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第55話 カミラさんのお仕事適正は…

 久しぶりのダンジョンですよ。前回は20階層までクリアしたので今日は21階層からの攻略が始まります。


 前回の攻略時にはカミラさんの魔法で20階層のボス戦まで透明なパイプみたいので降りたので楽だったのですが、今回は地道に歩いて今日の目標である30階層まで目指すことになりました。僕の鍛錬を兼ねているみたいです。


 出てくる魔物はゴブリンが多いですね。ゴブリンダンジョンか? と思うぐらいにゴブリンソード、ゴブリンメイジとか、ボブゴブリンだとかが多く出現する。


 まあ、その辺は僕でもなんなく捌けてはいるのだけど…20階層のボスだったゴブリンキングが出てくるとまだ僕一人では時間がかかるので、そこはカミラさんの補助魔法でスパッとね。


 レインさんは剣を握った事のない純日本人の僕に握り方から、剣の振り方など基本的な事から辛抱強く1から教えてくれたり、魔物の攻略法を弱点から習性まで事細かに実践を交えて指導してくれた。


 本当に二人には感謝しかないよ。僕を立派な冒険者へと育ててくれて…


 いや育てるなよ! 僕は冒険者になるつもりなんてさらさらないし、平和な日本で生きていくには全く無駄な知識じゃないか!


 と逆らったのだが、つべこべ言わずに我らに従っておけばいいのだとカミラさんには僕の意見は無視し強引に魔法を教えられ、レインさんはまあまあこれからの世の中どうなるかわからないし、知っておいて損はないと思うよ。それに…強くなれば、その…めちゃめちゃモテるしな。と良い笑顔で言われて、なかば騙されてると分かっていながらもついつい従ってしまっていたよ。


 本当にモテるの?


 まあ、二人が心配してくれて僕を鍛えてくれているのは分かるんだけれど…僕にはこんなハードな世界で生きていける自信がない。っていうか生きていけないよ。


 漫画や小説でいきなり中世に飛ばされて習慣や習性もなにもかも違うのによく前向きだよな。いくらチートを持っていても近代日本人のままの精神状態だと生きていける気がしないよ。まあフィクションだしご都合主義もあるかもしれないが、僕がもしその境遇だったならどうしようとか感情移入してつい考えちゃうよ。


 少し休憩している時に二人に聞いてみた。

「カミラさんやレインさんは僕の世界、日本に呼び出されて生きていけますか?」

「ん、我なら大歓迎だな! 美味しいものが食べれるから。」

「俺は…んー悩むな。」


「カミラさんお金を稼がないと美味しいものは食べれないんですよ。こっちの世界には魔法も使えないし。」

「ば、馬鹿にするでない! 我だって魔法ぐらい使えなくても力仕事ならいくらでも出来るぞ!」


「僕は心配です。カミラさんは力があってもすぐに騙されそうですから。」

「そんな事はないぞ! 我は日本に転生してもすぐに独り立ちできるぞ!」


「だから覚えておいてください。カミラさんでも立派に勤め上げる事の出来る仕事を僕が今からかいつまんで教えますから。まず、ちょっと体のラインがくっきり出る服を着てお客さんとお酒を飲むお店とか、ちょっと体のラインがくっきり出る服を着てお客さんをヨイショするお店とか、ちょっと体のラインがくっきり出る服を…」


「ちょっと体のラインがくっきり出る服ばかりではないか! そういうお店は我の国でもあるから知ってるわ!」

 えっキャバクラみたいなお店あるんだ。と思ってレインさんの方をみると


「まあ、あるけど庶民向けではなく、貴族向けの高級なお店だな。社交界的なお店でもちろんエッチな事は何もないぞ。本当だぞ、俺は酒を飲んでただけでキレイなお姉さんといい雰囲気になったりとか何もなかったぞ!」

と、なぜか既婚者がキャバクラに行って奥さんに見つかった時のような言い訳するレインさんだった。


「カミラさんは美人ですし、ナイスバディーな持ち主ですので、こちらのお店でも絶対に人気No.5ぐらいには入れますよ。」

「人気No.1にはなれないんだ…いや、働かないけど。」

 働く気がなくてもNo.5のランクに少ししょんぼりしている。


「やっぱりいくら美人でナイスバディーでも話術が長けていないと人気者になるのは難しいかと。カミラさんは圧倒的に上から目線ですので一部の人には人気があるかもしれませんが…あっそういえば女王様という職もありますから、それはカミラさんにぴったりかもしれないですね。」

「女王様だと! そんな職があるのか? というか望んでなれるのか? 女王様に…すごい国だな日本は。」


「ええ、日本では職業でありますよ。まず体にぴっちりツヤツヤボンテージを着て、網タイツのうえから黒のツヤツヤロングブーツハイヒールに手には鞭とロウソクを持って…」

「ちょおおおおおおーーい! 我の思っている女王様と違うぞ! 純白なドレスにきらびやかなティアラ、清楚なレースの手袋をはめているイメージ! ぴっちりツヤツヤボンテージが我の思っている女王様じゃなーーーーい!」

 カミラさんは混乱しているのだろう、魔王様ご乱心だ。


「それ、絶対に性的なお店でしょ、ユウタ。」

「えっ、レインさん異世界にもそんなお店があるんですか?」


「ああ、噂に聞いた程度だが。もちろんユウタの言った女王様という名前や格好では全然ないけど、女性が男性を激しく攻めるサービスのお店があるとか。貴族の間で密かに人気があるらしいという噂を聞いたことがある。いや、俺は行ったことはないぞ。まじでまじで。」

と、なぜか既婚者が風俗に行って奥さんに見つかった時のような言い訳するレインさんだった。


「だ、そうですカミラさん。カミラさんなら異世界のそのお店で絶対に人気No.1に…」

「やるわけないだろう! むしろ異世界ならやる必要ないだろう! 日本でって話だったのに! 日本でもやらんけどな。」

と、結局休憩の時間は無駄な話し合いに終始してしまった。


 そんなこんなで(?)ダンジョンを進み続け、僕をメインに僕8:カミラさん1:レインさん1ぐらいで戦闘してきましたが、ようやく目の前の大きな門をくぐればボス戦なんだけど心配が…


「あの? また僕一人でボス戦ですか?」

「ユウタ一人で大丈夫だろ?」

「大丈夫大丈夫!」

 すんごい適当な感じだな…。まあしょうがないとりあえず僕一人で戦ってダメなようなら二人に頼るか。


 そうして僕は二人に目の前の門を開けてもらい30階層のボスに挑むのであった。

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