第96話 邪神ソリューズの攻撃
「ヒドイ奴だな、お前…ぶっ」
ギョリギョリギョリリリリリ
余はまだしゃべっている途中のカミラの顔を地面に押し付けたまま引きづり回す。10mぐらい引きづったところで髪をぐいっと引っ張り顔を上げる。
「まだ人が喋っている途中なのに…本当にヒドイ奴だなお前は。」
…カミラには何ともないようだ。普通なら顔の皮がめくれ上がってズタボロで喋る事もできないだろうに…全くの無傷だ。
「ずいぶん高度な物理障壁を張っておるのぢゃな。それではこれでどうかな。ふん!」
近くの崖の岩肌にそのままカミラの髪を掴んで押し込む。
ガゴッ…ゴッゴッゴッゴッゴッ
顔を崖に押し付けて思いっきり力を込めて、そのまま壁にめり込ませる。何度も何度も力で押し付けて、カラダ全体を壁に埋め込む程に力を込めて…普通ならカラダがもたずに壊れていくのが先なのだが…
これまた無傷だ…
「なかなかいい力の押し具合だったぞ。よし、次に行こうか?」
まだまだ余裕のようぢゃ。
「カカカカカカ、嬉しいぞ。こんなに遊びがいのある奴が居ただなんてのう。まだぢゃ、まだまだ完全体の余に付き合ってくれよな。ひととおり余を楽しませるまで壊れるでないぞ!」
まだ余興の段階だ、その余裕の表情がいったいいつまで持つか楽しみぢゃな…カカカカカカ。
………………………
………………………
………………………
………………………
…嘘ぢゃろう? こんな事が現実にありうるのだろうか?
「うん、惜しかったな。よし、次に行こうか?」
あれから1日まるまる経ったのぢゃが…いや、時間なぞ関係ないが…あいつも余も1日どころか、3日、5日と戦い続けても平気だろうでな。
徐々に徐々に余の力を解放していったのに…
一切効いとらん。ダメージゼロぢゃ。
20%、40%、80%と、久々に解放する力を慣らす意味もあったのぢゃが、少しづつ力を解放して、最後の方はほとんど100%に近いぐらい余の力を解放したのに…
一切効いとらん。何度も何度も立ち上がって、平気な顔をしておかわりを要求してくる。
やせ我慢…している様には全く見えんな…。平気な顔をしているが実はいっぱいいっぱいだ。という展開なら嬉しいのぢゃが、それは期待薄っぽいの。
そして丸1日余が攻撃をしている間、なぜかあいつは一切攻撃してこなかった。どうしてだ?
「貴様、なぜ余に攻撃を一切してこないのだ?」
「は? 攻撃してよかったのか? でもまずはお前の番だからな。ほら、お前の100%を見せてみろ。まだ80%ぐらいしか解放しておらんだろう?」
…こいつ、冷静に余を分析しておるな。しかし…全く言っていないのになぜ80%だと分かったのだ。
「そうか、まあ余もさすがにここまでコケにされたら頭にくるからな。貴様のお望み通りに真の100%の力を見せてやろう。この技を見てもその済ました顔でいられるかな…ほれ!」
余は力を解放し、空気中に余とカミラを囲む様に1000本を超える槍を出現さした。
それを見たカミラはこれから何をされるか察したのか、初めて顔を曇らした。
「おお、やはり気づいたのか? この槍の性能に。そうだ、この槍には物理耐性無視、魔法耐性無視、精神耐性無視、攻撃力増大、速さ増大、威力増大を1つ1つ全ての槍に付与してある。」
余の説明にどんどんカミラの表情が曇っていった。いいぞ、いいぞ、その顔。もっとだもっと貴様の歪んだ顔を余に見せろ!
「もちろん今まで全然効かなかった物理耐性無視、魔法耐性無視を最大限に引き上げておる。お前のその耐性魔法の威力を見越したさらに上の威力にな。カカカカ、さすがの貴様もこの攻撃には耐えられまいて。」
カミラは眉間にしわを寄せたまま目をツムリ、余の言葉を聞いておる。そうか、この攻撃の凄さがわかってとうとう観念したようだな。
カカカカいいぞ、この攻撃が終わった後にズタボロになった貴様には最初の約束通り、いたぶっていたぶって骨の髄までしゃぶり尽くしてやろうではないか。
「始めに言った通りに絶対にお前を楽には殺さないぞ。余を楽しませてくれたお礼だ。遠慮をするな、受け取れ! 余の100%をその身にな!」
「もっともっとお前で遊びたかったが…残念だぞ。」
カミラはそう言って余を見上げてつぶやいた。
カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ余の高笑いと共に、まず最初に前面の槍100本がカミラを貫く。
ザクザクザクザクザク
貫かれたカミラのカラダは、刺された方向に反動で揺れ動く。四方八方から刺さるので、まるでその場で踊っている様だ。
ああああああああ癒される。ここからカミラの表情は見えないがまるで舞を踊るように槍が突き刺さる光景を見ると、今までの1日の攻防が最後に報われて胸がすく思いだ。
ああああああああ、気持ちいいいいいい!
続けて100本、また100本と次々に投入して1000本に至るまでの5分間、ずっとカミラはなすがままに舞を踊っていた。
カカカカカカカカカカカカ!
そして1000本が尽きかける最後の最後に、1本の太い槍を、余の渾身の力100%の力を込めてカミラ目掛けて投げ下ろした。
グサッ、ドン!
その槍はカミラの胸に穴を開け、そのまま地面にカミラもろとも突き刺さった。カミラはぶらーんと力なく槍に貫かれたままぶら下がっている。
「おお、しまったしまった。つい力を入れすぎて殺してしまったか? 生き残ってくれていれば嬉しいのぢゃが…。少しでも脈があればまだ、何度もいたぶれるのぢゃが…さてどうだろうかな。」
余は地面に突き刺さった槍を引き抜いた。カミラの体は力なく地面にドサリと音を立てて横たわった。顔がうつむせで地面に転がっているために、生きているか死んでいるか分からぬが…
生死を確かめようとカミラの腕を掴もうと手を伸ばしたら、その伸ばした余の腕をガッと掴まれた…
「見〜つけた!」
そう言って我の腕を掴んで起き上がったカミラの姿は…
無傷ぢゃった…




