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第44話 暗闇での対話

「ふあああああ〜よく寝た。」

 朝目覚めたら7時だった。昨日はぐっすり寝れたな。心なしか疲れが全部吹き飛んだような…体が軽く感じる? そういえば寝る前にカミラさんがいたんだったけ? なんかあんまり覚えていないな…あっそういえばお風呂も入ってないし、洗濯するのも忘れてた。


 僕は起き上がって今着ているものや昨日の洗い物を洗濯機に入れて回した。その間にシャワーを浴びる。僕は朝シャンはしない派なのだが、朝シャンも気持ちがいいな。ボサボサだった髪の毛も直るし、シャンプーのいい匂いがするし…。


 でもやっぱり、朝入るという行為が面倒くさいからなしだな。5分ほどで体も洗って出た。洗濯機は30分くらいかかるので朝食を先に摂るか。


 朝は菓子パンと野菜ジュースと果物とヨーグルトを食べる。果物とヨーグルトは体にいいからね。食べ終わったら食器を洗って洗濯が終わるまではリビングで朝のニュースを見てまったりとする。


 テレビをザッピングしながら好きなコーナー、コーナーを回して、終わった洗濯を干す。干し終わっても、まだ8時前だったけれど今日は早めに出かけようかな。たまにはゆっくり歩いていくのもいいだろう。急いで着替えて出かける準備を整えて、誰もいない部屋に向かって“行ってきます”と声をかけて家を出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おーっす」

「おはよう」

 朝教室に入ったらもうタケシは席に座っていた。


「早いなタケシ、今日は朝練?」

「ああ、大会が近いからな。ユウタは珍しいなこんなに早く来るのは。」


「今日は早く目が覚めたからたまにはと思ってな。」

「おーっすっ、ユウタ珍しいなこんな早くに。」

 今度はコウジが登校してきた。そこから三人で雑談をしていたら…


「それよりユウタは何で3LDKの部屋に引っ越したの? 手伝った時にも聞いたけどそれぞれの部屋にも家具入れてたから誰かと住むんだろうけど、誰? 両親? 姉とかお兄さん?」


「ちょっと訳ありで…」

「またかよ…訳ありって何?」


「絶対言うなよ…もしもお前が喋ったら…言わなくてもわかるよな? それでも聞くか?」

「その展開またなのかよ…うん、聞くよ。なになにどした?」


「はーしょうがないな絶対言うなよ、実は…知り合いの兄が結婚を機に僕と同じマンションに引っ越してきたんだけど、なんやかんやあって一緒に住むことになったんだ。3LDKの1部屋に間借りさせてもらって。」


「えっ? なんやかんやって何? それに新婚なのにお前がいたら邪魔だろう。」

「二人とも外人なんで、お金だけもらって僕が食事から掃除洗濯とかの生活を賄っているからお邪魔じゃないよ。」

 あながち嘘じゃないよな。二人が新婚っていう設定以外は…。


「へーその新婚さんっていくつぐらいなの?」

「ああ、んーん、なんというか…128歳と19ぐらいかな…」


「ふーんって、えええええええ128歳? ええ?」

「いや、128歳っていっても若く見えるしすんごい美人のナイスバディなんだぞ。」

 なぜかカミラさんをフォローしてしまう僕だった。


「女の人が128歳? それわロマンス詐欺でわ…」

「いや、全然違うし! お金目当てでもないし!」

 などと僕もしどろもどろで言い訳をしているうちに先生が来てホームルームが始まってしまった。しまった…ついぽろっと何も考えずに喋ってしまった。まあ、冗談だと思うだろう。


 多分二人がいる時にコウジガ家に来る事はないから会う事はないとは思うけど、もし二人が家にいても不審がられないように言っておこうかなと思っただけで、今思えば別に新婚設定も128歳も言わなくてよかったな。


 外人さんの家に格安で間借りしてるだけで…よかったな。


 まあ、また話す機会ががあったら言おう。


 1限目の授業が始まり、僕はそんなどうでもいい設定を考えて…


ーーーープチッーーーーーー


 また暗闇かよ。しかも今度は学校で、まだ1時間目なのに…この後憂鬱になるじゃないかよ。せっかく今朝は良い目覚めだったのに、まったく。


“よくしゃべるな、一人なのに。よっぽど俺が怖いのか?”

 暗闇からどこからともなく声が聞こえる。聞こえるというか頭の中に響くという感じだ。


誰? 

“ん? まだ見えないのか? まだ先は長そうだな。”


 この間言ってたのはどうゆう事? もったいつけた言い方しないではっきり言ってくれない?

“もったいつけてなんかいないぜ、そのまんまの意味でしかないだろう?”


 目を覚ませって昨日も今日も、毎日目を覚ましてるじゃないかよ。

“全然覚ましてねーよ。まだ寝たまんまなんだよお前は”


 えええええ、まさか漫画とかでよくあるパターンが来た? 僕にも。内に秘めた能力が別人格として自分の中に宿っていて、その人格が目覚めると同時に超越したパワーを得て敵をやっつける的な?


“くくく、くわはははははははは。笑わかしてくれるぜ、お前なんかに特別な能力なんて宿ってるわけねーだろう。もちろん別人格も宿していない。”


 じゃあお前誰だよ、何で思わせぶりな言葉で正体をあかさないんだよ。まさか…これもよくあるパターンで神様的な? 常識を逸した存在なのか?


“ひーひー俺を笑い死にさせる気かよ! この世に神なんてもんが存在すると思うのか? この日本、いや地球に超常的な存在がいるとでも? お前頭おかしい奴だな”


 …じゃあ何なんだよ俺の頭じゃわかんないよ。

“お前はお前が思っている以上に無能だ。お前1人では何もできない役立たずなんだ。それを思い出せ。”


………………嫌だ、そんな自分なら思い出したくない。

“思い出してからが、お前の本当の…。”


ーーーープチッーーーーーー


「ユウタ、起きろよ。」

「はーーーー」

 教室だ。周りがざわめいている。1時間目が終わった後みたいだ。


「ユウタお前よく木村の授業で堂々と寝れるな、尊敬するわー」

 この間よりも長く気を失っていたようだ。その分謎の人物とも話せたが、よく分からない内容だった。汗が溢れ出る。


「うおっ大丈夫かユウタ、寝汗がひどいぞ。気分悪いなら保健室いくか?」

「い、いや大丈夫だ。ちょっと追いかけられる夢を見たから変な汗が出ただけだから。」


「ああ、あるよな〜そんな夢。俺も夢の中で…」

 コウジの話が全く頭に入ってこなかった。こんな調子で学校が終わるまではさっきの暗闇の中での会話で頭がいっぱいで、ずっと心ここにあらずの状態だった。


 一人で悩んでも何も解決しないな…解決する糸口すら見出せない。そう感じた僕は今夜二人に相談してみることにした。




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