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第51話 魔王11将軍会議

「魔王様会議場の方にお越しください。」

「うむ。」


 我はカミラ・カルロッツェ。アルメロ国第23代魔王だ。


 今日は半年に1回開催される魔王11将軍一同を会しての会議がおこなわれる日なのだ。集合時間に少し遅れたが、皆が揃ったようなので最後に会議場へと赴く。


 長い無機質な廊下に我の靴音がカツーンカツーンと響く音がなんとも偉そうだな…我。まあ実際に一番偉いわけなんだけれども…。


 会議だなんて真面目な報告ばかりでつまんないのだ。自分で言うのも何だが我は脳筋だから力を示す以外は仕事やってないし…させてもらえないし…聞くだけ無駄じゃ無いかな? 象徴の我いる? でなきゃダメ?っていつも言うんだけどフィアには


「象徴ですから。国の象徴でもあり、力の象徴でもあるのですから魔王11将軍に対しても半年に1回ぐらいは力を示さなければいけないのです。たとえ何もする事がなくて座っているだけでもいいのです。」


 といわれたのでいつも会議場ではちょこんと座っている。踏ん反り返って寝てるとでも思っていたであろう? …めっちゃ肩身が狭いのだぞ、せめておとなしく座っているしかないのだぞ我は。


 会議場に入ると一斉に立ち上がり頭を下げる。

「皆ご苦労、頭を上げ着席するが良い。」


 そう声をかけ座らせる。以前冗談で顔を上げさせず立たせたまま会議をしようとしたらフィアにめっちゃ怒られたからな。冗談なのに…最初で最後の見せ場でぶちかましただけなのに。


 我本当に最高権力者なのかな〜って。みんなの前でフィアに怒られて本当に最高権力者なのかな〜って思うぞ。この間なんて新の支配者はフィアじゃないかな〜って心に思っただけでフィアにキッと睨まれた。


 解せぬ…。我のこころの声漏れてる? と疑ったものだ。


「それでは定例会議を始めます。まずは魔将1位の私から、お手元の資料1の懸念事項が…。」


 会議は序列の高い者から順だ。


 魔将1位が我の右腕フィアだ。影の魔王とも呼ばれておる。実は真の魔王ではないかと疑ってもおるが、本人に言うと消される可能性があるので面と向かっては言わない…。


 そして魔将2位がサイレスだ。無口な男だが我に次いで第9界魔法を使いこなす魔法使いだ。魔将3位がゾルダだ。悪そうな名前だがなかなかの知恵者だ。そんなに強くは無いのだが怒ると怖いのだ。


 あとは…ほとんど覚えていないな…。だって報告だけであまり顔を合わす事もなかったし、あんまり印象がないと覚える気にもなれんし…。


 あ、でもこの間の練り歩きの供として付き添った魔将7位のドルツだけは覚えておるよ。強面こわもてだけど気の弱い奴だったから印象に残っておったわ。


 後はごめん、名前覚えておらん!


 椅子にちょこんと座りながらそんな事を考えたりして何とか時間をつぶした。


「以上、今日の検討内容をそれぞれ対策案をまとめて提出するように。では最後に魔王様ひとこといただけますか?」


「うむ」

 といつもならここで我が閉会の言葉を軽〜く言って終わりになるのだが今回はちょっと魔王らしく議会に一石を投じようと思うのだ。


「我がこの会議に出席してはや何十年と経ったが…」

「ん? 魔王様何を…」

隣のフィアがいつもと違う発言に反応したが無視する。


「ここに集う魔王11将軍も最近は代替わりをせずに代わり映えのしない顔ばかりになったな。」

「魔王様?」

 フィアが真顔で呼びかけるが無視する。


「ところで常々疑問に思っていた事を単刀直入に言うが、魔王11将軍とは言うが11人もいらんのではないか? アルメロ国は9国の集合体、魔王9将軍でいいのではないのか?」

 我の発言にざわつく魔王11将軍達。そこにフィアが我に告げる。


「魔王様、魔王11将軍とはそれぞれの国を領地として治める者の総称という意味もあります。だからといって領地持ちではないその他の魔王2将軍がいらないというわけではございません。」


「知っておる。我の魔王という称号は魔国で一番の力の象徴ではあるが、国を治めておるわけでは無い。9国の集合体を統べる王という扱いだな。そして、それぞれの国を治める9将軍は力だけではなく、世襲制だったり領地を治める権利を有する者達だという事はな。」


「それではその他の魔王2将軍の役割も知っておいででしょうに。理解しているのに魔王様はいらないと言われるのですかな?」

うお、魔将3位のゾルダがめっちゃ睨み付けてくるよ。こわっ。


「ふん、最後まで我の話を聞け。国を治める序列である魔王11将軍という名称を魔王9将軍に改めた後、純粋なる力だけの序列称号を与えようではないかという事だ。」

「新たに違う称号を?」

 珍しく無口な魔将2位がサイレスが反応を示した。


「そうだな、例えば魔国3英傑だとかな。」

「おおー、魔国3英傑。かっこいい響きですな。」

「武力の優れた者達を集め各国から選出すればいいのではないですかな?」

 さっきまで睨んでいた魔将3位がゾルダが提案してきた。


「何だそれは? おもしろそうだな。」

 我も意見を聞く。


「つまり魔王9将軍はそれぞれが国を治めております。そこから力のある者を選び英傑の称号を与える。各国の英傑が集まりますから言うなれば魔国9英傑となりますな。そこで9英傑を戦わせ序列をつけるわけです。魔国9英傑序列1位とかですかな。長いので魔傑1位とかで。」


「おおーいいですな。その序列大会を年々、各国持ち回りで興行を行えば潤いますしな。」

「早速この案を煮詰めちゃいましょうよ。」

 おお、ゾルダの案にみんながめっちゃ乗って盛り上がってきた、みんな好きだよな武闘会とか。


「だがしかし、みんな覚えてる? 我の発案だよ。一番初めに提案した我の功績を忘れてくれるなよ〜。」

 あまりの盛り上がりに自ら声を大にして訴えた。


「さすが魔王様です。このようなお考えがあっただなんて見直しましたわ、地に落ちた私の評判が今現在ウナギのぼり中ですわ!」

 フィアがすかさず褒めてくれた。さすがフィアなのだ。我を褒めて伸ばす事に関しては随一なのだ。


 …だがしかしお主、やっぱり我を侮っておったのだな…。


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