第24話 ハンバーグ in ときどきチーズ
授業終わりにスーパーで買い物も済ませてダッシュで帰宅。細々した事をやりきって夕食の準備もOK! じゃあ今日も張り切って作っていきましょう! えいえいおー…まあまあ投げやり。
お金の心配はなくなったから原価計算しずに買い物できるようになったので助かる。しかも頑張った分だけ収入も増えるからやりがいもある。だけれど…何か気が乗らない時もあるよね? 仕事なんだけど…あれ? これはやらなくてもいい仕事なんじゃない? とかねそういう日もあるわけですよ、高校生の身としては。扶養のない独身高校生としては。
主婦(主夫)の皆様、毎日ごくろう様です。いや、本当に。
今日の献立はチーズinハンバーグ。僕が大好き玉ねぎ多めに入れて…あんまり入れすぎると水分が増えて形が崩れやすくなってしまうけど好きなので多めに。
ハンバーグだねを作るために材料を混ぜ混ぜして粘りが出るまでこねる。僕はこの粘りが嫌いで…ねっとりする感触がうわああってなっちゃう。10人前ぐらいあるからめっちゃ重労働やん。肩パンパンやん。あの二人体力あるからこれから食事前に呼んで手伝わせようかな。
ハンバーグだねを両手でパンパン行き来させて空気を抜く。この作業は好きだな。途中力の加減を変えていかにいい音を鳴らすか試したりして。おっ今めっちゃいい音なったやんとどうでもいい事に少し嬉しくなったりして…めっちゃ地味やん! だけどそれぐらい気をそらさないと量が多すぎるのですぐ飽きちゃうんだよな…。
よし、形成して空気を抜いたハンバーグだねにピッツァ用のチーズを真ん中に入れて完成! 生ハンバーグinチーズです。これで完成です。
…嘘つきました。大量にあるハンバーグを今から焼くの面倒くさくなったので嘘つきました。
今から焼きをいれます。両面を焼き色がつくまでこんがり。最後に蒸し焼きにすると柔らかくなりますって書いてあったのでやってみる。
今まで何度もハンバーグを作ってはいたけど、中の肉汁があふれちゃって食べた時パサパサで全然ジューシーじゃないのもいっぱいあったな〜今回はどうだろうな〜と思うが味見せずに食べたとこ勝負だ。串にさす方法もあるらしいが食べたとこ勝負だ。
いつの間にか席にスタンバッている二人の前に焼きあがったハンバーグを次々に投入していく。
「うまい! ものすごいジューシーな肉汁があふれ出てきてうまい! 俺好きだわ〜これ。」
「中に入っているのは…乾酪か! 伸びるぞうまい! 肉汁とは違う旨味が口の中に溢れるぞ!」
良かった。二人にも好評だ。
最初は作るのが面倒くさかったりもしたけど、こうやって目の前でおいしいと言って食べてくれると作ってよかったなと思うし、じゃあ次も美味しいものを作って喜んでもらいたいという原動力になるよね。
だからこそ、毎日作っている人に対して感謝の気持ちを口にしよう! 作ってもらってあたりまえじゃないんだよ! 簡単なおかずに見えても作る手間は簡単じゃないんだよって言ってやりたい。
前に僕が愚痴を言った事ある。母さんの作ってくれる夕飯の品目が多すぎるって。いっぱいちょこちょこ食べるよりは、1品だけでいいからがっつり食べられればいいににて愚痴ったら…その人は
「品目が多いのは愛だね。それだけあなたの為を思って手間暇かけてくれているんだから感謝しなさい。」
と言ってくれたけど、その時は全然ぴんとこなかった…
だけど一人暮らして自分で食事を作るようになったらその言葉が胸に響くよ。本当にどうでもいい人なんかに手間暇かけない。適当に作ったおかずしか作らないよ。
本当に主婦(主夫)の皆様、毎日ごくろう様です。
今日も二人とも美味しい美味しいと褒めてくれるから、いつもとは違いゆっくり味わって食べてくれているから、急いで作らないとという焦りはない。だから時間をかけて焼いて美味しい状態で出せる。
僕も次を焼いている途中でハンバーグを食する。箸を刺すと肉汁が溢れてくる。良かった今日のハンバーグは成功だな。中からとろけてきたチーズをハンバーグに絡めて口にほうばる。
うまい! 噛めば噛むほど肉汁が溢れて肉の旨味を感じる。今までで一番うまく出来たかもしれない。今回はピッツァ用の伸びるチーズだったけど、今度作る時はもうちょっと濃厚なチーズをいれてもいいかな。後でチーズの種類も調べておこうなどと思いながら味わって食べた。
ちょっと大きめのハンバーグにしてみたのだが、僕は2つでお腹いっぱいになった。もちろんごはんとコンソメースープとサラダ付きでだ。二人は10個以上食べてる…毎回よく入るよな。
最後のハンバーグを焼き上げた後、二人が名残惜しそうに味わっている間に洗い物を済ませる。結構な量があるけど…その中でもフライパンを洗うのが一苦労だ。デカイし重いし。今度から力仕事を二人にも割り振ってみるか。少しは俺の苦労を味わえ!
しばしのまったり時間の後、新たな主戦場へ…
今ハンバーグを山盛り食ったばかりだというのに、もう次のデザートに狙いを定めて僕に食らいつかんと虎視眈々とした目つきで見やる…そんな荒々しい息遣いの中期待を一身に背負った僕は冷蔵庫から今日のデザートを取り出すのだった。
今日のデザートはいつものスーパーのシュークリームとなめらかプリンではなくてちょっとだけ趣向を変えたデザート。それは…
「今日はエクレアです。細長いシュークリームの上にチョコがかかっている…」
僕の説明も途中でばくつき出す二人。レインは1個丸飲みだ。中国雑技団の剣を口ににゅ〜って入れるのみたいにエクレアをそのまま口に噛まずににゅ〜って。
気持ち悪! 噛めよ! 飲み物みたいになってるじゃねーか!
カミラさんも美味しそうにほうばって食べているが…口の周りチョコでベッタベタ。幼稚園児か! 口の周りベタベタしてても気にしな派か! もしくは口の周りの神経が無いのか!
ぜーぜーいかん、二人に突っ込みすぎた。当の本人たちは気にせずエクレアを堪能している。僕もエクレアを食べる。うん、うまい! スーパーの1個98円ぐらいのなのにうまい! 最近のスーパー侮りがたし!
コンビニのように新製品やあまり代わり映えしない定番の物ばかりだけど、昔に比べたらクオリティーがものすごく上がっていると思う。安いし。
「シュークリームにチョコを乗せただけでこんなにもうまいなんて…これからは半々で頼むな。」
レインさんは気に入ってくれたみたいだ。まあ、デザートなら何でも好きだと思うけど。
「以前のお高めのシュークリームのカリカリとした皮も好きだけど、この柔らかめの皮も捨てがたいのだ。これはこれ、あれはあれだな、うん。」
カミラさんも気に入ってくれたようだ。…口の周りベッタベタだけど。
そんなこんなでハンバーグもエクレアも好評に終わった食事回なのであった。




