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異世界の語り部~僕は主人公じゃない  作者: 時雨
第4章 裏切り者をぶっ飛ばせ! 編
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第4-14話 ジン第三の覚醒・サードステップ 愛

仁君の師匠はやはりギリアムだなと、思える話です!

 未来視をするマリード、再度立ち上がったジン。

「ふふっ…立ち上がった所で、満身創痍なのは見て取れるよジン。ほらここが痛むんでしょ?大人しく楽になっちゃいなよ」

 マリードは接近し、ジキルとハイドで斬りかかるジンの懐に入り込み、腹の出血が止まっていない傷に、人差し指を押し込み傷口を広げる様にかき混ぜる。

 これだけで意識が飛びそうになるジン、だが彼も負けてはいない。

 一瞬の動きがマリードの未来視に歪みを生んだ、その歪みに驚いたマリードは指を抜くのが遅れ、手首を掴まれてしまう。

「(しまった!!!…いや…それよりも問題は未来のズレ!!!…ジン…一体君は何をした!!!)」


 右手で手首を掴んだ状態からジンは、左手でマリードの後頭部の髪を手繰り寄せ、激しい頭突きを食らわせる。

 激しい衝撃で互いの額の皮膚は割れ、共にタラリと出血をする。

 威力負けしたマリードは、そのまま上体を後ろに崩したその時!仁は膝でマリードの鳩尾へ、何度も何度も蹴りを浴びせる。

 内蔵を損傷したのか、そのままマリードは吐血しそのまま前へと崩れ落ちた。


 だが崩れ落ちたマリードは、そのまま倒立しジンの首へと足を絡める、そしてそのまま仁を下敷きにする様に地面へ叩きつける。

 衝撃は人間の比ではなく、地面に敷き詰められたレンガはひび割れ、小石が辺に散乱する。

「びっくりしたよジン君!でもこれで今度こそ!」

 その時マリードの、未来を視るための左目に激痛が走った!

 仁は辺に散乱した小石を口に含み、マリードが起き上がると同時に目に向け、口から飛ばし目を潰していたのだ。

「段々…戦い方が…わかってきた…。お前なんかよりギリアムさんや、赤岩さんのほうが強いんだ!その二人に比べればお前なんて!」


 左目を抑えるマリードの腹部へ蹴りを再度入れる、何度も蹴りを浴びせた後に、仁は再度頭突きをマリードに一撃叩き込む。

「(何故…何故だ!魔人である僕がこんなガキに!それになんだこのでたらめな戦闘法は…全く先が読めない…)」

 そのまま飛び上がり、ふらつくマリードの後頭部めがけ踵を振り下ろす。

「僕は…負けるわけには行かない!!!みんなが笑って過ごせる世界のためになんて言わない…アスタちゃんを傷つけたお前達が許せない!!!僕はその為だけにお前達を倒す!!!」


 マリードは朦朧とした意識の中立ち上がり、左目から小石を取り出し傷を修復していく。

「お前達天才はいつもそうだ!僕たちから居場所や誇りを奪い、弱者を守る正義を演じ、本当の弱者へは手を差し伸べない!でも先生は違う!僕たちを救ってくれた!僕たちに生きる意味をくれた!だから僕だって負けるわけには行かない!!!」

 互いの拳と拳が交差し、お互いの顔を殴り抜ける。

 プロボクシングの世界なら、同時にKOとなってもおかしくない技の冴え。

 だが二人は倒れない、自分の愛する者の為、生きる標をくれた恩師の為、覚悟と維持のぶつかり合い。

 

 お互いに半身引いた時、全く同じタイミングで頭部を狙った蹴り、頭部当たる前に空中で脛と脛がぶつかりあう。



「仁君やるじゃないの。しかも魔人相手にいい勝負してるよ」

「ジュンさん、本当に止めないんですか…ジンさんかなり消耗していますよ」

 遠くから遠望鏡で二人の戦いを観察するジュン、そしてその傍らには何故か、裸眼でしっかりと見えてるミア。


「いいんだよ…それにこれが本当の研修修了テストだからな。アスタの方は今リューコが向かってるんだよな?」

「ええ…その手筈に。…この場にギリアムさんが居ないのが少し残念に思えます。」

「ん?何で?」

 クスクスと笑い本心は全くミアと同じジュンだが、その心を聞くように聞き返す。


「ふふっ…わかってる癖に。ギリアムさんが一番彼の成長に関わっていましたから。私が同じ立場なら泣いちゃうかもしれません」

 くすっと笑いかけるミア、それに関し「うんうん」と満足そうな笑みでうなずくジュン。

「手塩にかけて育てた弟子が、本当に正しい事のために力を使ってるんだ、アイツも満足するだろうさ。…でも本当にあのチンピラみたいな戦い方、ギリアムそっくりだな…」



 ジュンとミアが見守る中、魔人との一騎打ちを互角に果たしているジン。

 彼に勝利は訪れるのか…


To Be Continued

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