表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】顔だけ聖女なのに、死に戻ったら冷酷だった公爵様の本音が甘すぎます!  作者: 一分咲
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/74

20.使い魔との密談(ルシアンサイドのお話)

 その数日前のこと。


 王城の自室で、ルシアンは黒猫の姿をしたクロードと真剣に話し合い……ではなく悶えていた。話題は当然、エステルのことである。


「……エステルがかわいくて死ぬ……」

「お前やべえよ。ほんとおもしれーのな、死ぬ」

「死ね」

「お前使い魔に冷たすぎるとか思わないの? 泣いちゃうにゃ」


 ルシアンはぶりっこのクロードを睨みつける。


 ルシアンが禁呪によって死に戻ったことを知っているのはクロードひとり。


 エステルの運命を変えるための相談相手も彼しかいないのだが、ルシアンの身を襲った『呪い返し』の話題も加わるせいで会話が残念なことになってしまう。


 一日の報告のため一時的に自分の元に戻っているクロードを前に、ルシアンは声を震わせる。


「死に戻ったら幸せなことがありすぎるんだが? 用もないのに会いに行っていいとかどんな夢だ?」

「夢じゃなくて現実で責任だろ。勝手に死に戻ったんだから」

「三ヶ月後のお茶の約束を待たなくていいってどういうことだ」

「ついこの前までリアルにスケジュール帳に印つけてたもんな。ほんと笑える」

「会いにいくたびに手料理を振る舞ってくれるなんてどんなご褒美だ」

「手料理じゃなくあれ試作品」

「少し前までは俺に全然興味ないって顔してたのに、最近は頬を染めてるのがかわいすぎないか?」

「それお前のせいだから。恥ずかしい本音聞かせすぎ」


「あーーー」


 クロードとの応酬で現実に引き戻されたルシアンは頭を抱えた。


「正直なところ、彼女が好きすぎる」

「知ってる。むしろあの闇聖女も気の毒すぎるほどによーく知ってるから。逆に、何でついこの間までカッコつけてたんだよ」


 あまりに正論すぎる問いである。ルシアンは言葉を詰まらせるしかない。


「……兄上も周囲の友人たちも婚約者とはそんな付き合いだろう。大体にして、彼女もしっかり『政略結婚を嫌々受け入れてます』な雰囲気を醸し出していた」

「確かに後半に関してはそうだにゃ」

「黙れ傷つく」

「やめて! 闇魔法! ご主人様の闇魔法には絶対逆らえないからオレ!」


 部屋に漂った黒いもやを避けるため、クロードが人間の姿になって扉に手をかけたところで。ルシアンは急に真剣な表情に戻る。


「しかし、エステルがシャルリエ伯爵家から出たことで少し残念なことになった」

「何だよ」


「今から数ヶ月後に兄上の誕生日パーティーがある。例年は婚約者の同行は必要なかったが、今年からは俺も成人扱いでエステルを連れて参加することになる」

「へーそんで?」


「死に戻り前は当然のようにエステルと一緒に参加できたが、今回は……」

「あー。婚約解消の手続きはまだだけど、闇聖女は断るね無理ざんねん」


 クロードを睨みつけたものの、ルシアンの予想もその通りだった。


 ルシアンにとって何よりも重要なことはエステルが傷つきも殺されもせずに生き延びることである。


 無事にシャルリエ伯爵家を出て義妹や家族と距離を置き、夢だったらしいカフェを始めて楽しそうにしていることは何よりの喜びだった。


 ――しかし。


(俺にとってあの夜会は大切な思い出だったんだが。まぁ、彼女のためには消えても仕方がない、か……)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミックス1巻発売中です!
j3eyjxcrad6llma1atg3dpow20a4_wru_u0_16u_t09o.png
(公式サイトに飛びます!1話が試し読みできます)
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ