第23話 それぞれの日常~知人編①~
僕の名前は田中コウジ、一応三ツ俣ユウタとはフィギュア仲間だ。僕のコレクションを食い入るように見つめる美少女フィギュア同志だ。まあ同志っていうか弟子だな、実質。
そんな弟子の様子が最近おかしい。毎日毎日夕飯の献立ばかりを考えている。休憩時間はもちろん、昼食時もずっと何を買うかどれだけの量を買おうか迷っているし、原価計算までしている。ちょっとおかしくない?
ユウタはちょっと訳ありで一人暮らしをしている。何か訳ありって言われると「訳ありって何?」って聞きづらいよね。自ら言うって事は聞くなよバリアーを張ってるって事だから空気を読んで聞かなかったけどな。
そんなユウタが毎日大量の夕飯を作っているっておかしくないか? と思ってはいてもそこは空気を読まずに「何で毎日そんな量の献立作ってるの? 一人で食べるには多くない?」って聞いてみた。そしたらユウタは…
「ちょっと訳ありで…」
「訳ありって何?」
と聞くなよバリアーを破って聞いてみた。
「絶対言うなよ…もしも喋ったら…言わなくてもわかるよな? それでも聞くか?」
とユウタは小声で言ってきたので僕は…
「うん、聞くよ。何何どした?」
と即答したらユウタは
………………………
………………………
「ちょっと訳ありで…」
と恥ずかしそうに答えたんだ……
エンドレス!
…聞くのを諦めた。
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私の名前はソフィア。150cmと小柄ながらもメルニーク王国の勇者パーティーの一員だ。担当は主に回復系です。勇者パーティの回復系といえばみんな聖女様を連想するようで、地方に行けば行くほど聖女様と呼ばれたりする事があるが、本物の聖女様は聖教会に所属しているので外出なさることはあまりないのだ。
ちなみに現在の聖女様は御歳128歳だ…。ちょっと複雑。聖女様と呼ばれると少しだけ複雑。
そんな勇者パーティーのリーダーはもちろん勇者ことレイン・バークレンだ。私と幼なじみで確か3歳年上だったかな、小さい時は村のたくさんいる子供の中でたまに遊ぶ程度で、特に目立つような存在ではなかった。
それが成長するにつれてめきめきと頭角を現して、14歳の時に聖女様から勇者の啓示を受けた。
すごい! 同郷から勇者様が出るなんて。幼なじみとしてたまに遊ぶぐらいの仲だった私でさえもすごく誇らしかった。
あと私は勇者レインの恋人ではない。
いつも言われるのだが…いく先々で勇者レオンの恋人だと思われてしまう…あいにく私は小さい時にお互いの将来を誓い合った仲ではないし、ほのかな恋心を秘めたりもしていないし、村から一緒に出てパーティーとして戦ってきた仲でもない。
各々別々に村を出て、長年頑張って地道に活躍した実績を認められて、勇者パーティーに推挙されて今現在は行動を共にしているのだ。
だから私が勇者レインと幼なじみで回復系担当というだけで恋人扱いされてしまうのが正直ものすんごい迷惑だ。やっかみや妬みもひどいし…かといってレインの事が嫌いという訳でもないが…恋愛としての好きではない。
一番の弊害というか訴えたいのは、レインのせいで私は他の男性から異性として、全く恋愛対象としてみてもらえないのだ! 年齢=彼氏いない歴なのだ…悲しいぐっすん。死にたい…回復魔法で復活しますけどね。
前置きは長くなりましたが、そんな付き合いの長いレオンが最近おかしいのです。なにがおかしいかというとズバリ! スイーツを全く食べなくなってしまったのです。
以前は私とよくスイーツ店巡りをしていたのに、最近は私が誘っても全然乗ってこないし、スイーツを食べているところすら見なくなったのです。何か甘ったるすぎるとか言って。
その甘味がいいのではないですか! 高級品の砂糖の甘味こそがスイーツの醍醐味なのに! ほんのりした甘味なんて砂糖の代替え品であるはちみつの領域じゃないですか! 砂糖をふんだんに使用したスイーツこそが今まで血反吐を吐くほど頑張った末にたどり着いた成功者たる甘味の最高峰! 最高の贅沢ではないですか!
村にいた時に
「あ、この木の皮うっすら甘いよ噛んでみて。」
とレインに言われ毎日毎日二人で木の皮をかじりまくっていた甘党団の最高到達点ではないですか!
もしあの時に戻れたら私は私に言ってあげたい
「その木の皮全然甘くないよ、むしろちょっと毒があるからその3日後にお腹が降りまくるからかじらないほうがいいよ〜〜」
と優しく伝えてあげたいわ…黒歴史ね。
そんなスイーツに興味を示さなくなったレイン…これは臭うわね。私の勘では…
女ね。
ちょっと楽しくなってきたから隠れてレインを盗撮…もとい観察することにするわ。
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私の名前はフィア。魔王様の優秀な副官だ。むしろ優秀すぎるかもしれません。
最近魔王様がおかしいのです。
あんまり食欲がないみたいなのです。以前はばくばくアホみたいに食べていたのに。毎日働いていないのに食べたエネルギーはどこに使われているのだろうと思うぐらいに食べていたのに最近は半分ぐらいの量になってしまわれたのです。
別に元気がないから食欲が無いとかそんな感じではありません。その日は朝からそわそわしていたのでおかしいなと思い聞いてみました。
「魔王様朝からうきうきそわそわされていませんか?」と。
すると魔王様はこう答えました。
「な、何でもないぞ。本当だぞ。」と。
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100%嘘ですね。がっつり嘘ですね。
隠し事できないところが魔王様の良いところでもあり、残念なところでもあるのですが…これは早急に魔王様を盗撮…もとい観察しなければいけませんね。
私は魔王様の優秀な右腕ですから。




