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第56話 30階層のボス戦

 扉を開けるとそこには…


「オークか…」

「オークだな…チッ」

 カミラさんは嫌な顔をしている。


 そのオークと呼ばれる魔物は、顔は豚面で歯の下から牙が生え醜悪な面構え、めっちゃリアルで怖いな。そして手が地面に着きそうなくらいでかく長い。足は短く腹がちょっとぽっこり出ているが分厚い体でがっしりしている。2m以上あって僕が見上げる感じだ。


 そんなオークが棍棒を持った3体もいる。棍棒もでかい! 丸太じゃん。当たったら一撃死…急に恐怖が僕を襲う。


「「「ぶもおおおおおおおお」」」

 オーク3体が雄叫びを上げ、こちらに突進してきた。重量がある物体の振動というのはどうしてこう、人に恐怖を与えるのだろう。ドスドスと地面が揺れるたびに恐れおののいてしまう。


 日本だとダンプカーとかバスとかが迫ってくのに近いかな。なんてのんきに考えている場合ではない。とりあえず横に退ける。


 すると避けた僕には見向きもせず、まっすぐカミラさんに襲いかかる。もちろんカミラさんは何でもないように腕を組みながらの姿勢で攻撃を避けている…嫌そうな顔で。


 そういえばオークって性欲旺盛なイメージが強いよな。そういう事? だから女性であるカミラさんを狙っているのか? 何かそう思ったら恐怖心が和らぎ落ち着いてきた。


 とりあえず僕がボスをやれと言われているのでカミラさんも手出しをせずに避けに専念してくれているようだ。僕がなんとかしなければ。


「おい、この豚野郎! カミラさんから離れろ! 僕が相手になってやるぞ!」

そう僕はだいぶ離れた場所から野次馬のように言い放つ。


「ユウタもっと、近くで言わないと聞こえないと思うぞ。」

レインさんが優しく僕に教えてくれる。


「わかりました。任せてください!」

僕はもっとオーク達に近づいて言い放つ。


「おい、この豚野郎! よく見たらお前二重じゃないか! きもっ! 誰得?」

「いや、もっと近づけやユウタ…罵声ばかりじゃなく手を出せ手を。」


「レインさん僕はこの距離から罵声を浴びせるしかない、しがない男なんですよ。ですがせめて、せめて一太刀浴びせたいと、浴びせるのが無理でも罵声だけでも浴びせたいという強い想いなんです。へへへ。」

「へへへじゃなくてよ…セリフはカッコイイ事いってるけど、ものすごい卑屈な奴だぞお前。」

 レインさんに褒められれたが(褒めてない)、そんな事で僕は天狗になったりはしない。まだまだ攻撃(罵声)を緩めるつもりはないぞ!


「おい、この豚野郎! お前のお腹…」

「もうえええええええええわー、いつまでグダグダしとるんだユウタ! こっちは待ってるんだぞ!」


バキバキバキッッッ


 カミラさんが我慢できずにオーク3匹にローリングソバットを繰り出した。オーク達を横薙ぎに振り払ってダンジョンの壁まで吹っ飛び、3回ぐらいバウンドして地面に突っ伏した。


 すご、カミラさんすご! 軽く蹴った感じだったのにあそこまで飛ぶ? 吹き飛ぶ? ヤヴァイ…カミラさんを怒らせたらあかん。これからは絶対に逆らわないようにしよう。僕はそう心に誓った。


「ほれ、早く止めを刺せ。手加減しておいたからまだ死んでないぞ。」

「優しいいいいい。カミラさんめちゃ優しいいいいいい。尊敬します。」


「あ、ああ、まあそれほどでもあるぞ。」

 カミラさんは褒められて満更でもないご様子だ。よし一気に畳み掛けるぞ。


「やっぱりカミラさんは出来る女の代表? っていうのかな。そういう感じがもう滲みでてますよね。胸からとか、おしりとかから。出来る女だぞ! やれば出来る女だぞ! そんな簡単にはやられないぞ!っていう感じが滲み出てるのが抑えきれずに溢れ出てますよ。」

「そ、そうか、やっぱり溢れ出ちゃってるよな〜、よく言われるぞ。魔王様、結婚してくださいってな。」


「「いや、それはない」」

僕とレインさんのハーモニーで否定しておきました。


 出来る女だからといって結婚したいかと言われればNOだ! もっと隙を出してもらわなければ…その点カミラさんは隙があって、大変よろしい。だが、隙が有り過ぎて穴だらけなんだよなカミラさんは…穴が空きすぎるほど隙があるのもいただけないものだよカミラさん。男だって難しい生き物なのさ…知らんけど。


 などという茶番をやっている間にオークに復活の兆しが、ぐっぐぐううとか言いながらよろめき、立ち上がってきた。だがお任せあれ! ここまで弱っているオークならこのへっぽこ三銃士の末裔にでもちょろいものさ。





…互角でした。


 相手めちゃくちゃカミラさんの蹴り一発でダメージを負っているのに、僕と互角! やばす。腕が長いから距離感が掴みにくい。腕がしなって振り下ろされるまでの滞空時間が長いし…。


 カミラさんもう一発くらわせてもうちょっとだけ弱らせてくれませんかという意味を込めて視線を合わせに行くのだが、さっきの事でヘソを曲げたのかなかなか目を合わせてくれません。


 あうち。ならばとレインさんを見るも…笑顔でグッドサイン。この人優しい顔して以外とスパルタというか体育会系で体で覚えろ派なんだよな。


 わかりました、わかりましたよ! やってやんよ! 俺の超絶技巧絶体絶命スラッシュを見せてやんよ!





 ……倒すのに2時間かかりました。


 デジャブ! 前回の20階層のゴブリンキングと全く同じ展開になってすみません。だけど今の僕の実力だとこんなもんです。強かった〜オーク、3匹も相手したし。


 帰りは満身創痍でレインさんにおぶってもらいました。

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