第105話 ユウタ(父)登場
登場人物が多くなってくると読みづらいと思いますが、一応、我がカミラ、俺がレイン、オレがレイ、自分がユウタと分けてあります。読みづらくてすみません。
ーーーーーーーーーーー
「さてと、どこから話そうか…。」
そう言ってレイはアゴに手を添えて考えるフリをする。
「やけに人間に擬態するのがうまいな、その仕草も様になっているぞ。」
魔王がレイに感心する。確かに…今俺たちは幽体だから分かるが、肉体年齢の若さから可愛く見えるから(推定16歳?)騙されそうだが、中身は化け物だ。もちろん人ではないから当たり前なのだが…
そんな事を考えていたら、病室の扉が開く音がした。誰だと警戒したが…そこには…。
「レイ君、まずは自分から経緯を話させてもらっていいでしょうか?」
「ああそうだな、その方が分かりやすいかもしれないな。」
「「ユウタ!」」
俺と魔王は同時に叫んでしまった。
扉から入ってきたのはまぎれもないユウタだった。外見は多少歳がいっているようだが(推定40歳くらい?)…
「おい、レイ! どういう事だ。なぜユウタがここに? 説明しろ!」
「魔王はせっかちだな…今本人から説明すると言っただろう?」
魔王はレイに窘められた。
「カミラさんとレインさん…でしたか…いつもお世話になっておりました。息子というか自分自信が…とややこしいですが、今から説明させていただきます。私は三ツ俣 優太、そこに寝ている翔太の父です。」
「ユウタ? やっぱりユウタなのか!」
「息子ってことは父親か? まあ確かに老けているけど…」
「じゃあ、回想に入りますんで。私の語り部のみになります。私の前に一列に並んで拝聴ください。」
「そのマイクという、音声拡散機械はどこから取り出したのだ? 用意周到だな。」
「なんかユウタの頭上からスポットライトが出てるけど、その演出いる?」
ついつい、ユウタのノリで突っ込んでしまう。多分レイの仕業なのだろうけど。
「まあまあ、とりあえず回想を見てからにしようよ。すぐ終わるから…えーっと2時間30分くらいかかるかな。」
「映画でも長編クラス!(粗品風)」
「わかったぞ、我はちょっと横になるから終わったら呼んでくれな。」
魔王は最初から聞く気なし! 幽体だから眠たくないだろう!
というわけで強制的に回想に入るのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私の名前は三ツ俣 優太37歳。平凡な会社員だ。25歳で会社で知り合った女性と結婚してすぐに子供が生まれた。長男翔太だ。その7年後に長女が生まれて一姫二太郎の4人家族で平凡ながらも幸せに過ごしていた。
事件が起きたのは翔太が12歳、小学校6年生の時だ。
毎週土曜日に小学校で行われているサッカースクールに通っていたのだが、その日は日の暮れたPM6:00に自転車で帰宅中に、横断歩道を渡っている途中で車に轢かれた。
自分はその日仕事で、会社にいる時に妻から携帯越しに泣き叫ぶ声で知らされた。急ぎの仕事を放り投げ、そのまま翔太が運ばれた病院に直行した。
待合室にはうなだれて憔悴している妻と理解できないなりに母に寄り添う7歳の娘。自分は妻の横に座り慰めながら先生に呼ばれるのを待った。
ちょうど0:00を過ぎた後に検査を終えた担当医から説明を受けた。正直この時の内容は全く覚えていない。そしてその後どうやって帰ったのかも…それどころかその後一週間ぐらいの記憶が抜け落ちてしまっていた。
翔太の意識が戻らない。
顔、体などの外傷はほとんどないのだが…打ち所が悪かったみたいだ。意識が目覚める事はないだろうというような事を言われた。
一生目覚める事はないだろう。
自分は今、地面に立っているのだろうか? それとも寝ているのだろうか? 不安定な場所にいる事しかわからない。
自分は…いや自分だけではない。家族が絶望に包まれた。
記憶のなかった一週間は、毎日病院に通って翔太に話しかけたりマッサージをしていたと思う。いつになるかわからないが、翔太が目覚める事を信じて。
いや、信じるというか縋るといった感じか。
本当は希望なんて見えない。だが、やるだけの事はやった。自分は頑張ったという自己保身の為だったのではないか…。
とにかく毎日翔太の元へと自分は足繁く通った。
妻は…毎日翔太の顔を見るのが辛いとの事で、次第に通う頻度が減っていった。別に妻が薄情なわけではない。むしろ逆だ。愛情深いからこそ翔太が健在だった時の事を思い出して傷つき、足が遠のいた事に罪悪感を抱いて傷つく。
僕たち家族は…最悪のサイクルに乗ってしまっていた。
このまま自分と妻と子供の行き着く先は…絶望しかなかった。
そんな時にある話を聞いたのだ。
対価を払えばどんな病も怪我も治す事ができるという噂を。
それで出会ったのがレイという少年だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…何か思ったより重い話っぽいんですけど。」
俺は素直な感想を述べた。
「…あのユウタのマイクを持つ手の小指が立っているのが腹立つな…なんか。イラっとするぞ。」
魔王は話と全然違う事に腹を立てていた…俺もそう思ってはいたけどな。
そんな感想を述べた後ユウタ(父)を見たら…
「第1部 完! 続きはWEBでえええええええ。」
とわざわざ音響設備のエコーをかけて発表した。
「「「な、なんだってーーーーー」」」
とりあえずそのボケに魔王とレイと俺のお調子者3人衆で乗っておいた。みんな息ぴったりだったな。
あと、ユウタ(父)そのしてやったり感の顔はやめろ! 満足した〜じゃないんだよ。真面目な話の途中だぞ!




