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異世界の語り部~僕は主人公じゃない  作者: 時雨
第4章 裏切り者をぶっ飛ばせ! 編
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第4-27話 やっぱり女には裏の顔がある

 ジン&アスタがカシオと攻防を繰り広げているその横で、この二人『ガルム&国王』も組手を開始をしていた。

 互いに両拳を構え一歩も譲らない攻防だが、身体強化に加え獣人特有の筋力を併せ持つガルム相手に、殆ど生身同然の国王はガルムを圧倒し、完全に流れを掴んでいる。

 ガルムが一撃打ち込むと、両手での防御からすかさず反撃での二撃。プロボクサー等比較にならない、体の破壊を目的とした拳は幾度となくガルムを襲い、衝撃波で飛ばされてしまう。

 耐えた彼の足元には、地面を引きずった足跡が線引き盛り上がっている。



 ガルムが防御に徹し、両腕に魔力を回し一時的に盾を作り出すも、国王にとっては関係の無いこと。

 繰り出される連打ラッシュは、着実に腕にダメージを与えていく。腕の盾が緩み隙間が生まれ、その隙間をこじ開ける様に国王の拳は鳩尾ちに食らいつき、彼の100kgは越えるであろう体躯をいとも簡単に持ち上げる。

 国王は一切の手加減等していない、なぜなら組手といえどガルムは『戦士』なのだ、戦う者相手に手を抜くなど相手に対し侮辱なのだから。

 拳を引きガルムの体が前へ倒れ込む、その時彼の足は前へ動いた。大地を踏みしめ、筋肉は震え立つ。

 意識が遠のく所かその逆、先程よりも激しい豪火の様な魂の火を瞳に乗せ倒れない。

「ガルム、お主は本当にタフじゃな。あの一撃、儂も手を抜いた覚えは無いのだがのぉ」

「ははっ国王様、俺はこの根性だけしか取り柄が無いんでね、それにあの一撃を耐えれないのなら、ジュンに笑われちまう」


 地面に両手を付き、本来の狼らしい体制で構えると、迷わず国王に一直線。

 防御を捨てた攻撃の型、弾丸の様に走る彼は国王の首目掛け、その大きな口で噛み付くが。国王は両手でその口を掴む。

 国王の胸を蹴り、空中で回転からの鎖骨へのチョップ。だがその攻撃も見切られており、簡単に防御される。

 防御したその腕を掴み噛みつき攻撃、筋肉に盛り上げられたその白い肌から鮮血が溢れ、そのまま体を半回転させ足で国王の首を締め上げる。

「ガルム!儂は驚きと共に嬉しい!儂に負けず劣らずの剛力に加えその柔軟さ!貴様も修練を積んでると見た!」


 その時ガルムの体は弾き飛ばされ、壁へと叩きつけられた。

 国王の体は魔力を通したことにより、先程よりも一回り大きく発達した筋肉、表皮から脈打つ様に浮かび上がった血管。その迫力と共に兼ね備えられた筋肉の美には、誰もが目を寄せてしまう。

 隣で2人を相手にしているカシオでさえ、その気配には目を寄せる他無かった。


 ガルムの日々の鍛錬で磨いた腕前に、自分と戦うに相応しい男が眼の前に現れた事に、王は歓喜した。

 王から男へ、男から1匹の雄へ。


「さぁ二人共、ここからは危ないから私達は休憩よ~」

 カシオは二人の背を押し、廊下へと退散していく。


 衝撃波も交え、先程よりも激化した戦いを3人は見守り、その技術を見て学ぶ仁。

「あれ?ルナさんは?」

 その時見学しているはずのルナが姿を消している事に気付き、周囲を見回すも彼女は見当たらない。

「ルナちゃん、さっき手を洗いに行くって言ってたー」

 



~~~王城・???~~~


「姉さーん、居るッスかー」

 間の抜けた声で誰かを探すルナは、暗く影が落とす廊下の前で立ち止まった。

「あぁ居た居た。定時報告ッスよ~」

「お疲れ様。話を聞かせて貰おうかしら」

 ルナは壁にもたれ、影の中に居る人物に報告をしていく。その目で見たジュンやギリアムの事、そして影の中に居る女の天敵となる『オカノ ジン』の事も。

「今報告できるのはこれ位ッスね。」

「ふふっ、有難うルナ。でも一ついいかしら」

「何スか?」

「魔王様は毒も攻撃も効かない、でもあの『ジン』という少年は違うでしょ?なのに何故一服盛ったり、しないのかと思ってね。貴方からすれば赤子の手を捻るより簡単でしょ」

「あはは姉さん、もしここでジン君を殺しちゃうと、あの魔王様にルナが目を付けられるッスよ~、あの人感が鋭いですし。それにあの人が本気になれば、私達の計画も破綻するッス」

「ふぅん…まぁ潜入は貴方に一任してるから、貴方のやりやすい様動きなさい。」

「了解ッス!でもルナからの質問も一つ良いッスか?」


 影の中に居る女は、少しため息を交えながら、ルナに質問する事を許す。

「正直ルナの考えじゃ、姉さんが魔王様に負けるとは思えないッスけどね~。正面からやり合うのは避けるとしても、搦め手とか裏から仕留めるやり方は姉さんの十八番でしょ?」

「ふふっルナ貴方は解ってないわね。私も昔はそう思ってたわ」

「昔?」

「えぇ。でも魔王様は醜悪な人間を守るという、理解し得ない考え一本で立ち上がり、私を一度は殺した。」

 ルナは生唾を飲み、影を凝視する。ヒールの音が反響し、闇から姿を表したのは赤岩家の宿敵『ロザミア』。

「だから私も魔王様を習ってみようと思ってね。『仲間ごっこ』っていうのを」



To Be Continued

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