの選手で上手く行けばオリンピックの選手になれるレベルで凄い人物らしい。

 勉強は苦手だがアーチェリーに関しては俺はこいつの事をリスペクトしている。


「すげよなぁ、全国で1番上手いらしいしなぁ」

「別に1番ではないよ」

「それでも凄いよ。今のうちにサインいっぱい書いて貰おうかな」

「なんでいっぱい書く必要があるんだよ」

「だって有名になったらフリマサイトで転売しまくれば金が沢山手に入るだろ?だから書いて!おねがい!」

「絶対いや」


 高井といつも通り他愛ない話をしていると昼放課終了の5分前になり俺たちは弁当などを片付け席を戻した。


 そして、いつも通りの授業を受けた。



 その日の授業が終わり、部活も終わって帰宅している最中だった。

 高校の前の坂を下っている時に目の前に何かが通った。

 時刻は19時30分、昼間に暖められた気温が少し冷やされちょうどいい気温になっていた日だった。


 俺は最初に見た時猿かと思っていた。

 高校が山にあるせいでたまに猿を見かけることがあったからその時もそう思っていた。よって対して気にすることなく帰宅していた。


 しかし、何かが変だった。


 無音がそこにはあった。

 風も吹いていなければ虫の声もない。

 草々が交わる時に聞こえるガサガサ音もない。

 明らかに異質な空間がそこにはあった。


 それに気づいた時に俺は鳥肌が立った。

 しかし、俺はそんな日もあるだろうと思いながら気を紛らわせた。

 スマホをいじったのである。


 それが悪手だったらしい。


 スマホの電源を付け画面を見た時に絶句した。




 ロック画面に知らない男の顔がアップで映っていた。


 俺はびっくりしてスマホを落とした。

 衝撃によってスマホの画面にヒビが入ってはいなかったが未だに男の顔面が写っていたのである。


 俺は焦っていたがある事を思い出して冷静さを取り戻していった。


 それは、幽霊は何か必ず目的があるという事である。

 なぜかというと、うちの担当の物理の教師が言っていた事で幽霊は物質の性質上死ぬ直前の人物が抱いていた感情や想いを物質に記憶させてそれを伝播した物質が集まった結果が幽霊と言う現象になると言う事を言っていたからである。


 冷静さを取り戻した俺はメガネを着けて言った。


 

 「なにが目的だ?」

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