第3ー18話 サブロー対ロザミア
絶望的なオーラを出す、屋根の上の2人。
周囲の魔物を吸収したことにより、前回とは大きく異なる庄司君の威圧感。鎧のプレート部分は黒ずんだ鉄の様な色、そして繋ぎ目の部分は真っ赤な液体が行ったり来たりし、とても不気味だ。
「(ジン殿…拙者はあの奇っ怪な女子を、2人はあの鎧の男を抑えてくだされ)」
サブローさんからの目配せ、怖いながらもやるしか無い、覚悟を決めろ僕!
そして庭には庄司君が真っ先に降りてきた、無手で前回の大剣は何処にも見当たらないが、とてつもない自信が腕を組み、ニヤついた笑みで僕にも十分伝わってくる。
真っ先に庄司君に斬りかかるサブローさんは、手甲でガードされたのを確認すると、彼の肩に足を掛け踏み台にし、軽やかに屋根へ駆け上がっていく。
サブローさんの跡を追おうと、走り出そうとした庄司君は力を足に込めるも、彼を追跡させはしないと僕は連続で彼に発砲するも、鎧に弾かれ全く効果がない。
「仁…俺に攻撃をする、その意味わかってのか?わかんねぇでやってんなら、教えてやる…今度は地球でお前にやったようななまっちょろいやり方じゃない。本当の服従ってのをその身に教えてやる!!」
庄司 VS 仁&アスタ 開戦
剣を納刀しゆっくりとロザミアに迫るサブロー、彼を見もせず手に持った石を眺める彼女。
「それは狐の秘宝…返せ、貴様が持つには相応しくない」
「あら?随分な言い草ね、それに返せと言われて返すはずもないじゃない。より一層返したく無くなったわ」
ロザミアは意地悪く笑うと、石を闇の中へ仕舞い込んだ。
「貴方…魔力も少ないし、何より顔がタイプじゃないわ。それにその剣1本で私とやり合うなんて、随分と自信が有るのね。その心構えだけは素敵よ」
「喋るな女郎…、貴様の様に邪悪な者は見ていて吐き気がする。…宝物蔵の2人になにかしたのか?」
普段の侍言葉では無い、凄みが増したサブローのドスの聞いた声、それにロザミアは怯むことは無く、指で軽く宙を指差すとロザミアの背後に淡いピンクの魔法陣が形成された。
「私も伊達に長生きしてないけど、貴方のような男は何人も居たわ。でもね例外はないの…」
魔法陣が発光し火の矢が、無数にサブローへ向け発射される、そしてロザミアは言葉を続けた。
「…死んだ。という結果以外はね。」
サブローに矢が迫り、その体を焼く寸前、彼は低く腰を落とし目を鋭く前へ向け、剣の柄を握り抜刀する。すると風圧で矢は霧散し、宙に火の粉が舞い夜の空を彩っていく。
「女郎…拙者は質問をしたのだ。「2人に何かしたのか」と!!」
そのまま剣で矢を振り払い、ロザミアに直進していく彼はあっという間に間合いを詰めてしまう。
「ふふっ怖い人ね、2人には何もしていないわ。貴方と違って大人しく【殺生石】を渡してくれたもの」
手の甲に発生させた、ピンクの魔法陣を盾にサブローの斬撃をいとも容易く防ぐ彼女、そして背後の魔法陣から放たれる火矢を、剣の風圧や自身の素の身体能力で回避していくサブロー。
「あら?貴方【身体強化】はしないの?」
「【身体強化】?何でござるかそれは…拙者には魔術の才は無い!よってこの剣と己の体全てが武器でござるよ」
己の身一つで伝説の魔族『ロザミア』とやり合うサブローの剣技は、一握りの天才という領域だ。凡夫が何十年かかっても到達し得ない、剣の高みへと昇華している。
だが神は天才に二物を与えない、サブローには先代が残した【守護の陣・狐火】という、防御の魔術以外全く仕えないのだ、一度は勉強するも絶対的魔力量が少なすぎる為、魔術の攻撃目的使用等は己の命すら使いかねない。
それ故彼は、ひたむきに真摯に剣と向き合い、剣と人生を共にしてきた。
「…つまらないわ。」
彼女はそう言うと、火矢の陣を展開したまま足元からサブローへ向け、高圧に凝縮された水の槍を2本出現させる。
出現する槍は回転する様に荒れ狂い、周囲の瓦等はいとも容易くえぐり取ってしまう、まともに当たれば人体等簡単に貫通してしまう代物だ。
かわしはするも水の槍は、サブローの着物と薄皮をえぐり取っていき、あまりの弾幕に防戦一方となってしまう。
ロザミアはというと、読み終わった漫画をただ惰性で眺めるように、つまらなさそうな顔でサブローを見つめている。
一度離された距離は、もう一度詰めるというのは至難の技、今はロザミアの間合いからサブローへ一方的に攻撃している、サブローの剣など完全に届かない。
「貴方の体力には少し驚かされるけど、所詮それだけ。私や魔王様には遠く及ばないわ」
「(これだけ大技を使っていれば、魔力切れは免れない…でも奴の底は一体いつ来る…)」
対魔術師の定石として、魔力切れを狙うか間合いを詰める2つの方法が頭をよぎるが、どちらも完全にその線は無い。
詰められない間合いに、底の見えない魔力量、そして疲弊の様子さえ彼女は微塵も感じられない。
戦闘中だと言うのに、大きなあくびをし腕を組みサブローを見ているだけなのだから。
To Be Continued




