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【書籍化】顔だけ聖女なのに、死に戻ったら冷酷だった公爵様の本音が甘すぎます!  作者: 一分咲
番外編

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【コミックス1巻発売記念SS】現状、好きな子に本音がだだ漏れになってしまっている件について

コミックス1巻、配信開始です!(紙は2日遅れの11/25発売)

コミックスに合わせて時系列は一章序盤ぐらい。ルシアン視点のSSです!


 ルシアン・クラルティはオリオール王国の王族であり、公爵位をもつ第二王子である。


 扱う魔法が『闇属性』のせいで、人よりはかけられる期待や重圧が大きいことは理解している。しかし、自分の能力にはそれなりに満足しているし、不自由ない人生を送らせてもらっていると感謝している。


 なにより、婚約者がかわいいのだ。


 もちろん、かわいいというのは顔の話ではない。ルシアンは、婚約者――エステル・シャルリエの全てが愛おしく、愛している。


 しかし悲しいことに、幼い頃からずっとルシアンはエステルに片想いだった。




 ルシアンの婚約者、エステルは『聖女』である。ルシアンとエステルの婚約が成立したとき、エステルは自分の婚約を『自分は聖女だからルシアン殿下と婚約することになった』と理解したようだった。


 ――小さいのに賢くてかわいすぎるのではないか。


 また、月に一度の面会に行くと、エステルは形式的に微笑んで出迎えてくれる。そうして、形式的な会話を上品にしてくれる。


 ――そつのない振る舞いが淑女の鑑だと思う。社交界でエステルを貶めようと妙な噂をばら撒く女たちは、消し炭になってしまえばいい。なんなら自分がやる。けれど、それをエステルは止めるのだろう。聖女らしい振る舞いがたまらなく愛らしい。




 こんなふうに婚約者を溺愛するルシアンだったが、現在、とんでもない問題に直面していた。


「エステルに、好きすぎると言ってしまった」

「は?」


 王宮内の私室。大好きな婚約者との面会から戻ったルシアンは、頭を抱えて青ざめていた。


 隣では、猫の姿をした使い魔のクロードが心底意味がわからんという顔で寝転がっている。


「ルシアン、何言ってんだにゃ? ルシアンがあの『顔だけ聖女』にいたくご執心なのはとっくに知ってるぞ?」

「エステルをそんなふうに呼ぶな。消されたいのか」

「ぎゃんっ! 闇魔法やめて!」


 この国ではルシアンしか操れない闇魔法を展開しようとすれば、クロードは毛を逆立てて飛び上がった。口の減らない使い魔を黙らせたルシアンは、改めて頭を抱える。


「違う。本人に直接好きすぎると言ってしまったんだ」

「へー。ルシアンにしては上出来にゃ?」

「それだけじゃない」


 思い出しただけで居た堪れなくなって、声が小さくなっていく。


「顔以外も好きだとか、かわいすぎるとか、愛している抱きしめたいその他もろもろの本音が口から出てきて止まらないんだ。本人を目の前にして……本人に向かってだぞ?」

「……」


 使い魔は一瞬黙った。そして。


「ぎゃははははははははは! おっもしれぇ!」

「俺だって面白くなってきた。だが、現実なんだ。これが、現実だと全く面白くない」

「つまり、()()の呪い返しがこれってことだろう? やばいにゃ! おもしれぇ」


「しかも、エステルは俺の本音を聞いて絶句する」

「だろうなぁ」

「つらいことに、絶句しながら赤くなっているのを見て、かわいいと思ったのまで口に出る」

「ぎゃはははははははは!!!!」


 クロードはベッドから落ちて床を笑い転げている。目には涙も浮かんでいた。一通り笑い転げたあと、よたよたと立ち上がって聞いてくる。


「はー、おもしれぇ。で、どうするんだにゃ?」

「どうもしない。とにかく、婚約破棄されないように立ち回るだけだ」

「あー、婚約者の王子様が気持ち悪いからって婚約破棄? わかるにゃ」

「違う。義妹アイヴィーに聖女の座を奪われて、婚約破棄を言い出さないようにするんだよ」


 苛立ちを滲ませると、クロードはニヤリと笑った。


「まぁ、ルシアンにはそれぐらいがちょうどいいかもな。普段カッコつけすぎなんだっての」

「俺は別にかっこつけているわけでは」


 ルシアンには心当たりが全くないのだが、クロードは納得しないようだ。


「見えない場所から手を回して、性格の悪い女どもからスマートに守っていても、あのエステルって女には全然伝わってなかったぞ。ちょっとはアピールするべきにゃ」

「にしてはいきなり振り切りすぎなんだよ……!」


 ルシアンはまた頭を抱えた。


 婚約者にいまいち気持ちが伝わっていないのはわかっている。しかもその原因は、言葉が足りない自分にあるのも知っている。しかし、これはさすがにないのではないか。


 落ち込んでいると、さすがに笑いすぎたのを申し訳なく思ったらしいクロードが、肩をしっぽでぽんぽんを撫でてくる。


「いい機会にゃ。この機会に、ルシアンの暑苦しい本音をわかってもらうにゃ。だって、本音が漏れ出ると分かっていても会いに行きたいんだにゃ?」

「それはもう」

「ぎゃははは! ルシアンのそゆとこ好きだにゃ!」


 人ごとだと思って笑い転げる使い魔には怒りしかない。けれど。


「確かに、もう開き直るしかないのか。会いにいくのを控えていて、婚約破棄される方が嫌だからな。俺がエステルのことを好きすぎるのは、自分でもずっとわかっていたことだ」

「ぶっ!」


 その言葉にすら、クロードは噴き出すのだった。


今日(11/23)がコミックス1巻の電子書籍発売日です。

紙は2日遅れの11/25発売になります。


春乃まい先生が描かれる、とってもかわいいコミカライズです……!

特典情報等は活動報告にまとめていますのでご覧くださいませ!

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コミックス1巻発売中です!
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