第25話 アットホームドラマ
「1・2・3・4・5っと、えーっと子どもが生まれる。みんなから2000円づつもらえる。ぷぷぷっレインさんおめでとうございます。これで8人目ですね子供、励みすぎなんじゃないですかぷぷ。お盛んですね、はい2000円」
「なんで子どもばっかり生まれるんだよ〜。8人って…溢れてるやん車から。」
「のけい、次は我の番だな。回すぞ。」
今僕たちは食後の人生ゲームをやっている。今までは食事が終わってしばらくしたら解散していたのだが、また異世界に飛ばされるといけないので2〜3時間は暇をつぶしてから解散となるのだ。
まあ、3日連続はないと思うけど…ないと思いたい。
「1・2と、えーとなになに…会社が倒産、振り出しに戻る。だああああああああ、嘘だろ! また1から出直しじゃないか!」
カミラさんは振り出しに戻った。
「ええいどけい! このザコ共が! この俺様に勝てるわけがないだろう! 見ておけザコ共が!」
僕は尊大な態度でルーレットを回した。
「6! 1・2・3・4・5・6と…会社が倒産、振り出しに戻る。」
だああああああああカミラさんと全く一緒じゃないか…
「わははははザマア~だなユウタ、子沢山を笑った罰が当たったんだ。」
「ザコだな、ユウタもザコだな~ぷーーーーくくく。」
二人もここぞとばかりに煽ってくる。
なんか楽しい…人生ゲームをやるのも久しぶりだ。前に友達同士でやった後ずっと置きっぱなしになっていたのを見つけて引っ張り出してきたけど、ルールは簡単だからレインさんやカミラさんでも出来るかなと思ってやり始めたんだけど思いの外、盛り上がった。
ご飯もそうだけど自分一人でいるよりも、みんなでいるほうが楽しいな…ふふ。
「何だユウタ? ニヤニヤしおおって気持ち悪いのう。」
「いえ、何か二人といると楽しいなと思いまして。つい笑ってしまったんです。」
僕は素直に二人に気持ちを伝えた。
「俺も楽しいな、何ていうか久しぶりにゆったりまったりと心の底から楽しんでいるというか…国では勇者としてのプレッシャーもあるし、日常的に命のやり取りもあるからな。」
「我もだ! 国では魔王としての力の象徴でもあるから尊敬と羨望の眼差しを一身に受けてはおるが、一部の者を除いて気安い態度のヤツなんか滅多におらんからのう。こう1人の女性としてみてもらえる事がうれしいぞ。」
「いえ、カミラさんを女として見た事ないですけど。」
僕は真顔で言いました。
「嘘つけ〜〜〜! 散々我に性的発言をしておったじゃないか! モロに我のナイスバディを性的な目で見ておったじゃないか!」
「見てないと言ったら嘘になりますけど、断じて女として見た事ないです。」
僕は真顔で言いました。
「いや、見ておるやん! 嘘やん! そしてそこまで否定されると嘘でも傷つくやん!」
「魔王からかわれてるだけだって。ぷぷ魔王のそんな顔レアだな。お互い国ではこんなに気安くされる事なんてないからな。」
レインさんがフォローしてくれた。さすが出来る男だ!
「まあ、この部屋は魔法も物理的攻撃も無効になりますから安心して言えるというのもありますよ。なんせ初対面の僕に第8界魔法をぶっ放そうとした人がいたみたいですから。」
「ん? そんなひどい奴がおったのか? とんでもない奴だな、会ってみたいな我も。」
「おい、お前だろ!」
レインさんがカミラさんに突っ込んでみんなで笑いあう。
あはははははははははははははははは
アットホームや…アットホームドラマや。ちょっとほっこりしていたら…
「「「ん」」」
…やっぱり今日も来たか…結局これで3日連続だな、くそっ。はー、また僕たち3人は異世界へと飛ばされた。
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今日は前回とは違い薄暗い森の中へと放り出された。日は高く登っているのに森の中は薄暗くジメジメとした雰囲気だ。
“ピロ〜ン”
僕の頭にいつもの音が響いた。
“mission4 ゴブリンを殲滅せよ。内容/ゴブリンの巣をユウタ一人で滅するまで帰れません。”
「ゴブリンならザコ中のザコだから、ユウタでも大丈夫だろう。ほらサクッと行ってこい。」
「いえ、カミラさんサクッとって…そりゃ勇者や魔王に比べたらキングオブザコでしょうけど…僕はズブの素人なんですよ。レインさんゴブリンの巣って冒険者基準だったらどの程度の難易度なんですか? 常識人としてのアドバイスをください。」
僕はカミラさんを放っておいてレインさんに意見を求めた。
「うーん、冒険者レベルでいうとゴブリン単体だったら冒険者初心者のGレベルなんだけど…群れ、巣の殲滅だとEランクまであがるんだよな…しかも5人ぐらいで。1人でやるならCかDぐらいになるかな。」
「…なるほど。ちなみにDランクでどのぐらいの強さなんですか?」
「Eで一人前の冒険者だと言われるから、Dだとさらに経験を積んだベテラン冒険者って感じだな。一般の人は頑張ればなんとかCランクにはなれるかもしれんが、Bから上は才能がないと絶対になれない壁だな。」
ええええええ絶対に無理じゃないかな。Dランク相当のミッションを僕一人で? 何の経験もない荒事もした事のない僕を?
まさか…ついに来たのか? この僕の真の能力を見せる時が…。
「ふふふふ、レインさん僕の能力をみてください。今まで隠していた僕の能力を! さあ、今すぐ!」
僕は両拳を握りしめ、某サ○ヤ人のごとく身体中からほとばしるオーラ(想像)を出した。そんな僕をレインさんは鑑定する。するとレインさんの顔はみるみると驚いた顔になる。
「ま、まさか…ユウタお前は…。」
ま、まさかのつづくだ。




