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第78話 ダンジョン最下層へ

 とうとうやってきましたダンジョン最下層。前回は40階層のボスを倒したら宝箱が出現したので、喜びいさんで開けたらオークキングの睾丸だったっていうオチ。


 そんなものをもらっても使い道のない僕はレインさんに上げました。


 異世界ではものすごく高く売れる精力剤の薬になるみたいで貴族などには引っ張りだこのアイテムらしい。


 レインさんはまだ若いのに大喜びだ…高く売れると言いつつ自分用に確保しているんじゃないかと僕は思っている。なぜならモテてモテて困っているレインさんならいくら絶倫とはいえ、こういう薬も必要だろうからな…いいんですよ隠さなくてもと言ってあげたら…


 自分が使うものじゃないと激しく抗議をしてきましたが、そうですね、レインさんはまだそんなものに頼るお年じゃないですもんねと生温かい目でカミラさんと一緒に見ておきました。


 その目は止めろと懇願されましたよ。


 そして今、僕の目の前にはダンジョンの最下層が目の前に! もうこの階層で終わりだぞ! といわんばかりの重厚で荘厳な門が立ちふさがっている。


 長かったな…49話から始まって、55話、56話、66話、67話の5話を経てやっと最下層だ。もちろんいつものごとく41階層からまでの道のりはオールカットだ。何も特筆して書く事がないからな。


 普通ならマヌケな僕が罠を踏んじゃったりしてみんなとはぐれるイベントとか、思いがけない下層の強い魔物が上層階に居て、やられそうになるといった読んでる人をハラハラドキドキさせる展開、いわゆる山場がカットインされるところなのだが…


 すみません、この小説は山場がカミラさんにエッチな服を着てもらうところだとか、カミラさんにエッチないたずらを仕掛ける所に比重を置いているもので…


 カミラさんのエッチなシーンが山場なのかよ! と自ら突っ込んでおいてなんですが、読み返しても全然エッチなシーンなんてないな…


 もちろん僕はレインさんをないがしろにはしていませんよ。むしろ僕の方が年上なのに頼れる良い兄貴分として相談したりしています。


 という事でダンジョンの最下層のボス戦に向かう前にみんなに一言告げます。

「今回のボス戦は僕に任せてください。僕一人に任せてください!」

「…頑張れよユウタ。というか今までずっとボス戦はユウタだけだったが…そういう方針一点張りだったのになぜ改めて宣言した? アピールか?」

「男らしいぞユウタ! だがその威勢とは裏腹に足が震えておるぞ。」


 そりゃそうだ、だって行きたくないんだもん。


 …何か働きたくないでござる。っていう言葉の響きに似ているな。


 本音は行きたくないけど、一か八かで自ら進んで言えばちょっとは心配してくれるかなという打算があったのに…心配要素ゼロだな、


 本当に働きたくないな…ちょっと言ってみるか。


「働きたくないでござる! レインさんお願いします。僕は普通の男の子になりたんですううううう。」

 レインさんにすがって泣きついてみた。カミラさんに抱きつくと怒られそうだからだ。


「ふう、何度もいうようだがこのダンジョンを攻略させるのはユウタの為なんだ。ちょうど初心者にはうってつけのランクだしな、このダンジョンは。」

「そうだぞ、ユウタお前の為だ。それに我と勇者のサポートが付いていて何の不満があるのだ、」


 …僕の為だと言われましても。正直僕は平和な時代の異邦人な訳で、決して自ら死地に飛び込む度胸も勇気もございません。あるのは溢れんばかりの虚栄心だけです。


 虚栄心とは=うわべだけを飾ろうとする心。自分を実質以上によく見せようとする心。要するに見栄っ張りだ。


「…嫌な溢れものだなユウタ。」

 あっ、カミラさんが呆れている。その生温かい目は止めて! そんな目で見ないで!


「しょうがないなユウタ。本当は使いたくは無かったが…そこまで言われてはな。」

 レインさんがどこからか怪しげな液体が入った瓶を取り出した。


「その…怪しげな緑の液体は?」

「これは感情をちょっとだけ、本当にちょ〜〜〜っとだけ抑制する薬だ。冒険者が初めての依頼のときに緊張のあまりにポカしないようにするお薬だ。絶対体に安全だし飲んでみようか? っていうかさっさと飲め!」


 感情を抑制って…精神に及んでますやん! 全然安全じゃないでしょう。新人冒険者任務でパニックになって足を引っ張らないように感情を無にさせて体験だけさせて経験値を得させてやるみたいな代物なんじゃないの?


 こわっ そんな液体を僕に投与しようとするレインさんの感情の無い目がこわっ! しょうがないので僕は腹をくくった。


「さあ、そんな戯言はそこまでにしてさっさと行きますよ。カミラさんは僕の後ろへ。レインさんは僕の前で盾になって、3人一列になって行きますよ!」

「戯言って…ユウタが言ってたんだけど、なぜ我らが言ってた風に?」

「やる気を見せたように見せかけて、さりげなく俺を先頭にするなよな。盾になれって言っちゃってるし。」


 ぶつくさ文句言う二人を引き連れて僕はようやくダンジョン最下層の門を開ける。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ〜〜〜〜〜〜〜。


 重量感のある地響きを立てて門が動き出し、扉は左右前回に開ききった。


 僕たちが入るとすぐにバタンと閉じた。開くときはあんなに重厚感ある風で遅かったのに…閉じるときだけチョッパやですやん。絶対に逃がさんぞっていう意思を感じますやん。


 そして大きな広間の中央に魔物がポップしてきた。


 ボコッボコッ…ポコッ


 最後だけポップな音だったけど、その音には似つかわしく無い凶悪な魔物が湧き出てきたのであった。


 ボスの詳細は次回に持ち越します!


 …ゴブリンジェネラルですけどね。


 次回予告ーー

「カミラさん! いけない! 僕に覆いかぶさる黒い影。見えるか見えないかのギリギリを攻めるふとももの連打、だが僕は惑わされないぞ! 舐めていいですか?」


「レインさん! 止めろ! たぎる鍋に浮かぶシュークリームの皮、燃えるなめらかプリンの容器。食べ物を粗末にするのは俺が許さん!」


「最近カールって見なくない? 歯にくっつきすぎるからかな?」


 以上の3本です。絶対に見てくれよな?

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