第2ー7話 ジン第一の覚醒・ファーストステップ
6人になった屋敷は騒々しさが格段に増し、ある日は喧嘩の声、またある日は研究所から大爆発。
そしてギリアムさんには、毎日叱られトレーニングをする日々だったが、とうとう最初の一週間最後の日を迎えた。
「ヘタレ、今からお前に初日に戦った「氷像」と再戦してもらう。だが今度はアカイワも止めんし、俺も止めない。死にたくなかったら「殺せ」」
ギリアムさんの横から、初日と同じ様に氷像が出現した。やっぱり怖い…でも、ここで、ここで引き下がったら、トクルの村の皆みたいに辛い思いをする人を助けれないんだ。
仁は氷像に向け走り出した、氷像も目の前の「仁」を殺害するため走り出した。
氷像の右の拳が仁の頬を撃ち抜こうとした時、仁はその場にしゃがみ足払いを、だが氷像はそれをかわす、互いに一歩も引かない攻防一体。
ここまで仁が食らいついているのは、無理だ無茶だと思える様な日々の鍛錬の量、そして彼の胸に秘める淡い思い。「負けられない」その心が、体を突き動かす。
実力は全くの互角、互いに譲らない刹那の打ち合い。
「ギリアム、仁君この1週間で大分成長したな。俺が思っていた以上だよ」
「ふん。元からあのヘタレは「余白」が多い。キッチリ基礎から仕込み、日々の鍛錬さえ怠らなければ、直ぐに実力は付く。」
ベンチに座りながら、ジュンとギリアムは「一人と一体」の戦闘を分析している。その横ではリューコ・アスタが、声援を送り励ましている。
そして再度仁がしゃがみ、攻撃をすんでの所でかわした時、氷像は脚を振り上げ泥を仁の顔へぶつけ、視界を奪う。
「おっ!あれはギリアムがよく使う目潰しじゃねぇか」
「俺の戦闘データをベースにしているからな、動きが似るのは当然だ」
「さぁ…視界を潰された仁君はどう動くかな。当てずっぽうには動けない、だが動かねば殺される。見ものだねぇ」
視界が塞がれた!拭っても取れない…一体何処から来るんだ!?
顔を拭っていも、目に入った泥は一向に落ちず視界が閉ざされた仁は、氷像の動きが完全に解らない。
腹・顔・脚などの様々な場所を、多方向からの殴打。後ろ…前…いや左…一体何処から来る。
閉ざされた視界の闇から、光の粒子が見えた。その粒子はやがて氷像の形を目の前で作り出した。粒子が仁に殴りかかろうとした時、体が動いた。
「!!!」
見学していた一同は驚いた、視界が閉ざされたはず、そう誰もがそう思っていた。だが仁は避けたのだ、体を思いっ切り仰け反って。
日々の鍛錬により、鍛えられた背筋のバネを活かし、そのまま氷像の顎へと「サマーソルトキック」、あまりの強烈な一撃に氷像の頭部は欠ける。
よく見ると、顎には光の粒子が付着している、淡く眩い光が。
「爆ぅっ!」
仁は短く詠唱したかと思うと、氷像の顎に付着した粒子はその場で小さく炸裂する、欠けた部分は炸裂により大きなヒビへと変わった。
「ちょ!ちょっとジュン!あの子が使ったのって「光魔法」じゃないの!?」
リューコが興奮し、ジュンの首を締め左右に激しく振っている。
「はっ離せリューコ…、こっ呼吸が…」
「あっ…ごめん」
顔が青白く変色したジュンは、首をさすりながら解説を始める。
「ふぅ…そうだ、あれは「光魔法」だ。今世の中に使えるのは、あの子「仁君」だけの魔法だ。」
「まだ未知の情報が多い光魔法…それならヘタレの動きが急に変わったのも、あの攻撃にもうなずける。」
「きれーだねししょー。あの魔法」
ヒビから水蒸気の煙を上げ、後ろに2.3歩後退する氷像は、肘を鋭利な「氷のエッジ」へと変形させた。これはギリアムも使う、魔法の形態変化だ。
そして、野生動物の様に手を地面に付き、急速に仁に接近する。
「おい!ギリアムあの技!」
「あぁ「アイツ」の技だ。」
「ふっ…懐かしい技だな」
ジュンとギリアムは、懐かしさを噛みしめるように微笑む。あの戦闘態勢は彼らの旧友、三年前の「七英雄」の一人の技の一つだ。
破壊力は本人までいかないにしろ、読めない軌道、不鮮明なタイミングでの攻撃、この攻撃方には手合わせとは言え、ジュンもギリアムも手を焼かされた。
エッジは仁の体を狙い、切り裂くも仁は半身でかわし、切れるのは服と薄皮だけで、まだ致命傷には至っていないが、転倒し地面に突っ伏してしまう。
氷像が留めとばかりに、仁の頭上からエッジを振り下ろした時、勝負は決まった。
振り下ろされた右腕を、仁は足で拘束し地面に氷像を叩きつける。
「これで…終わりだぁぁぁっ!裂ぅっ!!」
仁の拳は氷像の心臓部を打ち抜き、手に纏わせた光の魔法をその場で炸裂させる。
氷像の体は、袈裟斬りを浴びたように鋭く裂け、傷口から水蒸気を噴出させ消滅する。
再戦 ジンVS氷像
3分23秒 光魔法・体術「裂」により氷像消滅
勝者 岡野 仁
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「光魔法」
それは未知の魔法属性、正しき心を持つ者を宿主とし、宿主の成長を促進させ、宿主の思うよう姿を変える。
そして悪しきを払い、正しき心に呼応し輝く神の御業。
だが心にゆらぎが生まれれば、姿を見せず、音も立てぬ、心の秘宝
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仁「???」能力の発現
自分が倒れる度、光の加護を受け悪しきを討つため、その力が満ちていく。
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To Be Continued




