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75:いつも通りに殲滅です

 

 20層のボスを倒したことで、ここストーンパレスは残すところ20層となった。そして、ここからはこの迷宮の様相が少し変わる


 迷路のようなものから、とても広い大広場になるのだ。出て来る魔物を一定数倒さないと先に進めない模様。更にここからは他の冒険者とは会わない。1パーティ毎に別の空間になっているらしい。つまり協力は駄目と言うことだ。その為、普通の冒険者は迷宮から出てもカウントは消えないことを利用して、何日かかけてやるらしい


 まあ、それは普通の冒険者の人達であって、俺たちの様な適正レベルを超える者達は1回でいける。情報によれば、広場に出て来る魔物を殲滅するのと同じ数が先に進むために必要な数の様だ


 で、現在は21層。俺たちの前には広大な砂漠のような景色が広がり、サボテンがずら~っと並んでいる


 こいつらがこの層の魔物。動くザボテンであるカクタスだ


 それと、ザボテンの所々ない空間にある岩。あれも魔物だ。まだ何かは分からないが気配があるので確かだろう


「じゃあ、とっとと始めようか」


「競争でもするか?罰ゲームありで」


「反対!僕は反対だよ!競争なんて僕が負けるの決まってるもん!」


 フレッドが必死に叫んでいる


「フレッドの言う通りだよ。そんな分かりきったことやっても楽しくないでしょ」


「でもよ、罰ゲームで面白いことやらせられるぜ?」


 ニヤニヤ笑うソウマ


 あの顔はからかってるやつだな。のってあげるか


「確かに。それは面白そうだね」


 フレッドに笑顔を向けてあげる


「え!? まさかの裏切り!? お願いだよクウガ~」


 もう、凄い必死過ぎて既に面白い。にしてもフレッドはすっかりいじられキャラというかおちょくられキャラみたいな感じになったな


「冗談だよ。そんな必死にならんでもやんないから。そろそろ殲滅始めるよ」


「よ、よかった」


「でも、こいつらそんな強くねぇよな?」


 と、何かを思いついた様子のソウマ


「まあ、レベルはそれなりだけどね」


「じゃあよ、魔法でちゃちゃっと片付けようぜ。俺は早くボスと戦いてえ」


「でもそれだとフレッドのレベルが」


「それは最初にフレッドが出来る限りの広範囲魔術使って多少でもダメージを与えれたら充分なんじゃね?」


 あー、そういえば師匠が言ってたな。パワーレベリングっていって無理矢理レベルを上げる奴だったかな


「それならいいかな。じゃあ、フレッド宜しく」


「出来る限りで良いんだよね?」


「うん、出来る限りで良いよ」


「分かった」


 返事をした後、フレッドは集中するために瞼を閉じて、魔力を練り上げる


 少しの時間をかけて魔力を高めると閉じていた瞼を開け、右手を上空に突き出して詠唱を開始した


「吹け、吹け、大いなる風よ。駆けろ、駆けろ、何よりも速く。我が望むは敵を切り裂く強大な風。我が魔力を糧に吹き荒れろ!ウインドカッター!」


 魔術名の発声に伴い、魔術が発現する


 フレッドが使ったのは大規模攻撃魔術。風属性第7階梯魔術だ。フレッドもSクラスの例に漏れず、当たり前のように優秀だ。フレッドの魔術の実力は1-Aの魔科の生徒と同じくらいの実力だ


 フレッドの発動したウインドカッターがサボテンに擬態したままの大量にいるカクタスに命中していく。岩にも当たり、擬態していたのがストーンアルマジロだと分かった。ウインドカッターは無数の風の刃が放射状に放たれるものだ。斬れ味が高いので中々の威力をだすが、脆い


 そして、いくら第7階梯と言っても所詮は魔術だ。レベルが100を超えるカクタスには傷は付けられても致命傷ではない


 フレッドのウインドカッターが命中したカクタスとストーンアルマジロが戦闘態勢に入る


 命中したのは、大体200体くらいの様だ


「ソウマ、俺からいくよ」


「いいぜ」


 ソウマに確認をして魔法を発動。飛んでいくのはフレッドの発動したウインドカッターと同じ様に風でできた刃が飛んでいくというもの


 しかし、フレッドの発動したウインドカッターは傷をつけられる程度だったのが、俺の発動した魔法は敵を真っ二つだ


 まあ、この結果は当然とも言える。まず込めた魔力の量が違うし、魔術と魔法だし、スキルの熟練度なんかも違うのだ


 今の魔法で戦闘態勢になった魔物は殲滅した。これをこの層の魔物を全滅させるまで続ければ次の層だ


「つくづく思うけどやっぱりクウガ達はとんでもないよ」


 1人腕を組みうんうん頷いているフレッドを放って置いて、カクタスとストーンアルマジロの死体を回収して移動。21層から様相が変わり、大広場となっているのでとても広い。今回は出て来る魔物が擬態タイプなのでワラワラと集まって来ず、こちらから行かねばならないのだ


 やっぱり魔法やなんかは撃ち合いじゃなきゃ楽しくないな~


 まあ、今回は普通に戦ってもおんなじ様につまんなそうだから楽なこっちで良いか


 慌てて追いかけてきたフレッドを中心に殲滅を続けた





 フレッドが魔術を放って俺かソウマがトドメというサイクルを繰り返し、24層に到着。つまらなかったのは最初の21層だけで、22層23層は全て擬態した魔物ではなかったので戦闘を始めたらワラワラと群がってきたのでバカスカ魔法をその場で撃ちまくって通過した。途中からフレッドの魔術待つのが面倒になってソウマが無視して撃ち始めたので攻略速度が速いのなんので現在時刻午後4時となっている


 24層の相手はスチールアント


 まあ、鉄の蟻だね。しかしだ、相手が蟻だと侮ってはいけない。魔物の蟻は強い


 強力なパワーに、女王蟻による統率と連携。今までの群がってくるだけとは違って隊列を組み、武器を使って戦いに来る


 そして、俺たちの前に整然と並ぶスチールアントの群れ。いや、軍と言った方が正確か。スチールアントの手には武器が。それも、役割毎で分けている様だ。前衛盾持ちを置き、その後ろに槍持ち。中衛には剣持ちの歩兵。後衛に弓持ちと杖を持っていることから魔術も使う模様。最後尾には普通のスチールアントよりも大きく、体表の輝きと色が違う女王蟻。その周りを精鋭だろうスチールアントが固めている


 数は2000は超えているだろうか。これがこの階での最後だ。既にこの様な集まりを何個か殲滅している


 こういう統率された軍のようなのを見るとあのミネラを襲ってきた魔物軍団を思い出す。あの時のゴブリンジェネラルとゴブリンキングのガグ。いや~、なんかあの時の熱い戦いの記憶で戦いへの欲求が上がったね


「よし、魔術、魔法での殲滅はなしでいこう!」


「のった!」


 ソウマが俺の案にのれば


「えー、嫌だって言ってもどうせやるんでしょ?ならそれで良いよー」


 フレッドも分かってきたね。1度決めたらなんか特別な理由でもなきゃ変えないよ


「行くよ!」


「おうよ!」


「おう!」


 俺の掛け声でそれぞれが駆け出した


 俺とソウマが正面の2箇所に突貫し、スチールアントを蹴散らして行く


 スチールアントのような昆虫系の魔物は生命力が高く、非常にしつこいので、念入りに斬り刻む


 数が多いため、幻剣を生成


 両手に持つ剣と生成した8本の幻剣でスチールアントどもを斬る、斬る、斬る


 思考が加速し、キチキチキシキシと煩いスチールアントの音が脳から遮断される。体感速度が緩くなっていき、景色が流れる様が遅くなる。そんな加速した世界の中で剣を振る


 スチールアントの足が触角が頭が宙を舞う


 速く


 もっと速く


 この剣を振れ


 目の前に現れるスチールアントを片っ端から斬り刻み縦横無尽に駆け抜ける。そして、目の前に現れたのは女王蟻とそれを守る精鋭のスチールアント


 俺はスピードを緩めずに盾を構える精鋭スチールアントに突撃。右腕を引き絞り剣の先端を敵へ向ける。そして、一際強く踏み込み前方に飛ぶように跳躍し、引き絞っていた右腕をその跳躍の勢いを乗せて解き放った


 剣が3体を串刺しにしたところで地面に着地、場所は敵陣の中。当然素早く俺を殺そうと剣で槍で斧で攻撃を繰り出して来る。3体を串刺しにしていた剣を引き抜き、幻剣と合わせて10本の剣で全てを迎撃。咄嗟のことでちょっと力を入れ過ぎたようで俺の持つ2本と打ち合った相手の獲物が壊れてしまった


 宙を自在に動くことの出来る幻剣にて獲物を弾かれた蟻供を斬る。俺が獲物を壊した2体は壊れているにも関わらずに追撃を放ってきたので、今度はしっかりと弾き右と左をそれぞれ3回振る。ドシャドシャという音を立てて地面に崩れ落ちる精鋭スチールアント。精鋭と言ってもこんなもんか。これじゃあ、女王蟻にも期待は出来ないかな~


 と思ったその時、ゴウッと音を立てて迫る何かを感じたのでその場を飛び退く


 すると、目の前の生き残っていたスチールアントを吹き飛ばしながら何かが通り過ぎた


 脚だ。それは途轍もなく大きくて太く、更に鋭利な斬れ味を持っているのだろう。吹き飛ばされたスチールアントの何体かが切断されている


 それの持ち主は通常のスチールアントの鉄色よりも深い色合い。目が紅く妖しく輝いている


 女王蟻だ。味方ごと俺を殺そうと自らの脚を薙いだ。こういうのは昆虫系や種類の違う魔物が混じって戦うと良くある光景だ


 そして、そんな女王蟻と戦うべく、足を踏み出そうとしたら


 ボッという凄まじい音が鳴り響き、女王蟻の胴体の少し上部分から全てが消し飛んだ


「え?」


 呆けた声を出してしまいながら女王蟻の頭を消し飛ばしたであろう攻撃が飛んできた方を見れば、ソウマがいた。それもピースまでしてやがる


 強そうで楽しそうな獲物取られたー!


 まあ、しょうがない。取られてしまったものは


 と気を取り直して精鋭スチールアントの方を見やれば、残っていた筈の奴等は全員やられていた。ソウマに気を取られているうちに倒されたようだ。フレッドに


「よっしゃ、終わったな。そろそろ飯だから帰ろうぜ~」


「そうだね。僕もうお腹ぺこぺこだよ~」


「そうしようか」


 うーん、20層のボスといい今回といい、なんとも不完全燃焼な感じだ。しょうがない、明日のボスとの戦いで発散するとしよう


 倒したスチールアントを回収して、この階の魔物を殲滅したことで現れた階段にある転移陣で地上に戻った

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