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異世界の語り部~僕は主人公じゃない  作者: 時雨
第2章 研・修・期・間!
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第2ー6話 赤岩ファミリー、最後の一人帰還

あれから走り込みや筋トレをしていると、いつの間にか辺は夜の帳が降り暗くなっている。

「ふぅ…流石にやりすぎたかな…脚が痛い…」

 そんな独り言を呟きながら、玄関の戸を空けると異様な匂いが鼻を突く。足元を見れば、泥だろうか足跡の様にヒタヒタと続いている。

「なっ何だこれ…」

 そのまま視線を前に徐々に移していくと、全身泥まみれの「何か」が蠢いている。高さは僕より小さいけど、ここは異世界だいつ魔物が出てもおかしくない。

 抜き足差し脚で、目の前の泥の後ろを通り過ぎようとし一瞬、そうほんの一瞬目を離すと元の場所には居らず、僕の目の前へと姿を表した。

「ひゃぁぁぁぁっ!助けてーーー!赤岩さーーーん!ミアさーーーん!」

 僕は腰を抜かしながらも、目の前の泥から体を這いずって逃げる。

「君だーれ?もしかしてドロボー?」

 泥は喋った、舌っ足らずな発音だが女の子の声で。


 そうすると階段から赤岩さんとミアさんが降りてきた、2人は最初僕の声を聞き至って真剣な様子だったが、泥の姿を見ると笑いだした。

「あはははは、なんだアスタその格好は、泥まみれじゃねぇか、しかも全身って」

「えへへ~、途中で泥掛けられちゃって。ただいま!ししょー」

「へ?魔物じゃないんですか?」

「あぁそうだよ、この子は「アスタロッテ」皆アスタって呼んでるけどな。アスタこいつは「仁君」だ手紙で教えたろ」


 目の前の泥まみれの少女は、アスタロッテ(通称・アスタ)ちゃんと言うらしい。フレンドリーに「よろしくーー!」と言い、僕の両手を掴みブンブンと上下に振る。

挨拶をすませ、アスタちゃんは何処かへ行こうとするが、ミアさんに捕まえられる。

「アスタちゃ~ん、今日はちゃんとお風呂入ってもらいますからね~」

「っ!!!お風呂いやーーーっ!!!助けてししょーー」

「もう!何言ってるんですか!女の子がそんな泥んこにして!それに汚れたらいつもお風呂に入りなさいって言ってるでしょ!」

「はっはっは、今日は観念しろアスタ~、大人しくミアに洗ってもらえ~」

「そんなぁ…酷いよ!ししょーっ!…ねぇミアちゃん、タオルで拭くだけじゃダメ?」

「駄目です」


 彼女は小脇に抱えられ、「やだーっ!!!」と叫びながらも、ミアさんにお風呂へと連行されていく。


どれだけ嫌なのだろう…


「悪い仁君、疲れてると思うがちょっと玄関の掃除手伝ってくれ」

「あ…はい!」

 その後2人で玄関をモップがけし、床に顔が映る位綺麗に掃除を済ませ、赤岩さんと僕も入浴の為、大浴場へと2人で向かう。


~~~屋敷・大浴場~~~


「ふぃ~~~…やっぱ疲れは、風呂で脚を伸ばして取るに限るなぁ~」

「凄い良いお湯ですね」

「だろ?これでも結構こだわって注文したんだからな」

「…屋敷もそうですけど、赤岩さん物凄くお金持ちなんですか?」

「うんにゃ、凄い金持ちでは無いよ~。超大金持ちだ」

 持ち込んだ熱燗を飲みながら、赤岩さんはくだらないジョークを言い笑っている。


 

「赤岩さんの右胸のそれって、宝石ですか?」

「いいや、これはな「魔核コア」っていうんだ。魔力を貯めたり、魔法を使ったりする生きる上でめちゃくちゃ重要なもんだよ。んで俺だけじゃなくて、この世界で生きる人は大なり小なり持って生まれるんだよ」

「じゃあ、赤岩さんが強いのってその魔核コアが関係してるんですか?」

「まぁ半分当たりかな。でも俺の強さってのはそれだけじゃないぜ。他は何だと思う?」

「ん~…技術とか…ですか?」

「いいや違うよ、正解は「信念」だ。自分が何をしたい。それを達成するまで何があっても諦めない信念だ。」

「信念…」

「そっ、んでこの屋敷やこの馬鹿でかい風呂はその信念に基づいて動いた副産物ってとこだ。仁君は何か有るかい「何かしたい」「こうなりたい」とか」

「僕のしたいことは…赤岩さんの受け売り…っていうか、「辛い思いをする人を助けれる」そんな素晴らしい人になりたい…です。」


 熱燗を飲み星空を眺める赤岩さんは、少し真剣な表情で新しく質問してきた。

「なら仁君、自分の大切な人が、大怪我や、最悪死んだりしたら…君ならどうする?」

「…わかりません」

「まぁそうだよな、いざその時になってみないとわからん事もあるさ。でもな俺にはミアが居てくれたから、正義のために動ける信念を持てた。まぁギリアムもリィナちゃんが居るから、ひねくれてるけどいざとなったら力を貸してくれる奴だ。」

「赤岩さん…僕、この研修期間もっと頑張ります。僕…地球じゃ何も出来なくて、毎日辛くて…でも、やっと掴めたこのチャンス、手放したくないです」

「なら手放さない為にも、もっと頑張れな。ギリアムにちょっとでも認めてもらえる様になりゃ、一人前だ。」

「はいっ!」

 僕は返事をすると、少しのぼせたのもあり赤岩さんより先に風呂を後にした。





「仁君…君いい目をする様になったよ。初めて見た時は死体かと思ったからな、頑張れよ」




風神の子・アスタロッテ 本日帰還


赤岩ファミリー、これにて集結


To Be Continued

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