第42話 引っ越しました
「よしっと、ここに置いてと。これで全部の部屋がやっと終わった~。」
ようやく今日で引っ越しの作業が終わった。
宣言通り僕は1週間地味に同じマンションの3LDKの部屋に荷物を移動したりして大変だった。もちろん学校にも行きながらだし。
重いベッドとかテーブル、勉強机などはフィギュアバカのコウジに手伝ってもらって帰りにマックをおごったぐらいで安く済んだ。ビックマックセットにマックシェイクとスマイルをつけてもらった。
ちなみにスマイルはおばちゃんだった…時間帯によってはしょうがないっていうか頼むなよなコウジ…おばちゃんも戸惑っていたじゃないか…あのぎこちないスマイルはこっちもトラウマモノだぞ。
あっ、ちなみにウーバーイーツでマックのスマイルが頼めるらしい。ネットで見たんだけど、配達員は紙袋を渡されて届けるらしい。スマイル0円なんだけどもちろんウーバーイーツ使用料は払わなければいけないのでマックの紙袋を高いお金で買うだけになるからみんなも気をつけて。
そんな豆は置いておいてレインさんやカミラさん用に新たに購入した家具も部屋に入れ終わった。最初はベッドを購入しようかとも思ったが、たぶんこの部屋に泊まる事はないと思うのでソファにした。
二人とも国では超がつくほどの金持ちなので、僕には想像が及ばない高級ソファをいつも愛用しているだろうが、そんな予算はないので座れるだけの代物で我慢してくださいねとは言ってある。
レインさんにはオーソドクスなソファベッドを購入。普通に使う事もできるが、背もたれを倒せばフラットになるのでそのまま寝る事もできます。
カミラさんには腰掛ける人を包み込むかのような丸く安心感のあるフォルムの1.5人掛けソファを購入。この人間をダメにするソファで残念美女に磨きをかけてほしい。僕からのささやかなプレゼントです。
ちなみにソファーではなくソファと伸ばし棒がいらないようだ…知らなかった。ずっと付けると思って生きてきたよ。
あとはテレビ。50型の最安でただ見れればいいやつを購入。僕はほとんど見ないからいらないんだけど、二人は物珍しさからチャンネルを独り占めしたかったみたい。せっかくの異世界に外に出る事が出来ない分知りたいという欲求が強いみたいだ。
二人の部屋にはとりあえずその2点は先に入れておいた。これから地道に増やしていこうと思う。
僕の部屋は…ほとんど前の時と変わらない。移動しただけだからね。元々1人暮らしだからそんなに物も多くなかったし。
ああ、そうそうそれとダイニングテーブルを新調したよ。3人で1つのテーブルを身近に囲みたいから丸テーブルのやつを購入した。なかなか良いよ。茶碗や皿なんかも二人のために多めに買い揃えておいた。どうせならきちんと色分けしたかったからね。カミラさんが瞳のパープルに合わせて赤系で。レインさんも瞳のグリーンに合わせて緑系、僕は青系で統一して、誰がどの皿を使うか分かりやすくしておいた。
とりあえずそれぐらいかな。
はーーーー疲れた。この引っ越しで今まで貯めたお金をほぼ全部放出してしまった。本当に食材を購入するぐらいしか残っていない。今日は引っ越し祝いに豪勢に回らない寿司屋の出前を頼んだから明日からまた頑張って二人から毟りとるか。
あっ最後に一番大事な仕事を忘れてた。
異世界の通り道設定だ。これをしないとレインさんとカミラさんは今まで通り僕の部屋だったところに繋がったままだから毎回元僕の1DKの部屋に不法侵入してしまう事になる。
しかもその部屋から新しい僕の部屋に来る術はない。外に出られないからね。
……ふむ、それもいいかもしれんな。とりあえず1ヶ月くらいのんびりさせてもらおうかなって、お金ないからダメじゃん。二人から毟りとる事を忘れてた。危ない危ない。
まずはレインさんの部屋へ入りクローゼットを異世界の入り口に認定する。クローゼットが淡く光ったと思ったらクローゼットの中からレインさんが現れた。
「待ちくたびれたぜユウタ。おっ、ここが俺の部屋か。まだ狭いがソファーとテレビさえあれば問題ない。」
そう言ってニッコニコ顔のレインさんが買いたてほやほやのソファーに座ってテレビの電源を入れた。嬉しすぎてザッピングしまくりだ。背もたれを倒して寝転がれるソファだと告げて部屋を出る。次はカミラさんの部屋だ。
部屋に入ってカミラさんもクローゼットを異世界の入り口に認定する。初めはシャレでトイレとかお風呂に設定しようかと思ったのだが、住んでいるのが僕だけなので誰も得をしないドッキリなので止めておいた。
あと、考えたドッキリは犬小屋を買ってそれを入り口に設定してみたらどうかなって…カミラさんのような美女が犬小屋のような所から這って出てくるのを見てみたい気持ちもあったけれど、さすがに怒られて1回しか使わないものに身銭を切るのはどうだろうかと思い直した。
クローゼットを異世界の入り口に設定してすぐにカミラさんは床にゴロゴロと転がりながら登場した。
「やった〜〜〜〜我の部屋なのだ〜〜〜念願の部屋だ〜〜。狭くても我の野望の第一歩がここに叶ったのだ! ひゃっほ〜〜〜い」
と128歳とは思えないはしゃぎっぷりに少し引く! そこまで喜んでくれれば僕も嬉しくないって言えば嘘になりますけど…そして僕の思惑通り丸くて人を包み込む柔らかなソファに埋もれ満足げにテレビを見だした。
そして二人には今から夕飯の支度をするから出来たら呼びますから、呼んだらリビングに来てくださいよと伝えて準備にかかる。
といっても寿司を冷蔵庫から出して温かいお茶を入れるだけなんですけどね。あ、そういえばついでに冷蔵庫も大きいのを買ってレトルトや食材をストックできるようした。これからレトルトなら二人に好きな時に作って食べてもらえばいいかなと思って。
すぐに準備が出来たので二人を呼んだ。だが、寿司を最初見た時には魚を生で食わすとは正気か? とかそんなに我の事が嫌いなのか? とか散々愚痴を言われまくったけど、案の定食べだしたら箸が止まらなかったよ。
二人ともうまうま言って食べまくっていたよ。だけど今日の寿司はお高めなので、多分二人の貯金額が結構減る事になるだろう。僕もほとんどお金を使ってしまったのでまた地道に貯めていきたいと思う。
これからまた、僕たち3人の新しい生活がここから始まるのだ!




