第14話 啓示の詳細(説明回)
●料理の金額の内訳説明
僕が作る料理に関しては通常の2〜10倍の範囲での価格上限がある。最低金額
は1万円という事だ。僕にも最低1万円がもらえる。
例えば前回出した唐揚げでいうと200g1人前の適正価格が500円だとしよう。二人は各々1400gずつ食べているので500円×7=3,000円が対価なのだがそこに異世界利益が2〜10倍上乗せされる。唐揚げの場合は3.3倍だな。
2人が例え200g500円分しか食べていなかったとしても最低金額1万円になる。
僕が高級和牛を使って原価自体が1万円になってしまったとしよう。その料理を食べた二人は2万円〜10万円の支払いが生じる事になるという事だ。その値段の倍率はその都度僕の原価率、手間代、その他副菜によっても変動するらしい。
まあ僕は1食につき1万円、二人で2万円ももらえれば十分だけどね。
今回の4日間は特別価格、応急的にという事で僕も二人も一律1万円になっているようだ。現物で即金ありがたいです。僕の精神的慰謝料も含めてごっつぁんです。
それじゃあ僕が効率よく利益を出そうと思ったら、レトルトや冷凍物を出せばいいんじゃね? と邪な考えも浮かんだのだが…
レトルトや冷凍を二人に出す場合は、二人が払う料金は1万円だが、僕には購入した代金分か、1.5倍のお金しか手に入らない。つまり全然もうからないって事だ。
例えば冷凍餃子をフライパンで炒めて出せば、手間賃として1.5倍もらえる。1袋12個入り餃子250円とすると1袋につき375円だけもらえるのだ。
これが僕の手作り料理と、チンして出すだけのレトルトが一緒の値段だったら、全くやる気が出なかった事だろう。俄然やる気が出てきた。
それでも作りたくないときは別に損をすることは無いのだからレトルトを出せばいいのだし…そこも考慮してくれているみたいで誰だか分からないけどこのシステムを考えてくれた人に感謝感謝です。
ちなみにシュークリームやプリンはそのまま出すだけなので、購入僕には購入価格の100円×1.2倍の120円しか支払われない。1.2倍というのは購入した運搬料と冷蔵庫に入れておいた保管料という事らしい…
ここまでの話には二人はあまり興味がないみたいだ。実際僕の収入制度の話になっていたけど、二人の懐にも直結する料理の金額設定の増減の話もあったのに…たぶん二人は金持ちだから1食1万円だろうが10万円だろうが痛くも痒くもないのであろう。
しかしそんなセレブリティなドーピングはこのシステムが許さないようだ。その理由を今からこのだらけきった大食いバカ2人に突きつけてやろうと思う。
●黄金のカードにお金を入金する説明
「これからお二人にはその黄金のカードにお金を入金する方法をお伝えします。」
「どうやってお金をいれればいいんだ。この聖金貨とか入る? 聖金貨が入らないと金貨の手持ちが1万枚(10億円)ぐらいしかないんだよな〜。」
「我もこの黄金でいいか? このぐらいならまだ私財として腐るほどあるのだぞ。」
…なんだろう。平民代表としてこの二人を殴ってやりたい。例えこの感情が平民の嫉妬だとしても二人をグーで殴ってやりたい…そんな感情を抱え入金方法を二人に告げた。
「そんな貨幣や金なんぞ役にたたん! 捨てちまえ! いくら金を積まれても人の心までは買えんのだぞ! そして俺の貞操も買えん!」
「気がふれたかユウタ? どうしたんだいったい。」
「どうしたユウタいきなり? 買わんぞ、誰もお主の貞操なんか買わんぞ!」
レインさんとカミラさんが同時に突っ込んでくれた。よかった、ちゃんと僕の話を聞いてくれているようだ。
「その黄金のカードへの入金方法は1日のあなた達の働き次第だそうです。」
「「は?」」
「1日の仕事を終えた後にそのカードを自分の胸にかざしてください。そうするとその日の働きに応じた金額が入金されるそうです。」
「どゆこと? 1日の働きしだいって?」
「1日の働きがお金に換算されるって…歩合制?」
「働きっていうのは、ご自分の役割に応じた仕事や善行などが加算されるそうですよ。」
「基準が明確じゃないな。とりあえずやってみるしかないって事か。」
「どうしよう…我は通常業務はほとんどぐーだらしてるんだけど…。」
「ちなみにカードに最低1食購入金額、1万円が無い状態だとこの部屋への行き来する権利も無くなるそうなんで気をつけてくださいね。」
「まぢかよ…厳しくね?」
「うそじゃ〜、最悪お金が無くても盗み食いしようと思っていたのに〜〜。ユウタの優しさにつけこんでツケで食べようと思っていたのに〜」
…おい、魔王…善良な一市民である僕にたかるなよ。そういうところだぞ。だからシステムで制限されちゃうんだぞ! わいのわいの二人が色々とこれからの事に騒ぎ出したので、ここで僕も付け足しておく。
「あの、僕の料理も1週間7日あるうちの2日間お休みにします。つまりここに通うのは日曜日〜木曜日までの5日間にしてくれませんか?っていうか決定ですけど。」
わいのわいの騒がしかった二人がピタリと静かになって僕を信じられないといった驚きの表情で固まった。そしてすぐに騒ぎ出す。
「何でそんな酷い、悪逆非道な事を言うんだユウタは! お前は鬼か!」
…いやレインさん、悪逆非道って…2日休みたいって言っただけじゃない?
「いやだいやだ! 絶対週7日通いたいのだ。ユウタは我の為に毎日働きづめに働く運命なのだ〜〜〜!」
…カミラさんめっちゃひどくね? 魔王の方が悪逆非道じゃね?
あまりにも二人に懇願されるので、結局僕が妥協することに…妥協と言っても料理は作らない事にした。僕も毎日食事を作り続けるのが苦痛な時もあるので適度にというか週2日は休みが欲しい。
結論として週5日は夕食を作るが金曜日と土曜日の2日間だけはデザートのみの支給にする事にした。勝手に冷蔵庫を漁って食べて、お金を置いていくという流れだ。ちなみにデザートは購入価格の5倍になった。100円のものなら500円、10個食べれば5000円になる。
この条件でしぶしぶ受け入れてもらい、二人のだだこねっぷりはようやく収まった。
…本当はしぶしぶしたいのはこっちの方だけど。




