第3ー0話 「第三の転生者」
場所は地球、国は「日本」、都市は「東京ZX市」、時は仁が死亡してからの半年後の「12月8日」の真夜中午前2時。
事件は起きた、一人の15の少年「山下 庄司」。彼は若干15歳にして、近代日本史上で最悪の犯罪者となり、只今道路を複数のパトカーと共に走行している。
パトカーの数は2台や3代ではない…20台いや、30台は行っているのだろうか…、パトカーの放つランプを背にバイクで走行している。
殺人・放火・窃盗・強姦・恐喝・その他を含めると、約彼のみの犯罪で68件、前代未聞の数字となっている。
「フハハハハ!案外だらしねぇもんだなぁ警察ってのはよぉっ!!やっと俺の尻尾掴んでくれたと思ったら、今はケツ追っかけるだけかよ!おらぁっ!もっと来いよ!」
フルフェイスのヘルメットからも解る、彼の「邪悪な笑み」。悪の権化。暴力の申し子。犯罪の天才…
何が彼をそんな悪にしたのか…
「各追跡部隊に連絡する!6X8号線この先200m地点で道路は封鎖完了!奴をそこで挟み撃ちにする!」
1台のパトカーの無線から、各追跡部隊に連絡が入り庄司を挟み撃ちにするという旨の指示が通達される。
ーーー6X8号線・200m地点・10m前ーーー
庄司の挟み撃ちに成功したと思った警官隊は、速度を落とすが、庄司は逆に落とさない!むしろスピードを上げている!
「おいおい警察共、知恵比べで俺に勝てると思ってんのかぁ?このポンコツ無能軍団が!!!フハハハハ!!」
庄司はバイクの前輪を上げ、後輪のみで走行を始めると、封鎖ゲートを飛び越え、パトカーを踏み台に過ぎ去っていく。
「プレゼントだぜ…グッバイ無能共」
懐から一本の瓶を投げた、中には「油」が入っており、瓶は道路に激突すると中に満たされた油が飛散する。
そして後方から来ていた追跡部隊の、一台がその油を踏み姿勢を崩すと、ドミノ倒しの様に次々とパトカーは封鎖隊と衝突していく。
事故での車の横転からの追突、それにより車から火の手が上がり、道路上で大爆発を起こす。
未曾有の大事故、死者・負傷者の数共に不明
ーーー日本・????ーーー
「あーーーっ!楽しかった。タイム30分43秒!撃墜数約50台と200人強!ん~~~~!俺って素晴らしいなぁ~~、また俺の天才っぷりを世にお披露目できたぜ」
アジトらしきボロ屋に一人、酒をかっ喰らい馬鹿笑いをし、テレビを付け今日の大事故のワイドショーを見て、腹を抱えて爆笑している。
だがその馬鹿笑いも、一瞬にして消え去った。このボロ屋敷に居るのは「山下 庄司」彼と、先住だった家族2人の死体のみ。だが彼は感じ取った「人の気配」を。
「…誰だ、人が楽しい一時を満喫してるってのによぉ…」
ギシリ…ギシリ…と、床の軋む音が聞こえ身長は約160cm程か、真っ白い髪で金色の目をした「婦人警官」が歩いてきた。
「警察か?しかも女…一人で俺の所まで来るなんていい度胸してるなぁおい!」
庄司は机に突き刺さった、刃物を持ち婦人警官の首に突きつける。
彼女は一つも悲鳴を上げず、むしろ満足そうに、不気味に微笑んだ。
「おいおい、近くで見ると中々良い体してるなぁ。だが表情が気に食わんな、誰が笑っても良いと言った?女!!」
刃物が庄司の恫喝とは逆に、プツリ…プツリとブラウスのボタンを千切っていく。闇夜に紛れた薄い光に、彼女の豊満なバストが照らされる。
「ふふっ…いえ貴方がとても理想的なものでしたので」
遂に彼女は口を開いた、官能的に甘美な声で、甘ったるい脳を犯す様な声で。
「ほら…私を抱きたいのなら、もっと近くへ寄りなさい。密着させるようにね」
2人唇が重なる数mmの所まで来た時、庄司の鳩尾ちから急に焼けるような激痛が走った、庄司が吐血しその場に倒れ込むと、女の手には黒い5連装式リボルバーが握られ、銃口からは薄い硝煙が。
「ふふふっ、やっと3年前の傷も完治し、あのお方にふさわしい邪悪の化身とも言える尖兵も見つけましたし、もうこれ以上この「ちきゅう」に居る理由は無くなりましたわ。あぁ待っててくださいまし、我が愛しの魔王様…早くお愛しとう御座います」
月に照らされ、彼女の婦人警官服は闇へと姿を変え、再度彼女に身に纏われる。警官帽は無くなり、頭部には漆黒の2本の悪魔を連想させる角。
庄司は意識が無くなり、動かぬ肉塊へと姿を変えた。
ーーー日本・「全国ワイドショー」ーーー
「皆様!速報です!あの東京を中心に数多の犯罪を繰り返し、多くの命を奪ってきた大犯罪者「山下 庄司」少年が、只今東京都郊外で、死亡しているのを確認と警察から情報がありました。約3ヶ月間と言う、この恐怖の時間にも終止符が撃たれました!なお死因は腹部に銃痕が有ることから、警官隊による「射殺」ど断定されております…」
ワイドショーでは、どの局でも「山下 庄司」の死亡が報道されており、日本の…いや、世界の平和が報道された。
20XX年12月8日・全日本放送局より
ーーー仁と順の居る異世界・???ーーー
時は仁が転生し、カイル達を暖かい日々を過ごしている時。
彼もまたこの世界に降り、闇の中で自身の誕生を待っていた。
「…帰ったか、「ロザミア」」
「えぇ…私の見つけた「最終素体」はどう?気に入っていただけたかしら?」
「あぁ、実に気に入ったよ。凶悪な精神に俺の作り出した、そして俺の作り出した「魔人種」を埋め込んだ体は、非常に馴染んでいる。もうすぐにでも孵化するだろ」
腰まで伸びた乳白色の白い髪を揺らす、彼女は庄司を殺し3年前「赤岩 順」との激闘の末、死んだと思われていた魔族「ロザミア」だ。
そしてその彼女と会話をするのは、全身白骨化し赤黒い眼光を持った白衣の男、下には明るいベージュのズボンを履き、庄司の目覚めを待っている、彼の名は「フェミリア・アルクラウド」。
大きなガラス状の筒に、中はドス黒い紫の液体。その中に庄司はただ佇んでいるが、目を覚ました直後ガラスを突き破り、中の液体を飛散させその容器から出てきた。
「お前は…確か俺を殺した女…だな」
「えぇそうよ。でも貴方はこの「暴力」で全てが、買えるこの世界に招待したのだから感謝して欲しいわ」
庄司はただ笑う、自分の額に手を当てただ笑っている。邪悪に。




