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ただし、彼らにヒロインはいない

1話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

あらすじが雑なのは思い付かなかったからです

いつか変えると思います

 親のごたごたで昔住んでいた街に姉と二人暮らしの為、帰ってきた。

 転校先として選んだのは特別なにかあるわけではない、駅からしばらく歩けば着く普通の高校。

 強いて挙げるとするならば、生徒会の役員の決め方。普通であれば生徒が投票で決めるのだが、ここはどうしてか指名制。教師たちがこの人と決めたら、その人が役員になるらしい。まぁそれで文化祭がなくなったりとか、そういう生徒(こちら)側に対して大きな迷惑が無い為、誰かがそれに不満を持っているという感じも見受けられない。自分が選ばれなければそれで良いらしい。

 選ばれた役員についてだが、特に名前が公表されることもなく、子供っぽく言うなら名前だけは知っている秘密組織みたいな物。

 あと、もう一つあった。

 これは高校の中身ではなく外見。校舎の問題。

 ここの高校は校門がある方向を正面として見たとき四階までの普通棟の後ろに三階までの部室棟があるのだが、それを繋ぐ廊下の位置が少しおかしい。 まず校舎の左側、一階に設置された廊下。

 次に二階。校舎の真ん中部分に空中廊下がある。

 それでいけば三階右側。もしくは一階右側にいけば配置的に違和感はなくなるのだが、そもそも右側には廊下が設置されていない。だから、あちこち行きやすい部室棟の左側に主要な運動部なんかの部室が並び、右側にはそれに成れなかった同好会クラスのが詰められている。

 …ここに来てそろそろ半月。

 転校生という名はある種ブランドのような物があるが、それを上手く活用できるのごく僅か。俺は何か面白味を期待して寄ってくる彼ら彼女らの期待に答えられず、ブランドだった物がレッテルとなって高校生活を邪魔するという結果になった。

 部活に入れば共に汗を流す内に友人の一人や二人出来ていたかもしれないが、あの『お、転校生だ』という目が俺はあまり好きではない。

 それは数日もすれば終わったかもしれないが、入りたい部活があるというわけでもないのに、その目を受ける気は起きなかった。

 四限終わりのチャイムが鳴り、向かったのは普通棟と部室棟の間にある中庭。部室棟の裏にはグラウンドがあり、運動部の快活な声はここまで届いてくる。

 俺が来たときには彼らが最も活躍する体育祭が終わってしまっていて、初めてのクラスでという友情を深めるイベントには参加できなかった。文化祭ももうすぐあるが、あれは形を持った友情を完成に近づける為の場で、新しく友情を手に入れるのは難しい。

 冷めることはないんじゃないかと、そう思うぐらい酷かった夏の暑さを遠くに運んだ涼しい秋風に自分のため息が混じった。

「……」

 ちらりと横目を向ければ、空中廊下の影を挟んで奥に点在している人の集まり。

 すぐに教室に帰れるようにと傍には廊下があり、昼食を済ませると楽しげにきゃっきゃきゃっきゃと追いかけっこなんてしてたりする。

 空中廊下を真ん中の境として決めたとき、廊下のない右側には常に人がいない。

 交通の便が良くないからそりゃそうで、周りを見回して見るがやはり誰もいない。

 ベンチの隣に座るのは次に食おうとしている惣菜パン。

 …もう、分かっている。

 あの空中廊下の下に出来た影を越えても、俺の高校生活がそう変わらない事を。

 行っても、誰こいつか、転校生だの奇異の目を貰うだけ。

 ただ、動いている物には目が引かれてしまうのが人間で、パンを食べながらアトラクションでも見るかのようにボーッとしていた。

「今日も一人で食事か、一年生」

「…え」

 ふと、上から降ってきた声。

 頭を上に向けてみれば、部室棟一階の廊下から顔を出していた男子生徒が俺をジッと見下ろしてきていた。今の言い方からして俺よりも上の人だろうか。

 不意の事に驚き、ベンチから慌てて立ち上がって数歩距離を取る。

「誰ですか…」

「ん、そこで部活やってる、まぁ学生」

 指差したのは本当に俺の真後ろの位置にあった一つの部室。扉の上部に取り付けられたプレートに視線を持ってったが、何か部名を表すような文字はなく真っ白だった。

「最近ここに来る度その頭が見えてな。気になって声掛けてみたんだが…」

「はあ…というかそこ何部ですか?」

 窓枠に肘を付き喋る誰かに、気になったことを投げ掛ける。

「ん、いや部活って言うのは間違いだったな…部員いないし……余った部屋借りてるだけだな」

「……」

 誰かは首を捻るとうーんと唸った後、困ったように呟いた。言い方の雰囲気だけの判断ではあるが、今のは真実っぽかった。

 しかしそうなると尚更訳が分からず、疑いの眼差しを自然に向けてしまう。

 部室棟の右側は左側よりも表には立てない部だらけだが、中には奇妙な部活もあると風の噂で聞いた。確か占いとか何とか。それと同類の部活もどきの新手の勧誘だろうか。

「…まぁ、なんだ。今ならまだ外で食うのも良いが、冬とかなったら凍えるぞ。もし誰も邪魔してこなくて、尚且つ暖かい部屋が欲しいならうちに来れば良い」

 そんな事を言うと彼はくるりと反対を向き、名前を持たない部屋の中へとがらりと戸を開け入っていった。勧誘文句としては怪しさの塊だったが、不思議とあの人本人に対しての不審さはあまり感じなかった。

 話にあげていた冬にはまだ数ヵ月もある。だが、数ヵ月すれば来てしまうのも確か。暖房のある教室で食う手もあるが…なんだろうか。

 俺の勝手な期待なのは分かっている。

 けれど、あの部屋に入ればこのつまらない高校生活が一変しそうな気がした。別に華やかな、それこそカーストのトップに経つような生活を求めているわけでないのだ。誰もが思う男子高校生のように、友人と放課後遊び、それっぽい恋をし、名残惜しくも卒業をする。ほとんどの高校生が描く感じのあれ。

 それの第一歩にあの部屋はなってくれるだろうか。

 …すぐに決めて良い事ではない。何より、放課後にはバイトがある日もあるのだ。

 今日のところは答えを保留にして、またベンチに腰掛け、お隣に座ったままにしていま惣菜パンに手を伸ばした。



 数時間程のバイトを終え、三階建ての割と新しいアパートの一室でしばらく。

 テレビを付けて興味もない番組をソファで見ていると、右下の表示が九時を過ぎたところで玄関の鍵がガチャと開く音がした。次に扉が開く音。そしてその次に聞こえてきたのはうめき声。

「ぁぁぁぁぁ…ぅぅ」

 あまり隣人にも聞かれたくはないうめき声は扉が閉まっても尚響き、自分の表情が苦くなるのを分かりながら玄関へと早足で向かう。すると、玄関で近づくと動くゾンビみたいな感じで倒れていた姉。

 ピカピカの社会人として羽ばたいていった姉ではあるが、二年も経つと毎日毎日帰ってくる度この状態で、ちょっと社会が怖くなってくる。

「…お帰り。服汚れるから出来れば立って…」

「ふふっ…服なんて汚れても良いよ…私のこの心の汚れに比べれば…ぅぅ~…。…あ、晩御飯ある?」

「軽いのなら」

「やった、連れてってー」

 倒れたまま腕が引っ張れと伸びてくるが、言っている通り服が汚れてしまう。昔は念入りにアイロンして脱ぐ度にゴミが付いていないか隅から隅までチェックして、あんなにも大事にしていたのに、今となってはこういう扱い。雑巾になることを願っているようにすら見える。

 目の前でしゃがみポンポンと頭を力を抜いた手で起きてと叩くと、下に向いたままの顔が上を向き、ねぇと口が動いた。

「なんか、あったの?」

「…分かるの」

「そりゃ姉ですし。なに?バイト?学校?どっち」

「話すから、とりあえず着替えてお風呂」

 玄関からリビングに繋がる廊下の途中にあるお風呂場をぴっと指差すと、姉さんはぶーっと口を尖らす。

「えー、ケチー。…しょうがない」

 姉さんはよいしょと身体を起こしぱんぱんと服に付いたゴミを払う。そして俺に鞄を渡してくると、そうだとなにかを思い付く。

「あ、ねぇコンビニ行ってさ、適当にお酒に合うの買ってきてくれない?お財布、鞄ん中入ってるから」

「もう9時なんだけど」

「見つからなきゃヘーキヘーキ。見つかっても私迎え行くし。んじゃーねー♪」

 校則を破れとひらひら手を振りながら言い、姉さんは風呂場へととたとた駆け足で去っていく。その際脱ぎ落ちたスーツを拾い、渋々出掛ける準備を始めた。

 …秋の冷えた夜風を身体に浴び、冷えた体温で自宅に帰る。リビングの戸を開ければソファの上でぐったりした湯上がりの姉さんがいて、俺に気づくとお帰りーと機嫌良さそうに「よっ」という掛け声と共に身体を跳ね起こす。

 パジャマの着方がかなり雑で、お風呂で赤くなった肩が片方ちらっと出てしまっていた。

「お帰り。ほらここ座って」

 身体を起こして出来たソファの余ったスペースをぽんぽんと叩き、それに従って姉さんの脇に腰を下ろす。

 テーブルには既に開けられた缶ビールが一本あり、その脇に買ってきたビニール袋をがさりと置くと姉さんは鼻唄を唄いながらがさごそし始め、その片手間に先程俺が後に回した話を口にした。

「で、話ってー?バイト?」

 テーブル上には缶ビールと中を確認され中のビニール袋、俺のために姉さんが用意してくれたらしいコップに注がれたサイダーが並ぶ。

 そこに今日の昼の出来事も加えさせた。

「いや、学校」

「じゃ恋か、恋だね、恋以外ないね」

 姉さんはおつまみを持ってない方の手の指を銃の形にすると、誰に射抜かれたのと俺の胸目掛けて指をバーンと撃つ。

 しかし、答えはノー。

 首を横にぶんぶんと振った。

「…部活。恋は…色々無理だろうし」

「ま…そりゃそーか。んで部活って、なんの」

「それが…分からなくて」

「分からない部活ってなに?今の高校ってそんなのあるの?」

「普通はない…と思う」

 あの部屋のあの人がかなり特殊なだけで、未知だからこそ俺は勝手ながら可能性を感じている。しかし、可能性は可能性だし部活の中身も分からない以上、放課後の時間をどれだけ喰うのかも予測できない。

 はーと驚いたような戸惑ったような息を漏らす姉さんは缶ビールをぐいっとあおる。

 俺も氷がからんと鳴ったサイダーを真似るように飲んだ。

 テレビの画面の奥ではつい先週から始まり出した推理ドラマが流れ、時間的にも起承転結の転の部分。これまでの事を踏まえ主人公が殺人犯を導き出そうとしていた。

「まぁ、別に部活をするだけなら私は反対しないけど?なにするか分からないのは、ちょっと怖いけどさ」

「…でも、バイトとか減るかもしれないし」

 一応、ごたごたのあった親からまるで謝罪の意のように生活費だったり振り込まれてはいるが、全てが賄える程ではないし、元々賄って欲しい訳ではない。あの人にも人生があるし、それを俺たちの生活の為だけに消費するのも忍びないのだ。

 そうなると、無論食費だったり光熱費だったりは自腹になる。

 姉さんは大丈夫と言ってはいるが念のためバイトをやり、もしもに備えているのだが部活に入ればその備えが減ってしまう。

「私は、別に弟に働いて欲しいなんて思ってないけど」

 やはり、姉さんの考えは変わっていないらしい。

「…部活、良い?もしかしたら遅くなる日、少し増えるかもしれないけど」

「私に比べれば、部活終わりの時間なんて遅いって言いませーん。…へっ」

 自虐的な笑みを最後に浮かべると、缶ビールをほとんど垂直にして中身をぐびぐび飲んでいく。口から離れた缶の飲み口から最後の一滴が垂れ、それは綺麗に口の中に落ちていった。

「その…ありがとう」

 家族だからこそこういう事を面と向かって言うのはなんか恥ずかしく、視線を姉とは反対に逸らしながらぽつりと呟く。すると、心底嬉しそうな笑う声が耳を近くで撫でてきた。

「ん~ふふふ~♪じゃ今日は一緒に寝る?久しぶりだしお姉ちゃんは構わないぞ~?さぁっ!」

 ソファから足を勢い良くダンと鳴らし飛ぶように立ち上がると、自分の寝室の扉の前で妙に高いテンションでヘイヘイ俺を呼んでくる。そろそろ湯冷めしていてもおかしくないのに頬が朱のままなのは多分、もう既に酔っぱらっているのだろう。

 毎日飲んではいるが相変わらずの酔いやすい体質らしい。

「…いや、もう少し起きてるから」

「そ~う?じゃあ私も~!」

 喋っている間も酔いは酷くなっていき、千鳥足でこちらにふらふら歩いて来ると俺の事を考えずにぼふんと勢い任せにソファに姉さんは座る。姉は気付いていないが服の裾がお尻で踏まれ、全然動けない。

 このまま俺が置いていってしまうと今日の姉のベットはこのソファになってしまう。ゾンビみたいなっていた社会人が疲れを取るに相応しい場所ではない。

 ドラマが終わったら部屋に行くつもりだったが、多分これではもうしばらくは起きることになる。


 翌日の放課後。

 少し暗い雰囲気の担任が一言二言話して教室から出ていくと、ほとんどの生徒は一斉に席をがたりと立つ。鞄を掴み向かった先は多分二階の中央廊下。

 一年のクラスは二階、二年が三階、そして三年は四階のため基本的に全員一番近い中央の空中廊下を使うのだ。

 それを知っているやつは一階左を使ったりするのだが、一番人が少ないのは一階右側。

 直通の廊下はないが適当に付けられた感のある中庭に通じる扉があり、土を少し被った石畳の上をひょいひょい行けば部室棟右側のこれまた適当に付けられた扉に付く。転校生でも知っているのだ。二年三年の一部ぐらいは知っていそうなものだが、誰か他に使っているような感じはない。人が多いのは嫌だが、人が全くいない道というのも人間は嫌なのだろう。

 部室棟の廊下に靴についた土をぱんぱん払ってから上がり、昨日、あの人が入っていった部屋を探す。確か一番端の部室から三番目。目印は窓の外に置かれたベンチ。

 半月分貯められたあのベンチからの景色の記憶を蘇らせ、目的地の部屋に辿り着く。

 何気一直線に来てしまったが、あの人はちゃんと来ているだろうか。一人とか言っていたし、いないなら鍵も掛かってしまっている筈。

 恐る恐る扉に手を掛け、僅かに横に力を入れる。

「…あ」

 鍵は掛かっておらず、がらと扉が少し横に動く。その音で中の人も気付いてしまったらしく「誰かいるのか」と呼んでくる。

 …覚悟を決めるしかない。

「…失礼します」

「あぁ…お。お前」

 顔は覚えてもらっていたらしく、おぉと彼は座っていた椅子から立ち上がった。

「その…」

「も、もしかして、入部しに来てくれたのか?ちょ、ちょっと待ってくれ。今、席用意するから」

「はあ…」

 ばたばたがたがた慌ただしく彼は部屋の中を動き回ると新しい椅子をテーブルの前に、近くにあった棚から入部届けの紙を一枚引っ張り出す。既に入部届けがあることに少し驚いたが、大量にあるのを見る辺り、あの勧誘は俺なら絶対来ると狙ってではなく単純にダメ元だったらしい。

 準備を整え終えたのを見て、用意してくれた椅子に腰掛ける。俺が座ると彼もまたさっきの椅子に腰を置いた。

「本当に入ってくれるのか?」

 表情は見事に期待半分不安半分で、質問してくる声の音も同じく半分半分。

「そう思ってますけど…それで結局ここってなにしてるんですか?」

「ん…それはまぁ…考え中だ。…良い案もついでに持ってきてくれたりなんてのは…?」

「いや…なにも」

「…だよな」

 当たり前だと言いながらも少し悲しげに頷く彼。

 そこから視線を離し、ペンで重しをされた入部届けを眺める。全てが空欄でここに今から黒い線が走る。

 …昨日の内に入部することはもう決めている。今さら覆す気は無い。

 ペンを手に取り、入部届けを書こうとしたが手が止まる。原因は入部する名前を書く欄。

「…この部活の名前って」

 下に向けていた顔を持ち上げ、この欄をどう書けばいいか尋ねる。俺の目に気付いた彼は手の止まった欄に視線を運んだ。

「あぁ、そこなら空欄で良い」

「いや、でもそれじゃ…」

「大丈夫だ」

 名前を書かなければ入部のチェックを行っているだろう体育教師に弾かれてしまう。しかし彼は特に危惧する様子はなく、むしろ空欄を勧めてきて訝しみながらもそのままで次の欄にペンを進めた。

「部長の名前は」

副彼(ふかれ)だ。副…委員長とかの副に彼氏彼女の彼。名字だけで良い」

「分かりました…次、顧問」

「いない。空欄だ」

「…空欄多くないですか」

「書くこと少なくて楽だろ」

 理由にすらなっていない言葉で返され、疑いながらも最後の欄である自分の名前を書いていく。すると、上から感じた人の目。

「ほー…名字は…これなんて読むんだ、初橋(はつはし)?」

「えぇ、それで合ってます」

「初橋か…よし、覚えた」

 すらすらとペンで自分の名前を書き、半分を空欄が占める入部届けを完成させる。

 こんなの届けても確実に弾かれるが、頼んできているのが部長なら仕方ない。その部長が見易いよう入部届けをくるりと回し、これで良いですかとチェックを貰う。ざっと目を通した部長はうむと深く頷いた。

「…よし、これで正式に初橋はこの部活の部員だ」

「部の名前とか…本当に良いんですかこれで」

「…そんなに気になるか。あった方が良いか、部名は」

「出来るなら」

 気合いが入らないというか、不気味というか、部の名前がないと部活に入った気がしない。

 ただてさえ目的不明なのだ。せめてこれぐらいはと部長にお願いすると、腕組みをしてうんうん静かに唸って悩み始めた。

「名前か…名前。名前なぁ」

「どうですか」

 邪魔を承知で声を掛けると部長の頭に見えた閃きの電球。

「…閃いた」

 ついでに言葉でも閃いた事を教えてくれて、期待から「それは…」とつい急かしてしまう。

 これから新しく始まるのであろう奇妙な部活の名前を、部長は口元をにっと緩めて口にした。

『…名無しの部活だ』

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