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巫の血脈  作者: 櫟木 惺
第13章 清む常闇の巫鈴
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第65話 それぞれの闘い

「ちょおおお、琉斗(りゅうと)ぉ、紅蓮で何とかできないのぉ?」

「無理だな。采希(さいき)の力を受け取っていない。今の紅蓮は破邪の力が使えないただの木刀だ」

「そんな言い方したら紅蓮が可哀想じゃん! とにかく、何とかしろよ!」

「お前こそ、炎駒(えんく)を呼んだらどうだ?」

「──出来てたらとっくにやってる!」

「……呼び出せないのか?」

「……っ! お前こそ! ロキはどうしたんだよ!」

「…………」

「てめぇもかよ!!」


 双子達の言い合いに、陽那(ひな)は思わず溜息が出た。

 急激に濃くなった霧に覆われてホワイトアウトした際、身体が上下に大きく揺さぶられ、気が付いた時には肩を掴んでいた那岐(なぎ)の手の感触が消えていた。

 思考が止まってしまいそうになった陽那は、徐々に鮮明になる周囲の景色に息を飲む。


 自分に寄り添ってくれていた那岐も、人とは思えない程の能力を持った采希も、神霊との繋がりを持つ榛冴(はるひ)もいなかった。しかも周囲には見た事もないような景色が広がっている。

 陽那の眼の前には無数の影のような物体が蠢いていた。陽那を背後に護るように立ち塞がった双子は木刀や拳を振り回して排除しようとしていたが、影のようなもの達は一定の距離を保ったまま近付いては来ない。

 恐らくは凱斗(かいと)の邪気を寄せ付けないという体質のおかげだと気付いたが、それだけではどうしようもなかった。

 陽那の耳に地龍の姫の呟きが届く。


《……届かない、か》

「龍の姫さま? 采希さんたちに繋がれないのですか?」


 陽那の問いに地龍の姫は頷きながら呟く。


《向こうは三人が一緒にいれば心配ないとは思うけど。問題は……》


 地龍の姫の懸念は陽那にもよく分かった。自分の力を使うことが出来ない凱斗と、采希の闘気を受け取らなければ役に立たない琉斗。

 そして、ほとんど何の力も持たない自分ではどうしたらいいのか陽那には分からなかった。


《陽那、瀧夜叉様を呼べない?》

「さっき試したのですが、五月さまは言葉を発されないので……この扇だけが届きました」


 陽那は手の平に瀧夜叉姫愛用の扇を乗せて肩の上にいる地龍の姫に見せた。


「これで何か出来るという事でしょうか?」

「姫さん! 落ち着いてないで何か……うわ! こっちくんな!」


 凱斗は無駄に大騒ぎしながら逃げまどう。

 琉斗は『単なる木刀』で黙々と影のような異形の相手に攻撃を繰り返していた。

 全く効いていないように見えるのは、陽那の気のせいではなかった。


「……姫さまは龍に変化(へんげ)できますか?」

《ちょっと無理》

「やっぱりここには、気脈が届いていないんですね」


 陽那は意を決して右手で扇を持ち、左手を扇の下に添えた。今は自分に出来る事をするだけだ。

 扇をぱらりと開いて霊亀(れいき)を通じて瀧夜叉姫から手ほどきを受けた呪をゆっくりと唱え始める。

 陽那の様子に気付いた琉斗が凱斗の首根っこを掴んで、陽那の傍まで引き摺って来た。


「ちょお、琉斗! なにすん──」

「陽那、結界か?」


 詠唱を続けながら陽那が琉斗に頷いてみせると、やっと凱斗も大人しくなった。まだ服の襟首を掴まれたまま、ちょこんと正座している。


 かしゃり、という硝子のような音とともに、凱斗たちの周囲に結界が組み上がった。


(よかった……なんとかうまく出来た?)


 ほっとしたのも束の間、陽那の肩の上で地龍の姫がぽそりと呟く。


《──もって、10分かな》

「は? 何だよ、そんだけしかもたないのぉ?」


 呆れた声を張り上げる凱斗を、琉斗が上から睨みつける。


「そうだな、お前に与えられた猶予は10分だ。だから、その間に炎駒を呼びだせ、バカ兄貴」


 琉斗が冷たく言い放つと、凱斗の顔が引き攣った。


「でも、さっきから俺……」

「落ち着いて、真面目にやれと、言っているんだ。死にたくなかったらな」


 陽那にはとても冷たい言い方に聞こえたが、琉斗は凱斗が追い詰められないと本気にならない事を理解していた。

 ほんの少し目元に涙を滲ませながら凱斗がぎゅっと眼を瞑る。

 正座した膝の上に握り込んだ拳を乗せ、全身に力が入っているのが傍目にも分かった。


(……凱斗さん、本当に苦手なんだ)


 自分の結界が力不足なせいで凱斗を焦らせている事に、陽那は責任を感じていた。

 凱斗に釣られるように眉間に力を入れながら、陽那が凱斗の前にしゃがみ込む。その拳に自分の手を重ね、顔を覗き込んだ。


「余計な力は抜いてください、凱斗さん。集中するのと力を入れるのは違うんだそうです。那岐さんがそう言っていました。まずは呼吸からだと采希さんも教えてくれました」


 眼を開けた凱斗が陽那の眼を見つめる。

 陽那に微笑んでこくりと頷き、凱斗はゆっくりと深呼吸を始めた。

 鼻から吸って口からゆっくりと息を吐き出す。

 琉斗は凱斗の隣に立ったまま、眼を閉じて右手を胸の辺りに当てている。陽那はしゃがんだまま琉斗を見上げ、首を傾げた。


(……? 琉斗さんは何を? ……そう言えば、ロキさんはどこに?)



 * * * * * *



 巨大な恐竜に似た(シルエット)を見上げながら、榛冴が右手に円月輪(チャクラム)を出現させる。


「僕の気のせいかな? こいつ、思ったよりも中身がすかすかな気がする」

「僕にもそう見えるね」


 ちょっと安心したように顔を見合わせる榛冴と那岐の間に割って入り、采希は二人の肩に手を置いた。


「そう見えるってことは、あれが本体じゃないって事だな」


 二人が揃って嫌そうな表情になる。采希は笑いながら周囲を見渡した。


「──さて、じゃあ本体はどこだ?」


 視界に入る限りの荒野には、他に動いていそうなモノは見当たらない。地中にでも潜んでいるのかと思い、白虎に尋ねるが、答えは(ノー)だった。


「兄さん、来るよ!」


 那岐の声を合図に三人は、ばらばらに走り出した。

 采希たちがいた場所に、振り回された大きな尾がめり込んで土埃を上げる。誰の指示もないまま、采希たちはそれぞれ正三角形の角の位置取りをしていた。


「琥珀!」


 采希の左手に白銀の弓が現れる。

 榛冴の右手がチャクラムを水平に投じ、那岐の持ついつもより短めの棒の先に光の球が現れた。素振りの要領で振り切られたバット代わりの棒から、光の球が真っすぐに放たれる。

 琥珀の矢も二人と同じ、ただ一点を目指して飛んだ。


 三人が狙った箇所は、影の核ではなかった。この大きな影に、核は見当たらず、ただし、何かの力が注ぎ込まれている部分があった。狙ったのは、その僅かな一点だった。

 三つの光が同時に到達したそのポイントは、小さく膨れ上がって弾けるように消えた。


「よっし! 朱雀さん!」

「綱丸、行っけー!」


 那岐と榛冴の身体から朱雀と白狐が飛び出し、口から真っ白な炎を吐き出した。

 采希は地面に片膝を付き、そっと眼を閉じる。


(ナーガの気配は、ない。──だったら、ここもいつもの空間じゃないって事か?)


「瀧夜叉、あの影をまとめ上げているのは、念、だよな?」


 采希の声に応え、古風な(うちぎ)姿の瀧夜叉姫が姿を見せた。采希の問いに頷くのを確認し、立ち上がる。


「では、その念の出所を追えるか?」


 瀧夜叉姫はゆっくりと首を横に振る。


「瀧夜叉でも無理なのか」

《いいえ、采希さん。追えないのではなく、追う必要がないと……》


 琥珀の言葉に、采希は一瞬、意味が分からず呆けた。


「……は?」

《瀧夜叉様が仰るには……この場所が、その念の主の……胎内だと……》


 采希は呼吸も忘れて立ち竦む。全身から嫌な汗が流れているのを感じた。

 采希から少し離れて霊獣たちの闘いをサポートしていた那岐と榛冴も、凍り付いたようにこちらを見て固まっていた。


 一瞬の間を置いて、声が揃う。


「「「嘘だろぉぉぉぉぉ?!」」」



 * * * * * *



「ああ、やっと繋がった。(れい)さん、そちらで俺たちの居場所が把握できるだろうか?」


 琉斗が何もない中空に向かってにっこりと笑った。その言葉で陽那はやっと琉斗が何をしようとしていたのかを知った。


《お前ら、急に消えて……まあいい。残念ながら、俺にはお前たちの場所は掴めない。俺は八咫烏からかなり離れた所にいるからな。でもお前たちの気配が忽然と消えたのは分かったから、今、ナーガに捜させている。お前たちの様子はどうなんだ?》

「こちらは俺と凱斗、それと陽那がいる。采希、那岐、榛冴はどこか別の場所に運ばれたようだ。ただ、その三人が一緒にいるかどうかは分からない」

《──そうか。……待て、双子と陽那? ってことは……》


 黎はすぐに、誰一人念が使える者がいない事に気が付いた。


《場所は? 周りの様子を教えろ》

「──そうだな。見渡す限り、何もない所だ」

《…………》


 黎が絶句し、陽那は思わず天を仰ぐ。


(いくら何でもその説明はないと……)


 琉斗に申し訳なく思いつつ、陽那は采希が琉斗を『単純バカ』と言っていたのを思い出していた。

 緊急事態なのは陽那にも理解出来ていたので、こめかみを指先で抑えつつ、陽那はゆっくりと顔を上げた。


「黎さん、すみません。ここは……赤茶けた地面が拡がっています。遠くに見える山のようなものも赤い土のようで、全く樹木が生えている様子はないです。空もほんのり赤いような気がしますが、これは砂塵が巻き上げられたためと思われます。日本に、こんな赤土の土地ってあるんでしょうか?」


 黎の笑い含みの声が答えた。


《いや、見渡す限りの赤い土地ってのは俺の記憶に無いな。陽那、結界を張ったのか? どのくらい、もちそうだ?》

「もって、あと5分というところです。今、凱斗さんに炎駒を召喚してもらっているところですが、間に合うかどうか……」

《炎駒、呼べないのか? 凱斗は意外と不器用だな。ロキはどうした?》

「ロキさんはどこに居られるのか私には……」

「ロキなら俺の中にいるぞ。覚醒状態が終わってしまったので、呼び出せないがな」


 琉斗が堂々と答え、黎と陽那が同時に小さく溜息をついた。

 清々しいと言えばいいのか、(いさぎよ)しと言うべきなのか。陽那は日頃の采希の苦労を想像し、気の毒に思った。


《陽那、今から俺が唱える呪を、後に続いて詠唱しろ》

「……え?」

《いくぞ》

「あ……ちょ、待ってください、あああ」


 陽那は慌てて取り落としてしまった扇を拾い上げた。



 背筋を伸ばし、閉じた扇を右手に持って左手で下から支える。眼を閉じて呼吸を整えた。

 黎の唱える呪を、陽那はきっちりと一拍遅れて音をなぞる。

 気を緩めたら途端に分からなくなって崩れそうな緊張感に、さすがの双子たちも押し黙って陽那を見つめていた。

 たっぷり3分以上かけて完成した呪に、陽那は思わず眼を見張った。


(結界が……強化されて? あ……!)


 凱斗の身体から真紅の炎が飛び出す。同時に琉斗の身体がゆっくりと変化を始めていた。

 背が伸び、その体躯が前屈みになる。地面に付いた手は大きく膨れ上がり、少し縮んで丸い前足になった。全身が白い毛で覆われ、長いふさふさの尾が現れる。


「……琉斗さん?」


 陽那の声に応えるようにぱたんと尾が振られる。琉斗だった身体は、大きな白狼に変わっていた。

 隣には大きな紅い麒麟族の炎駒。二頭の霊獣が合図もなく同時に結界を飛び出した。

 呆然と見送る陽那の隣に、立ち上がった凱斗が並ぶ。


「──ひとまず、外の奴らは任せるか。黎さん、采希たちには繋がれないの?」

《どこにいるのか、捕まえられない。どこかに閉じ込められているのかもな。だとすれば、向こうからお前さんたちを見つけるのを待つしかないんじゃないか?》

「閉じ込められて? 外からはアクセスできなくても、あいつらなら内側から何とか出来るかも……ってこと? 結局、あいつらに頼る事になるのか」


 小さく舌打ちした凱斗が結界の外を忌々し気に睨みつける。

 陽那には炎駒と白狼と化した琉斗が、次々に湧き出す影たちに苦戦しているように見えた。



 * * * * * *



 自分たちが今、存在しているここが、何かの胎内と言われても采希にはピンと来なかった。

 こんなに遠くまで見渡せるのに、一体どれだけ大きなモノの中にいると言うのだろうと思った。


《【意思】の、一部ではないかと思うのですが……》


 琥珀の言葉に、采希は思わず首を傾げる。


「【意思】って……ガイアのことか?」

《いいえ、采希さんがガイアと呼んでいるのも、この空間の主も、元々大きな意識集合体のような存在の一部ではないかとのことです。ヒトの意識の中にも善と悪が存在するように、大きな何かの一部の闇の部分が──》

「ちょっと待て!」


 大きな声を上げて、琥珀の言葉を遮る。


「──とのことです? 琥珀お前、今、そう言ったか?」


 一瞬、琥珀が硬直し視線が泳いだ。


《…………はい》

「誰に、言われた?」

《…………》

「琥珀!」

《……申し訳ございません……マスターに……》


 采希は思わず唇を噛みしめる。


(──あの神楽鈴の音、やっぱりあきらだったのか)


「……琥珀、お前はあきらに繋がれるのか?」

《いえ……まだほとんど微睡んでおられるようで……ほんの刹那の瞬間にメッセージを──》

「一方通行って訳か? ──そうか、大いなる意思の闇の一部、ね」


 申し訳なさそうに項垂れる琥珀の小さな頭を、采希はそっと指先で撫でてやる。


「デカすぎる的だな。那岐、榛冴、こっちに来てくれ」


 二人がぱたぱたと采希の方に駆け寄って来る。右手に意識を凝らすと、手の中に金剛杵が現れた。


「俺に、力を貸してくれ。こいつが【意思】の一部なら、消滅させるのは無理かもしれないけどな。朱雀、綱丸、那岐と榛冴の中に戻れ」


 采希が言い終わらないうちに、金剛杵がするりと伸びて杖の形態に変わる。

 霊獣たちが那岐たちの中に戻るのを見届け、地面に突き立てた金剛杖を三人で握った。


「──いいか? ちょっと衝撃があるかもしれないから、杖から手を離さないようにな」


 那岐たちが頷くのを確認して、采希はすうっと息を吸い込んだ。

 琥珀が繋がれたのなら、多分届くはずだと思った。采希は眼を閉じて頭の中心に意識を凝らす。光が自分の体内から膨れ上がっていくのが感じられた。

 采希は眼を閉じたまま、声を解き放った。


「あまてらしますすめおおかみのみこ、つちみかどはるあきら! 俺の封印を解け!!」




 采希の身体からふっと力が抜けたように見えた。

 ゆっくりと開かれた采希の眼は、透き通るような紫に変わっていた。所々に金の光の粒が見える。

 封印のない采希は、常に身体に風を纏っているのを那岐は知っていた。今もその風は、采希の前髪を柔らかく浮かせていた。


 伏し目がちに采希が何かを呟いた途端、那岐の中の朱雀から力だけが引き出されるような感覚があった。

 杖を挟んで那岐と向かい合った榛冴も同じ感覚を受け、那岐に不安そうにすがるような視線を向ける。


(大丈夫だよ、ハル。采希兄さんに任せよう)


 そう表情で榛冴に伝えたものの、那岐には正直、何が起こるのか分からなかった。

 采希の周囲に朱雀と白狐、そして白虎の力が凝縮されていく。

 今にも臨界点に達しそうな力の奔流が那岐にも感じられた。


《那岐さん、急いで結界を……》

(結界? どうして?)


 琥珀の声が聞こえたように、采希がちらりと那岐を見た。

 無造作に手を上げ那岐と榛冴に向かって翳すと、一瞬で那岐たちの周りに防御の結界が現れる。


(琥珀、どういう事? 僕らにだけ……采希兄さんは平気なの?)

《…………》


 琥珀は黙ったまま、答えない。


「こは──」


 焦れて呼び掛けようとした那岐の耳に、獣の咆哮のような声が響く。思わず身を竦めた。


(……采希兄さん?)


 声の主は、采希だった。一度俯いて、再び天を仰ぐ。

 何かを叫んでいるように口は動いているが、今度は那岐にも何も聞こえなかった。

 結界の中ですら、身体中を締め付けられるような衝撃波。那岐の周囲の風景は、一瞬で弾け飛んだ。




「ここ……元の場所? 僕らは一歩も動いていないってこと?」


 那岐の隣で采希の身体が大きく傾く。慌てて支えると、驚くほど身体が冷たかった。


「兄さん!」

「抜け出せた、な……悪い、那岐……あとは……たの……」


 那岐の腕の中で采希の頭ががくりと下がる。


「え……兄さん……?」

《お前ら、どこから湧いて出た? 一体どこに行ってたんだ?》


 頭の上から黎の声が聴こえ、八咫烏がまだこの場に留まってくれていた事に那岐は心から感謝した。


「黎さん! 兄さんが……封印なしで力を開放して……」


 八咫烏が那岐の肩に舞い降りて来る。


《封印なしで? じゃあ、あきらが解除したのか?》

「それ! 黎さんに聞こうと思ってた! 僕に、さっき鈴の音が聴こえたんだ。もしかして、あきらちゃん──」

《いや、まだ目覚めていないはずだ。……まさか、意識のないあきらに解除させたのか。那岐、急いで琉斗の所に行くんだ。このままだとマズい》


 八咫烏の爪が那岐の肩に食い込む。那岐には黎が慌てる理由が分からなかった。


「でも、琉斗兄さんたちは……」

《──っ……那岐、采希の耳に伝えろ。意識がなくても反応するはずだ》


 肩に止まった八咫烏から、那岐の頭の中に直接情報が入って来た。


(……え? それって……?)


 那岐は何がなんだか分からないまま、力無く四肢を投げ出している采希の耳に囁いた。



「采希兄さん……『封印の守護者はどこにいる?』」


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