《1》エピローグ
ああ、憂鬱だ。
今日は社員旅行で遊園地に行く日だ。
なぜ28歳にもなって、遊園地に行かなければいけないのか。
しかも、今回遊園地を希望したのは、我が儘で有名な上司だ。
否定したら、めんどくさいことになっていただろう。
同僚も一部を除いて、行きたくない様子だったからな。憂鬱なのは、俺だけではないはずだ。
暖めた食パンをボソボソと食べる。
「確か、この辺に。」
たまっている洗濯物の山を崩し、ワイシャツを見つけた。
普段スーツしか着ないため、ワイシャツぐらいしかないのだ。
カバンにペットボトルと財布を入れて、出発の用意をする。
「それじゃ行ってくるか」
駅ではすでに、数人が、集まっていた。
皆、楽しみではないと、顔に出ている。
しかも、その顔がさらに沈んだ。
「やあやあ、皆集合してるかね。」
時間ぴったりに部長が来た。
ため息をついていた者も、背筋をしゃっきり伸ばし、挨拶している。
もちろん、俺も。
「全員集合しているな。上司より早く来るのは当然のことだろう。
そういえば、高橋は親が、病気になったといって今回は休みだ。」
部長はイラつきながらそう言った。
あいつ逃げたな、回りの皆もそう思っているだろう。
あいつの親は実家でみかん狩りをしているといっていたしな。
そう都合よく病気になるわけがないだろう。
「高橋の親にはお見舞いに行く予定だ。」
あ、あいつもうだめだ。
「それじゃ、早速行くぞ~。」
今日はめんどくさいことが起こりそうだ。
ジェットコースターあれは無理だ。
なぜ、部長とか、は大丈夫なんだろう。
不思議でたまらない。
え?お化け屋敷に行く?
すいません無理なんだけどー。
あー。
ってことで、お化け屋敷に行くことになった。
はっきりいうと、ホラーはまだ、大丈夫だ。
ただ、さっきの乗り物による酔いがまだ体を揺さぶっている。
気持ち悪い。今、グロい系見たら間違いなく吐く。
お化け屋敷『目玉の館』
おもいっきりグロい系じゃないか。
部長入っていっちゃった。
俺とあと数人も恐る恐る入っていく。
一本道を歩くタイプのお化け屋敷で、横から仕掛けが飛び出してくる。
部長が先にいってしまったので、機械が戻っていくところしか見ない。
はっきりいって怖くない。
つまらなくなったのか、同僚も走って先にいってしまった。
俺は気持ち悪いので、走らない。
相変わらず、悲鳴は聞こえてくるのだが、仕掛けは出てこない。
それでも、目玉がしきつまっている壁は見てるだけでも、気持ち悪い。
ん?
あの目玉がこっちに来る?
なかなかリアルだが、その目玉は大きく、直径15センチぐらいだ。
目玉の回りの紫色の煙が手のように変形して、こちらに迫る。
俺は思わず立ち止まって、そちら側を見る。
しかし、目玉のお化けは手を止めず、首に手をつけると
ボキリ
俺の首を折ってしまった。
こんにちは。にしんのこと申します。
実質、初投稿なので、お手柔らかにお願いします。
最後に、読んでいただきありがとうございます。
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