表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の語り部~僕は主人公じゃない  作者: 時雨
第2章 研・修・期・間!
14/111

第2ー3話 訓練開始

 場所は赤岩探偵事務所・中庭と言う名の、とても大きなグラウンド。時は「午前5時30分」、明朝みょうちょうより開始される最初の訓練。

まだ暗闇は辺りを包み込み、ほんのり薄寒い風が皮膚を撫でる。太陽が顔を表し辺の闇をかき消していく、その光と同時にギリアムさんはタバコの火を揺らし、勝手口から姿を見せる。


「よぉ、ヘタレ」

「おっ…おはようございます!こっこれからよろしくおねがいします!」

「んっ…」

 彼は低血圧なのか、とても不機嫌の様に見えるが、此方が挨拶をすると短くだが彼も返答をする。


 「まずはお前の身体能力を知りたい、このグラウンドを3週しろ。10分以内で」

 (無理だ…1週辺りどう見たって1km~1.5kmは有る!そんな距離を10分以内なんて)

「早くしろ!モタモタするんじゃねぇ!!」



 彼の怒号により、僕は直ぐ様グランドに轢かれている線を頼りに、持てる力で走り抜けていく。

ギリアムさんも普段の白いコートを木に掛け、準備運動を済まし、僕の遥か後方からジョギングの様に走り出している、規則正しい呼吸のリズムに、完璧なフォームで筋肉の揺れも最小限に留めている。

 だが僕はと言えば、半周した所で息が上がりフォームもめちゃくちゃ、正直カイルさんのシゴキで体力を付けたといえ、素人に毛が生えた程度だ。

 後方から追いついたギリアムさんは此方を見るも、直ぐに視線を前に戻しあっさり追い抜いていく。


 ギリアム・ツェッペリン 4.5km完走:タイム2分03秒

 岡野 仁 4.5km完走:タイム12分23秒


 ゴールに戻ると、懐中時計を握り僕の方へ怒りの眼差しを、ギリアムさんはこれでもかと言う位に送ってくる。

「おいヘタレ…俺始める時になんと言ったか覚えてるか」

「はぁ…はぁ…えっと…」

 僕が口ごもると、ギリアムさんは口を開く

「俺は最初「10分以内」と言ったよな、一体どれだけ俺を待たせたら気が済むんだ?」


(こっ怖いぃぃぃぃぃ!)


 ひとしきり怒られた後は、怒号混じりでも正しいフォームの走り方、僕の走る時の悪い癖等を指摘し、的確に指導をしてくれる。

「次は基礎中の基礎、腕立て・腹筋・背筋・スクワット・懸垂をそれぞれ1500回づつだ。出来たら報告しろ俺は書類に目を通しているからな」

 ギリアムさんは持参した書類を、右手で掴みながら僕と同じメニューをこなしていく。一回一回のペースは、僕とは大違いで何よりも驚いたのは、そんなハードなメニューをこなしながらも、書類業を完璧にこなしている事だ。



 時刻は7時30分頃、やっと僕はギリアムさんから提示されたメニューを完了するも、立っている余裕等無いほど疲弊しきっている。

「ヘタレ、遅すぎるぞ。お前がやっている内に書類終わっちまっただろ」

「す…すいません」

「謝る位なら、もっと時間タイムを縮めろ、時間がもったいないだろ。まぁいい今から30分休憩を取る、汗を拭いて、水分の補給と塩分補給は忘れるなよ」

それだけ言うと、地面に倒れ込む僕の横に、タオルと水筒と塩のたっぷり入った壺を置き、ベンチに座りタバコをまた吸い始めていた。


「ゴク…ゴク…ゴク…」

 痛む体を抑えながら、水筒の水を一気に飲み干していく、そしてタオルで力いっぱい滝のように流れる顔の汗を拭き取る。

「ふぅー…(シゴキがこんなにもキツイなんて…)」

 そんな事を考えていると、視界の先には赤岩さんが座り「よっ!」と短く挨拶をしてくれた、でも気配も足音も何もなかったのに僕は心底驚いてしまう。

「はははは!やっぱ仁君は面白いな!」

 赤岩さんは腹を抱え、その場で大爆笑している驚かせるのが好きなのか、お調子者なのか…


 彼は僕に「頑張れよ」とエールを送り、ギリアムさんの座るベンチに腰掛けた。

遠目でも解る程ギリアムさんは、心底嫌な顔をしている。

「なんだアカイワ…邪魔だ、帰れ」

「ったくお前は…休憩前に仁君の身体能力のデータ取れたろ、ちょっと見せてくれ。」

「ん…」

ギリアムさんは、1枚の紙を赤岩さんに手渡し、再度タバコに火を付ける。



「ふー…ん、ギリアムお前は仁君の身体能力スペックどう見る」

「ダメだな。体力も持久力も俺の予想を遥かに下回っている、許容範囲にすら届いていない」

「お厳しいねぇ、ギリアム大先生は、ハハハハハ」

「ふんっ解ったならさっさと戦乙女ヴァルキリーの所へ帰れ、このクソッタレ」



 赤岩さんは、1枚の紙を持ちベンチから立ち上がり、勝手口へ入りその姿を消す。

そうするとギリアムさんは、僕の方へ歩み寄ってくる。

「ヘタレ、今から実践形式の訓練に入る。立て」


 そう言うと、ギリアムさんの左手から僕と同じ位の背丈の氷像が作られていく、その光景はとても異様だ。

「今から6日間の内にお前は、日々のトレーニングをこなし、この氷像を倒せる様にならなくてはならない!…氷像アイスゴーレム、こいつを「殺せ」…」

了解ラ・ジャー



 生まれて初めて少年は戦う、目の前はただのゴーレムとは言え「殺気」を放ち対峙する。


To Be Continued

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ