第70話 勇者パーティー報告会②
レ「まず、俺からの報告っていうか、冒険者ギルド長様からまたお願いという名の強制依頼が届いているぞ。」
サ「また、あのハゲっさんかよ。何度も何度もいい加減にして欲しいよな。ボク達を便利屋だと勘違いしてるんじゃないの?」
ロ「ハゲっさんって“ハゲ”と“おっさん”を合体してあげないでくれる? サーシャ。」
ガ「ま、アイツはあれで面倒見のいい奴なんだからそう言ってやるな。あとまだ32歳ぐらいだぞ。」
ソ「それで依頼は何なんですか? それによりますよね?」
みんながそれぞれ一言ずつしゃべるから会話量が多いな…会話前に名前の頭だけ入れておいて良かった。
レ「依頼内容は…“ソリューズの右手”の殲滅依頼だ。これには冒険者ギルドと一緒に国からの要請も入っている。報酬もそれなりに出してくれている。」
ロ「えーーまた邪教の殲滅依頼かよ。あいつらしつこい上に逃げ足が速いんだもんな〜嫌になっちゃうよ。」
サ「まあ、あと3つだ。3つ潰せば終わりなんだから。」
“ソリューズの右手”とは邪神ソリューズを信仰する邪教集団で大まかに5つの組織が存在する。“ソリューズの右手”“ソリューズの左手”“ソリューズの右足”“ソリューズの左足”“ソリューズの頭”の5つのうち“ソリューズの左手”と“ソリューズの頭”の2つの組織は壊滅に追い込んである。残りは3つ。
普通5つの組織が有ったら“ソリューズの頭”が組織の中心だと思うじゃないか? ところが真っ先に潰したのにその首領のような男が最後に
「くはははは、残念だったな。我ら“ソリューズの頭”は邪教の中では最弱! この後には我らよりも…」
負け惜しみかと思ってすぐに息の根を止めたんだけど…あいつらこっちが他のアジトを突き止めて襲いに行くとすぐに逃げて行くんだよね。何度も突き止めては倒しに行って、やっと2つ目の組織を潰せた。それで今回で3度目だけど、また“ソリューズの右手”のアジトを突き止めたからという事で討伐依頼が来た。
ソ「これは…絶対に内通者がいるわね。」
ガ「そうだろうな。こちらの情報が漏れているとしか考えられないな。」
サ「まずはそいつも探さないとな。」
ロ「それも厄介だよな〜絶対邪教信者が上層部にいるって事だろう?」
そうなのだ、討伐に行く情報を得られる奴なんて限られている。だから今回は冒険者ギルド長直々に俺に話があったのだ。国からの依頼もあったのだが、そっちにも罠を仕掛けておいた。今回の討伐である程度は絞る事が出来るだろう。その旨もみんなには話しておいた。
ロ「まあ、細かい事はレインに任せた。俺たちは従うだけだ。」
ソ「そうですね。今回は“ソリューズの右手”を潰せたらラッキーぐらいで、まずは情報源を潰すのを優先させた方がいいかもしれませんね。」
サ「見つかったら貴族だろうが、王族だろうが僕の魔法剣のサビにしてやるよ!」
レ「じゃあ今回の依頼は勇者パーティーとして受けるという事でいいな。よしじゃあ次の依頼だが…」
そう言って俺からの報告はその他に細々としたものを含めて全部終わった。次はガイルの番に。
ガ「俺からはまた今年も孤児院の行事にみんなで出て欲しいのだ。なんせ俺は勇者パーティーでは5番人気だからな。やっぱり1番人気のレインを含めて全員が出てくれると嬉しい。」
ロ「任せろ! 今年もやるき満々だぜ! いっぱいお土産も持っていくぜ。」
サ「まあ、お前は4番人気だけどな、くくく。」
ソ「に、人気なんて関係ないですから。ロイはいつも孤児院では1番人気のレインを抑えて大人気じゃないですか、だからね、そんなに落ち込まないで。こら! サーシャも謝りなさい。」
サ「次はボクからなんだけど…最近武器の質が落ちてきているという苦情があってそれを調べていたら…。」
ロ「俺からはこれはあくまでも噂の1つとして聞いて欲しい。まだ裏付けが取れていないからな。だけど俺はかなり信憑性が高いと思うんだが…」
サーシャとロイの報告も終え、とうとうソフィアの番になった。
ソ「…以上が私からの報告となります。この後は観察対象となりますのでみなさんもよろしくお願いしますね。」
レ「じゃあみんなの報告も以上かな? 長い報告お疲れさん。」
ロ「あ〜〜やっと終わった。どうする? みんなこの後飲みに行くか?」
ガ「わしは…まあたまには良いか。」
サ「お、ガイルも行けるのか。さっすがそうこなくっちゃな。」
みんなが仕事終わり、この後の飲み会モードの時にソフィアが立ち上がってみんなに喋り出した。
ソ「あの、みんなに聞いてもらいたい事があるんです。ううん私たちパーティーだからこそ聞かなくちゃいけない事だと思うの。これからの私たちに関わる事だから。」
何かソフィアが思いつめたよな顔で発言したものだから皆がざわつく。どした? 何かあったのか?と。そんなソフィアは真面目な顔で俺に向かって
ソ「レイン、あなた付き合っている女性がいるわね。」
レ「いや、だから前も言ってたが付き合っている女性はいないって。好きな女性もいないって言ってるよな。」
ソ「別に責めているわけじゃ無いのよ。だけどあなたの影響力を考えたらあなた次第で、私たちは今後の身の振り方を考えないといけない立場なのよ、わかってる?」
レ「もちろんだ。」
ソ「そう、じゃあもう一度確認の為に聞くけど、本当にやましい事は無いのね? レイン」
レ「あ、ああ。べ、別に俺にはやまましいしい事なんて何にもないでゲスよ。」
ロ「レイン噛みすぎだろ。」
サ「動揺してる…怪しいな。」
そりゃあやましい事は無いか? と聞かれればやましい事があるでしょう。異世界で美味しいご飯やデザートを仲間に黙ってたらふく食べているんだからありまくりですよ。だけどしょうがないじゃ無い、制約でユウタの事とかこちらでは話せないんだから。
ソ「わかりました。それでは…レインはこちらを見てもまだシラをきり通せますか?」
ソフィアの目がキラリと光ったような気がした。懐から取り出したのは…一枚の絵だった。それは…
サ「キレイな肖像画ね。誰これ?」
ロ「めっちゃ美人じゃ無いか? スタイルもいいし! 誰これ?」
ガ「まあ、わしの奥さんには劣るがな…で、誰?」
ソフィアが取り出した肖像画は…魔王だった。




