第92話 満を持してメインディッシュの時間だ!
「ナノハナ? 何だそれは。」
レインさんの質問に僕は答える。
「ナノハナっていうのは地球にもある植物なんですけど…食用にもなるし、油を採る事も出来る植物なんです。」
「あぶら…油ってあの油の事か?」
「やっぱり異世界にもあるんですね。どういう油なんですか?」
「大型の動物や魔物から取れたりするが、匂いが独特で臭いな。主に薬の原料とかに使われているはずだ。」
「そうだな、我の知るところも庶民が傷薬やヤケドなどの対処的な薬として使っておるな。」
へー、そうなんだ。庶民もポーションですぐに治したりすると思っていたよ。料理にはまだ使われていないのかな? バターとかラードとか動物油脂はまだ食べ物に利用されていないのかもしれないな。
「このナノハナから採れる植物油脂は、主に食用として使われていまして、ほらカミラさんの好きなトンカツやレインさんの好きな唐揚げなど全てこの油が使われていますよ。」
正確には違う油だけど、まあ植物性という意味では同じだからいいだろう。
「すぐ作ろう。何がなんでも作ろう!」
「ユウタ行くぞ! ぐずぐずすんな!」
二人が僕の腕を一腕ずつ掴んで、今すぐ異世界に行こうとする。引っ張られないように自分の出せる最大限のフルパワーで抵抗するのだが、全く微動だにせず!
レインさんはまだしも、カミラさんのあんな細い腕のどこにゴリラ並みの筋肉が潜んでいるというのか…引きづられっぱなしだ。
「いや、っちょっと、ちょ、待って、まままって…ちょっと待てよ!」
思わずキムタクも言ったことのないセリフまで出てしまった。
「二人とも落ち着いてください。それを知るために一度戻ってきたんですから、調べないと僕にも分りませんよ。」
「えっ、そうなのか? それを早く言えよ。」
「全く肝心なところが抜けておるな、お前は」
二人が同時に放したので、フルパワーで踏ん張っている僕は慣性の法則?に従って引っ張られたのと反対方向に全力で床を転げまわり壁に頭をぶち当てて停止した。
そして僕の肉体の全ての動きも止めた…
「安らかに眠れ…ユウタ、お前の事は一生…5年くらい…いや、1カ月ぐらいは忘れないぞ!」
「今まで頑張りすぎたんだユウタ、せめて我の胸の中で…いや、膝の上で…やっぱり足の裏でいいか?」
「勝手に僕を殺さないで! そして僕の扱いがひどい! レインさんせめてせめて僕の四十九日までは覚えておいてくださいよ! カミラさん足の裏って…僕の頭踏みつけてますよね? 全然安らかに眠れないですし、死者への冒涜ですよ!」
ぜーぜーいかん、頭を打ち付けて血が上っているのに思いっきり突っ込んでしまった。
「まーまー、そんなに怒るなよユウタ。ほんのジョークじゃないか。」
「そうだぞ、そんな事よりとりあえずこれを飲め。」
準備のいいカミラさんから受け取ったコップの液体を飲み干そうとしたら…
「ぶーっ! これサラダ油じゃねーか! タイムリー!」
「えっ、これがさっき言ってた油なの? てっきり飲み物だと思っていたぞ。決して悪気は無いのだ。本当に偶然なのだ!」
…全然話が進まないので、僕にしたことは不問にしてさっさと話を勧めよう。
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一通り油の作り方を調べてみました。
僕はインターネットから調べたことをまとめてプリントアウトしたものをリビングにいる二人の元へと届けた。
…寝てる!
二人とも遊び疲れたように、周りをちらかしたまま寝てる!
そんなに待たせたつもりはなかったのだけれども…
はっ、これはチャンスだ! 神様が僕にくれた最後のチャンスなんだ。
僕はそのように思い込み。とりあえず二人を間近で観察する事にした。まずは前菜としてレインさんをじっくり見よう。メインディッシュのカミラさんはやっぱり後だな。僕は美味しいものは最後まで取っておくタイプなのだ。
レインさんに近づき頭から足元までじっくりと回りながら改めて確認していく。
ん~カッコいいな。異世界人なのにほとんどこっちの地球人と容姿は変わらないのだが…ゲームに出てくる主人公みたいな整った顔立ちで肌なんかもすごい綺麗だな。
あと、異世界にもお風呂文化があるとは聞いてはいたけどそんな毎日入るという訳ではないぞって言ってたのに全然清潔だな。来ている服とかも明らかにこちらとは素材が違うのだが…むしろ近未来的な感じがする。謎繊維っぽいしな。
引き締まった身体というのは服を着た上からでも確認出来るな。特にこの筋肉、これは毎日肉体労働している人の肉付だ…無駄がない。
ん~どこかレインさんにも欠点がないか探してみた結果、あえて言うのなら…つむじが2つあることぐらいだな…別に欠点ではないか。
せめて頭がスネ夫並みに絶壁だったらあだ名を付けられて面白かったのだけどな~絶壁勇者だとかフラットヘッドレインだとかね…なんかカッコいいな! フラットヘッドって。
よし前菜はこんなもんでいいだろう。むしろ前菜なのに文字数を使い過ぎたか。
さ、いよいよ満を持してメインディッシュの時間だ!
僕は紳士なのでいきなり胸やお尻など性的な部分にはいきません。後回しです。いきなりは行きませんけどもちろん後でじっくりいきます(笑)。
カミラさんの顔から見ていきます。髪はセミロングで髪色はブラウン寄りの赤? 何色と言ったらいいのだろうか分からないのだけどとにかく綺麗だ。ツヤツヤしてキューティクルが光輝いている。
部屋の明かりで天使の輪のようだ。
…魔王なのに天使って。昔そんな歌あったような。確か…♪ピンクのモーツァルト♪ どんな歌やねん! 魔王と天使関係ないし!
という小ボケはおいておいて、カミラさんのご尊顔を正面からまじまじと見る。10cmぐらい間近で。色々な角度から見てみる。めっちゃまつ毛が長いな。それに唇がプルンとして薄ピンク色に艶っとしている。
あと、肌がめっちゃキレイだ。えっ毛穴ないんじゃないの? ってぐらいツルんとしている。これですっぴんだとは恐るべし魔王! あんなに揚げ物大好きで量もすごく食べてるのに…何か異世界に分解成分でもあるのだろうか。一度細胞を採取して、しかるべき研究機関に分析の依頼を出してみるか…。
よし、顔は堪能したから次はいよいよ本命の胸に行ってみよう! これが尻フェチだとか脚フェチだったら胸は後回しなんだろうけど。僕はれっきとした胸フェチですから。
でも、昔胸フェチですって言ったら、胸は元々性的魅力を感じる部分なのだからフェチではないよと冷静に言われた事があったな。
その時はへ~フェチじゃないんだとしか思わなかったけど、今考えたら齢15歳で「靴フェチだ」と宣言するそいつはヤベー奴だったな。高校で別々に分かれて良かったわ。
よし、それでは母なる源である豊満すぎるお胸を凝視しますか!
改めてカミラさんに近づく。意図せずに鼻息が荒くなってしまう。
むふーむふー…
10㎝という近距離から360度あらゆる角度から胸を凝視する。ヤヴェエ興奮する。すんごいいい匂いがする~、鼻息が抑え切れね~。
むぶぶーむぶぶー…
あっ、そうだこういう時こそスマホに録画じゃね? とゲスな考えが浮かびスマホを取ろうと顔を上げたら…
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カミラさんとレインさんと目がばっちり合いました。
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二人は僕を見てめっちゃニヤニヤしています。
何も言わずにニヤニヤニヤニヤ…
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「うわあああああああああああああああああああ」
僕は奇声を上げて走り出しました…二人を背に玄関のドアを開けて外に向かって全力で走り出しました。
『旅に出ます。探さないでください。』
そう手紙を残して二人の前から姿を消したのです。
結局、異世界開拓全然話が進んでね~。




