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第48話 チキンラーメン

 2度目に起きたのはお昼前の11時30分だった。そんなに寝不足という感じはしないのだが、思いの外疲れていたのかな…めっちゃ寝れるやん。


 朝ごはんを食べずに2度寝したのでさすがにお腹が空いたな。何か手軽に食べれる物でも食べるかと起き上がってキッチンへ行こうとドアを開けたら…


「おっ起きたか。お寝坊さんだな。」

「元気そうでよかったぞ。」

 レインさんとカミラさんがリビングで寛いでいた。


「な、なんで二人がもう来てるんですか? まだお昼ですよ。」

「いや、今日はユウタ家に居るかな〜と思って。偶然だ偶然。」

「我も何かユウタが居そうな気がしてな。今来たばかりだぞ。」


 別に責めてなんかいないのに何で急にオドオドし出しているんだ、この二人は。多分昨日の事もあって心配して見に来てくれたのだろうか? 多分そうなんだろう。


 それにしても…昨日の事があって僕の方が何か気恥ずかしい。平静を装ってはいるのだけど…今すぐ床にのたうち回りたい程度には恥ずかしいな。しかし会ってしまったのはしょうがない気にしていないていで通そう。


「別に怒ってないですけど、ちょっとびっくりしただけです。僕は今から手軽な昼食を摂ろうと思うんですけど、お二人は…」

「食う!」

「食べるのだ!」


「でしょうね…。」

 といっても今日は買い物も行っていないので、ストックしてあるインスタントラーメン=チキンラーメンしかないのだが…これでいいだろう。とりあえずお湯をたっぷり沸かしてと。


「今日は買い物に行ってないので本当に簡単なものしか出せませんからね。」

といってチキンラーメンの5袋1パックになったやつをそれぞれに出す。


「ほー、何だその袋は。麺のような絵が描いてあるが。」

「麺か…あっこの間のスパゲティーも美味かったからこれもそれと同じか?」

 二人は珍しそうに外袋を観察している。


 お腹が減っているのですぐに食べたいのだが、たっぷりの水を沸かしているので時間がかかりそうだ。


 僕はチキンラーメンを1袋取り出して、袋の上から揉みほぐし粉々にして封を開けて食べた。うん、うまい。粉々にするとベビスターラーメンみたいなのだが、ベビスターラーメンとは違ってチキンの味が濃厚すぎて辛い。だけどたまに体が欲する辛さなのだ、やっぱり美味しいな。


 バリバリムシャムシャ食べているのを欲しそうに眺める二人にも少し食べさせてあげたら、止まらないようで自分の5袋のうち1つを粉々にして食べだした。


「うまうま、何か謎の旨味成分が感じられるぞ! 今度こそ麻薬の成分が入ってる食べ物なんじゃないのかこれ? 止まらんぞ!」

「このパリパリポリポリした食感も楽しいが、味も旨い! 食べた事無い。」

二人があっという間に1袋を食べて2袋目にいこうとしたので止めた。


「今、お湯が沸きましたから次はちゃんとしたラーメンとして食べてみてください。」

 そう言って僕は麺を丼にいれてお湯を注いだ。注いで3分待つだけ。お湯を注ぐだけでこんなに美味しいものを食べられるなんて本当に20世紀最大の発明と言っても過言じゃないよね、百福さんは偉大だよ。


 具が何も無いのもあれなので、生卵を落としてあげた。3分経ったのでみんな一斉に食べ始める。


 うん、定番の味だ。今は色々な本格派な味のインスタントラーメンも多く出てて、チキンラーメンは昔の素朴なラーメンといった地位だけど僕は好きだな。手軽だし。


 卵を落とす事によってチキンスープがまろやかになって、結局もったい無いからスープまで飲み干しちゃうんだよな。他のインスタントラーメンだと絶対スープは残すんだけど。


 二人も気に入ってくれたようで、ずぞぞーーーずぞずぞ、ずぞぞーーーという麺をすする音だけが聞こえる。外人はなかなか麺をすするという行為が難しい人もいるから二人の異世界人も出来るかどうか心配していたんだけど、どうやら僕のすする動作を一見しただけですぐにマスターしたらしい。さすが勇者と魔王だ。


 いや、こんな事で二人の凄さを理解するなんて…もっと他にあるだろうにと突っ込まれそうだから言わないけど。


 いっぺんに吸い込む量がすごいのか5口ぐらいでなくなってしまう。すぐに新しい麺を入れてお湯を注ぎ、また3分待つ。レインさんは待っている間に袋を揉みほぐしてパリパリとそのまま食べていた。ベビスターラーメン食いを気に入ったようだ。


 カミラさんはどうするか迷ったみたいだけど、残りは全てお湯をかけて食べていた。気に入ってもらえたなら、何よりです。


「しかしどうなっているんだこの麺料理は…お湯をかけるだけで、しかも3分待つだけでできるなんて革命すぎるだろう。こんなもんが異世界へと持ち出されたら…。」

「残念ながら持ち出せんがな…。しかしもし異世界で発明されたらものすごく便利だぞ。野営の時だとか、昼食後に小腹が空いたときとか、夜食後に小腹が空いたときだとか。」

「いや、そんなに四六時中ラーメンばっかり食べたら体壊しますからね。」


「そうだろうな、こんなに早くてうまいんだ…原料は劇物なんだろう?」

「そうじゃ、我も少しなら毒物耐性がある方なんだが、原料は麻薬なんだろう?」

 …二人のインスタントラーメンへの疑いがひどい! 美味しい物は最初から体に良く無い物が入ってる前提で疑ってますやん。


「いや、そういう事で体を壊すんという事じゃなくて、何でもそうですが、自分の好きな物、同じ物を食べ続けるのがダメという意味ですよ。ラーメンに限らずカツ丼だってシュークリームも一緒ですから。」


「いやカツ丼は大丈夫だろう。体に優しい成分しか入ってないだろう。」

「シュークリームだってあんなに柔らかい皮はカロリー0(ゼロ)だろう。」

…レインさんは何でカロリー0(ゼロ)理論を信じてるんだ。テレビの見過ぎでしょう。


 てな具合で食べ終わった後もわいのわいの言いながら3人で暖かいお茶を入れてまったりとしていたら、久しぶりにお呼びがかかったようです。


 今日は昼に3人が揃っているので、謎のシステムさんも異世界に早めに呼んだようです。


“ピロ〜ン”

“mission12 ダンジョンを攻略せよ。内容/デギンダンジョンを攻略すればクリア。途中で10階層ごとに帰還する事もできる。”


 あっ夕飯の買い物に行かなきゃいけないので今日の攻略は3時間ぐらいでお願いします。と簡単にクリアするのが当たり前のように二人にお願いするのであった。


 それじゃあ、いつものようにmissionに行きますか。

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