表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強竜殺しの弟子   作者: つぶれたアンパンみたいな顔の人
第一章 いざ、竜狩りへ!
14/57

第014話 ネルビス一団

「そういえば、街ではあまりあなたの姿を見かけないけれど。ザックスは、ドラガリアにはあまり来ないのかしら?」


「いや、そうでもねぇよ。つっても、七日に一回くらいの頻度だけどな」


 ザックスは腕を頭の後ろに組みながら答えた。


 ザックスたちは今、ドラガリアの中央部に来ていた。煉瓦で舗装された道を二人並んで歩いている。


 日は十分に昇り、ドラガリアの街を明るく照らしていた。街の往来は人が行き交うものの、それなりの荷物を持ちながらでもぶつかることが無い程度には、人が多くない。この時間帯は、店で作業をしている人も多いのだ。


 ザックスは色とりどりの石壁がずらりと並ぶ街を眺めながら、言葉を続けた。


「まあ、食い物の備蓄は納屋にあるし、大体は燃料とか雑貨の買い出しだな。行商も定期的に来てくれてるから、そんなに買い込むこともねぇんだ」


「へぇ、意外と悠々自適な生活を送ってるのね」


 マーブルは意外そうに口へ手をあてた。


「森の中でずっと生活してるから、不便で退屈に感じてると思ってましたわ」


 ザックスは腕を組み、眉間にしわを寄せる。


「うーん、不便と言えばそうなのかもしれねぇけど、もう慣れちまってるしな。それに、狩りの感覚はやっぱ、こういう街にいると鈍ってくる気がするんだよ」


「ふーん、どうして?」


「何て言うかな。誰かがいるのが当たり前だし、自分を襲ってくる奴も滅多にいねぇからかな。危機感が薄くなりがちなんだよ。森に居たら、基本的に食うか食われるかだぜ」


「そうなのね。なんか、殺伐としてますのね」


「まーな。だから、気配には敏感になるし、物音にも気を付けるようになるんだ。でも、ここみたいにずっと喧しいこともねぇから、そんなストレスにはならねぇんだよ」


 ザックスはマーブルに苦笑いを向けた。


「そういうものかしら」


 マーブルはザックスを見上げて言葉を返す。


 ふと、視界の端に見知った建物を見つけたマーブルは前を向く。それを指さしながらマーブルは、ザックスに声をかけた。


「そろそろね。あそこに見える赭色(しゃしょく)の建物が、ネルビス一団の拠点よ」


 マーブルが指さす先には、暗赤色の大きな建物があった。


 ザックスが建物の方を見やると、甲冑を身に着けた茶髪の男が木箱を運び入れているのが見えた。


「ネルビスの旦那ぁー。ブツが届きましたぜー」


 そう言って、男は建物の中へと吸い込まれていく。


 ザックスとマーブルはネルビス一団の拠点までやってくると、解放された引き戸から中を覗き込んだ。


「よし、そこに置いといてくれ」

「うぃーっす」


 銀色のぱっつん前髪が指揮を執り、茶髪の男は箱を抱えながら部屋の隅へと歩いていく。


「ネルビスの旦那。対竜ネットの方ですが。どうも納品に時間がかかりそうです」


 坊主頭の男が銀髪の小男へと近寄り、声をかけた。


「そうか。今回の作戦にはあった方が助かるが、間に合いそうにないか?」


「ええ。どうやら巣の移動を開始したようで、次の住処が定まるまでは回収できないようですね」


「仕方がない。手元にある分で何とかしよう。……ん?」


 銀髪の男が入口で覗く二人に気が付いた。マーブルがほほえみながら手を振る。


「なんだ、マーブルじゃないか。そんなところにいないで、中に入っていいぞ」


「ごめんあそばせ、ネルビスさん。今、取り込み中だったかしら?」


「まあな。次の獲物を狩りに行く準備をしているところだ。ところで、そいつは誰だ?」


 ネルビスと呼ばれた男は、マーブルの隣に立つザックスを見やる。頭からなめるように視線を這わせると、腰のホルスターに収まったガン・ソードで目を止め、眉をひそめた。


「その銃は……」


「気付いたかしら。彼の名は、ザックス。あのガン・ソードの後継者よ」


「いや、まだ正式に決まったわけじゃねぇけどよ。親父からまだちゃんと言われてねぇし」


 ザックスは若干照れながら訂正する。が、マーブルの言葉によって辺りの空気は一変し、どよめきだした。


 竜追い人にとって、武器を引き継ぐという事はその業を引き継ぐ事を意味している。


 ザックスは、『竜殺し』ビゴットからガン・ソードを引き継ぎ、その業を継ぐ後継者としてここに立っている、と。世間ではそう捉えられていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ