表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/173

第36話 mission6

“ピロ〜ン”

“mission6 街道を真っ直ぐ進み、沼地までに出現する魔物を討伐してください 内容/ゴリブ沼地に至る街道を襲い掛かる魔物を討伐して北に進んでください。ただし…”


「え〜っと、ただし条件が3つ、1つ目、歩いていく事。2つ目、魔物討伐数は各自均等にする事(プラスマイナス10匹までOK)。3つ目、魔法不可、物理攻撃のみ。だそうです。」

 僕がそう説明すると、空から3本剣が降ってきて地面に突き刺さった。


ザクザコザク。


 …1本ザコが混じってるやん。僕の事でしょどうせ。


「まあ、オーソドックスな当たり障りのない頑丈な剣だな。」

「ふん、悪くはないだろう。」

 レインさんとカミラさんは剣を引い抜いて品定めをした。僕も最後の1本を引き抜いたが思ったより軽いな、ちょっとレインさん目掛けて振り回してみるが全然レインさんには当たらない。


「おっ、この間よりは体のキレが良くなってるな。子供よりは成長したかな。」

「一人でゴブリンキングを倒した分強くなっておるのだろう。まあ、ほんのちょっとだけだがな。」

 二人はmission中の異世界では僕を子供をあやすような生暖かい感じで接してくれる。まあ修羅場を経験している二人に比べれば、ほぼ経験0の僕なんて赤子同然なので特に屈辱などは感じないのだ。むしろ安心感さえある。


「あ、なんか頭の上に数字が表示されていますね。」

レインさんやカミラさんの頭上には0の数字が浮き出ている。見えないが僕にも0が表示されているのだろう。

「これが討伐数の視覚化なんだろうな。」

「ふん、親切な事だ。」


 基本的な情報を精査して、3人で細かい決め事を確認して共有する。


「それでは進むとするか。魔法不可とのことだったが、攻撃魔法と強化しすぎる補助魔法でなければ使えるようだぞ。」

「俺の必殺技も制限されていないみたいだな。まあ使わないけど。」

「とうとう僕のコロボックルにも火をつけてる時がきましたよ。」


 僕のコロボックルはみんなに無視されました。まあ、雰囲気で言ってみただけですから特に意味はない…


 僕たちは今街道とか特に舗装されていない道を進んでいる。誰もいないな…第一村人も発見できないまま北へと進む。


 街道では特に魔物は襲いかかってこなかった。三人で黙々と歩いているだけだ。しばらくすると前方に怪しげな森が見えてきた。たぶんこの森の中を進めという事だろう。カミラさんの遠視でもこの先に沼地がある事を確認している。


 僕達は躊躇せずに今までと同じペースで鬱蒼とした森の中を進む。ん〜何か見られてる感がすごいな。まあ僕が感じるぐらいだから二人が気付かないとという事はありえないんですけどね。


「うじゃうじゃおるわ、もうそろそろこっちから仕掛けるか。」

「ユウタ、俺たちから仕掛けるから自分にきたのは自分で片付けてくれよ。」

 そうレインさんが言う前にカミラさんが動いた。


 生い茂る草むらの中に入り姿は見えなくなるも切り伏せる音だけは聞こえる。レインさんもカレンさんとは反対の草むらに入っていった。僕は待機です。すると目の前の藪から息絶え絶えになったゴブリン? がよろよろと出てきたので止めを刺す。


 ザシュ。


 すると今度は反対からヨロヨロ出てきた。


 ザシュ、ザシュ。


 ヨロヨロザシュザシュ、ザシュザシュヨロヨロ。


 って具合に棚からぼた餅的な。もちろん二人がこちらに流してくれているのだろう。止めを刺さない程度に的確な力加減で魔物の力を削いで、子供並みのステータスを持つ僕の為に止めだけをさせば良いように。


 僕も少しづつゴブリンに止めを刺しながら前へと進む。途中からコボルトや狼系?とか昆虫系みたいのも混ざり出した。奥に行けば行くほど魔物が強そうになってきたが、相変わらず僕の前には瀕死の状態の魔物が現れてくる。


 それを流れ作業のようにとどめを刺していく。何だか申し訳ないな。二人にお礼をしたくなるな…


 はっ、罠だ! これは巧妙に計算された二人の罠だったのだ。恩を着せて少しの罪悪感からスイーツや飯を僕にたからせる罠なんだ!


 そう気づいてももう後の祭りだ。僕は壊れたロボットのようにベルトコンベアに流れてくる魔物に止めを刺す業務を淡々とこなし続けている。


 時折ふと顔を見せる二人はものすんごいドヤ顔だ。


 ザシュザシュドヤ! ザシュドヤ! ザシュザシュザシュザシュドヤ! ぐらいの頻度だ。


 …多くね? でもその都度、二人の頭の上のカウンターはものすごく上がってる。今で200匹ぐらい倒してる。僕の数値は自分では見れないからわからないのだが…たぶんドヤ顔してるときに確認しているのだと思う。すごいな。


 まあ、罠だとしても俺のスイーツは献上しよう。まだスイーツを食べる前に異世界に来ちゃったしね。そんなこんなで前が開けてきた場所に行くとそこには…


 でか! 体長3mぐらいの熊みたいな魔物とカミラさんが対峙している。レインさんはそれを離れたところからみているだけ。よく見たら足元にゴロゴロと熊さんが転がっているんですけど…何匹目?


「おっ、やっときたかユウタ、これがお前の取り分のキングベアーだぞ。弱らせずに置いたから戦ってみろ。」

カミラさんが僕に譲ってくれた。


「えっそんな事いきなり言われても心の準備が…ええ。」

急にスイッチされ、動揺している僕にさらに追い打ちが…


「大丈夫だユウタ、お前が真剣に戦って10回に9回ぐらい瀕死になる程度の強さだから。キングベアーは。」

とレインさんが何でもないような顔をして言う。


「全然大丈夫じゃないですやん! 9回ってどこに安心する要素があるんですか!」

と突っ込みながらも必死でキングベアーの攻撃を躱す。


 もう必死に逃げ回るよ。あきらかに格上だもの。その必死な顔と悲壮感丸出しの僕の顔を見てカミラさんは大爆笑だ。そりゃあそうでしょ、強者ならなんでもない攻撃を弱者の僕が必死になってたら面白いでしょうよ!


 レインさんはさすがに勇者だけあって的確なアドバイスをくれる。今急所をとかアゴだとか言ってくれるけど初心者の僕にはハードルが高すぎる。凶暴な魔物の動いている急所なんてわかっていてもつき刺せませんって。


「か、代わってくださいよ! 僕にはまだ無理ですよ!」

「んー代わってやりたいのはやまやまだけど、ユウタにも頑張ってもらわないと討伐数の関係で。」

「そうだぞ、早く倒せ。ほれ今だ。くふふふ」


 そうなのだ2つ目の条件、魔物討伐数は均等にする事。があるために僕も数をこなさないといけない。じゃあもっと弱い魔物を僕に倒させてくれればいいのに…。まあ、そんな事ばかりしていたら僕が成長できないから指導も含めての配慮だと思うんだけれども…。


 とにかくでかい質量の物が向かってくる怖さといったらないよね。体が萎縮しちゃうもん。だから動きが鈍くなってしまう。いかにリラックスして平常心で戦えるかが課題だな。よし、じゃあ覚悟を決めて戦うか。


 二人も見守っててくれるしね。


 そう決心して僕はキングベアーに立ち向かっていく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ