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最強竜殺しの弟子   作者: つぶれたアンパンみたいな顔の人
第一章 いざ、竜狩りへ!
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第026話 ネルビスの手腕

 一方、キャンプ場へ突っ込んだ小型翼竜は、翼を広げ深緑色の塊となってテントをなぎ倒していく。待機組は咄嗟にしゃがみ込み盾で頭を覆うと、その頭上を猛スピードでワイバーンが通り過ぎて行った。


 そのまま森へ突っ込もうとしたところで、ワイバーンは急激に突進力を失った。一団が仕掛けた対竜ネットに絡めとられたのだ。身動きが取れなくなり地面を豪快に滑るワイバーンの背を、幹ごと折られた木々が打ちつける。


「ギィィアアアアアァァア」


 悲痛な叫びを上げながらワイバーンはもがくが、対竜ネットは容赦なく強く絡みつくだけだった。


「全員、突撃! 奴の首を掻っ切れ!」


 ネルビスが号令を飛ばし、一団がワイバーンへと襲い掛かる。


 もがくワイバーンは、口を大きく開き網をかみちぎろうとするが、駄目。むしろ、歯が引っ掛かり、文字通り開いた口が塞がらなくなっていた。


「馬鹿め。お前たち竜を捕獲し動きを奪うための網だ。その程度の力で引きちぎれるやわな代物ではない」


 ネルビスがほくそ笑み、団員の後に続いてワイバーンのもとへと駆けた。


 男たちが捕獲されたワイバーンの元へ到着すると、次々に胴体へ向けて持ち前の剣を突き立てていく。網の隙間を抜けて突き刺される剣に、ワイバーンは悲鳴のような鳴き声を上げるが、雁字搦めとなった網の中では身動きひとつとれない。男たちを追い払おうと尻尾を振り回して抵抗を試みてはいるものの、男たちは頑強な盾によって難なく棘尾をいなし、対象への攻撃を緩めない。尻尾にも斬撃を浴びせられ、血をまき散らしながら弱っていくだけだった。


 八人の団員が奮闘しているうちに、ネルビスが到着した。


 ワイバーンは地面を削りながら棘尾を振るい、ネルビスの進撃を阻もうとする。


 ネルビスは盾をかざすと、尾による攻撃を正面から受け止める。盾ごと突き上げるように尾を振るわれ、ネルビスの身体は上空へと放り出された。


「旦那!」


 茶髪が叫び、ワイバーンの尻尾へと切りかかる。坊主も加わり、二人がかりでワイバーンの尾を切断した。


「グィギェェェエ」


 尾を失い、宙に舞うネルビスを打ち払う術はなくなった。


 ネルビスは、鋼鉄剣『シグムンド』を逆さ手に持ち力強く握りこむ。

 明確な殺意を湛えた眼光をワイバーンに向け、ネルビスは自由落下する。


 そのまま、がら空きとなった喉元へ切っ先を容赦なく突き立てた。


 断末魔の叫びを上げながら天を仰いだワイバーンの首は、そのまま力なく後方へ垂れると、ゆっくりと地に落ちていった。


 ネルビスがワイバーンの喉元から剣を引き抜き、血を払う。


「お前たち、よくやってくれた。助かったぞ」


 仰向けで倒れたワイバーンの胸元に立ったまま辺りをぐるりと見回し、ネルビスは周囲の仲間たちへ労いの言葉をかけた。


「さて。ザックス、こちらも片付いたぞ」


 ザックスの方へ視線を向ける。ザックスは振り向くことなく視線を空へと向けていた。


 ネルビスも遠くの黒い大地と空の境界を眺めやると、黒点がひとつ、地上から空の青に浮かんでいた。


「案の定、もう一頭のお出ましだな」


 ネルビスはワイバーンから飛び降りる。


「敵影はあの一体だけだ。ひとまず、これで一陣は終わりだろう。お前たちは、倒したワイバーンの解体を始めろ」


「りょーかいっス」


 手近にいた茶髪の男に指示を飛ばし、ネルビスはザックスの方へと向かっていった。


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