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5:魔術スキル

 

 拳と拳がぶつかり合う

 相手の隙を突いて素早い攻撃を繰り出したり

 フェイントを混ぜながら攻撃をしていく


 今()は、ソウマとの模擬戦を行っている

 あ、俺っていうのはソウマが僕って言うと弱そうと言われたので変えた


 ソウマが間合いを詰めてきてから拳が迫る。それを右手で流し前に出ている足を右足で刈る。ソウマはそれを後ろに躱す。今度はこちらから間合いを詰め、上段回し蹴りを放つ。ソウマも上段蹴りで対抗してくるが力は僕のが強い上に、遠心力が加わっているのでソウマが吹き飛ぶ


『そこまで!』


 脳に直接聞こえてくるような声を受けて構えを解く


「くそー!負けた!」


 ソウマが叫びながら起き上がる

 と()がソウマに声をかける


『ソウマよ、力ではお主はクウガに負けておるのだから正面から迎え撃つのは頂けんな』


「うぐ」


『受け流しなどの技術は力に抗する為にあるのだ、それを覚えただけで使わんのでは意味がないぞ』


「おっす」


『クウガは良くできておる、そのまましっかり続けなさい』


「はい」


 さっきから俺たちに指摘などをしてくれているのは師匠の召喚獣で神狼のガロウだ。偶にソウマと一緒に2対1で模擬戦をやってもらうのだが、手を抜いてもらっていてもボッコボコにされる。凄い強い

 師匠とも偶にやるのだが同じくらい強いと思う

 神狼は神獣なので強いのは当前なのだが


『さて、そろそろ昼だな。終わりにしよう』


「はい」「おう」


 修行が始まってから2年が経って7歳になった

  修行は厳しくて、疲れでぶっ倒れるまで走らされたり、筋トレでは筋肉がプチプチと音を立てても師匠の回復魔法ですぐ回復して続けたり、身体を制御する為の地味だがキツイ訓練を1日中したりと本当に厳しかった。だけど、最近は戦うことが楽しくなってきて、強くなれることが嬉しくなってきた。師匠曰く、戦闘狂だそうだ。ソウマもそうらしいのでお仲間だ。ソウマとはどんな時も張り合って余計に疲れたりするけど楽しいし、負けたら次は勝つとか気合いが入ったりやる気が出る


 着実に強くなっている事を実感できているが、まだまだ上の人たちがいるのでどんな脅威や理不尽にも負けないようにもっと頑張るんだ!


 身体の制御はなかなか出来てきた。正確な動作ができるようになって、投擲を狙った所に投げれたり、無駄を省いて効率的な動き方をしたりと色々と出来てきた。今は心臓などの内臓器官を自分の意思で動かしたりすることと、知覚速度の引き上げ、体感速度を下げたりといったことの習得にはげんでいる


 リビングに向かう途中


「クウガ、楽しみだな」


 とワクワクといった感じで話しかけてくるソウマ

 そんな俺もかなりワクワクしている


「そうだな、午後からは魔術の練習だもんな」


「ああ!早く使ってみてぇな~」


 午後からは魔術の練習なのだ。何故2年の間にやっていないのかというと、それは俺たちが未熟で魔術の練習もやる余裕がなかったのだ。勉強で、魔法は魔術の上位のものである(希少属性は最初から魔法だが)ということなどは学んでいたが実際にはやれていなかった。アスカとリンガは修行がないので魔術はやっていた。それを横に見ながら厳しい修行を頑張っていて、早く使ってみたかった。だが、俺たちが覚えるのは普通の魔術の使い方だけではないそうだ。そこら辺はまだ詳しく聞かされていない


 因みに勉強では一般常識は大体覚えて、読み書きもできるようになった。算術も1桁の掛け算まではできるようになっている


 昼ご飯を食べ終えたら、用事から帰ってきた師匠とともに地下に向かう。この地下は師匠達の魔法で強化や隠蔽などが掛けられていてとても頑丈だ


 リンガとアスカが既に魔術の練習をしていたリンガ達の訓練はナターシャさんが体術や短剣、カリナさんとエクスナリアさんが魔術を教えている。あと、リンガは父さんに鍛冶を教えてもらっている。僕が装備を作って兄ちゃん達の力になる! と言っていた、頼もしいかぎりだ


「よし、じゃあ、これから魔術の修行を始める」


「はい!」「おう!」


「それじゃあまず、知識のおさらいからだ。クウガ、魔術とは?」


「魔術とは己の体内にある魔力にを使い引き起こす奇跡のことです」


「その通りだ。今日は魔力操作の習得、無属性の身体強化に雷魔術だな。因みに無詠唱だからな」


「無詠唱は詠唱に慣れすぎると難しいが、小さい頃だったりすれば割りかし簡単だ。それに、上のレベルに慣れば無詠唱は必須だ。俺が教える戦い方にも必要だし、なによりお前らは俺を越えるんだろ?」


 師匠は不敵に笑う


「はい!」「おう!」


 なので俺達も不敵な笑顔を浮かべて返事を返す


「よし!それでこそ我が息子と弟子だ!

 じゃあ、最初は魔力操作だな。お前ら眼を閉じろ、己に流れる魔力はわかるな?まずはそれを指を一本立てて、魔力でできた球体をイメージしろ」


 俺は師匠に言われた通りにする。眼を閉じて、己の内を巡る血管とは別の流れを感じととり、それを指の先で綺麗な球体が浮かぶ様をイメージする


「は?まじかよお前ら。1発で出来てんじゃん。俺、すげー頑張った記憶があるんだけど」


 と言われたので指先を見たら銀色の球体が浮かんでいた。ソウマは金だった。師匠は何故かしょげていたけど


「師匠、なんで俺とソウマてわいろが違うんですか?」


「魔力の色は髪の色と同じなんだよ。何でかは俺も知らん。そういうもんだと覚えとけ。変装とかしても髪の色と魔力のいろが違ったらすぐバレるからな」


 と教えてくれた。最後は実体験ぽい


「これで多分魔力操作のスキルを獲得したはずだから後で確認しとけ。次は身体強化か」


「身体強化には3種類ある。漠然としたイメージで強化するものと、どこの筋肉を強化して身体能力を上げるのかを考えるものと、細胞1つ1つに至るまで強化するものがある。どれが1番いいか分かるか?ソウマ」


「えーと、細胞1つ1つのやつ?」


「不正解だ。細胞1つ1つは確かに爆発的に身体能力が上がるが、その分負担が大きい、短時間でここぞという時に重ね掛けするもんだ。その短時間でも負担が無いわけじゃねぇから扱い辛い。答えはどこの部分を強化するかを考えるやつだ。理由は分かるか?もっかいソウマ」


「うーん、漠然とだと効果が薄いけど身体のどの部分かを考えてやった方が効果が高いから?」


「おう、よくできたな。それで正解だ。じゃあ身体強化でジャンプしてみろ。魔術を使うときはその効果に名前を結び付けろ、心の中で念じろ。言葉にはすんなよ、無詠唱じゃなくなるから」


 膝を曲げて反動をつけて上に跳ぶ。この時に膝周りの筋、足首の筋が怪我しないように強くなるようにイメージし、ふくらはぎと腿が強化されたというイメージを持つ。そして、身体強化と念じる

 そうすると、魔力が足の方に動くのが感じられた


 ドンッ!と音を立てて高く飛び上がる。いつもと力が違うので完璧に身体を制御できず、音になって力が少し逃げる。5メートルくらいの高さにまで跳べた。と自分の考察をしていると上から


 ガンッ!「いってぇー!」


 と音と声が聞こえたので顔を上げると地下室の天井にソウマが頭をぶつけていた


 俺が着地して、ソウマも降りてきて着地は無事にした。


「ソウマ、どんだけ強化したんだよ」


 俺がちょつと呆れながら問うと


「全力!」


 と元気に返してくる


「おし、身体強化はできたな。次は雷魔術だな」


「父さん何で雷なの?」


「ん?雷はな1番攻撃速度が速いし、身体を強化することもできるからな」


「でも師匠、雷で強化したなら負担は多いんじゃ無いですか?」


「いや、魔術とかで作られた雷とかは俺が教えた雷(・・・・・・)とは違うんだよ」


 師匠の言う俺が教えた雷とは自然に発生する雷のことだ


「魔力を魔術や魔法で雷や火、水と言ったものを生み出すと自然にできるものとは違うんだよ。具体的に言うと、火は術者が燃やしたく無いと思ったりするものは燃えないし、火に様々な特性を与えたりできる。雷なら負担にならないという特性をつけてやることで負担にならねぇんだ」


「「なるほど~」」


「じゃあ、取り敢えずやるぞ。まずは雷でできたボールをイメージしてやってみろ」


 雷のボールか~、サンダーボールにしよう。ぶつかったら雷が炸裂する感じで

 掌を上に向け、そこにサンダーボールを作る。魔力が抜ける感じがして、掌の上に直径15cmくらいの雷で出来たボールが出来た

 あのくらいの魔力でこの大きさだと覚えておこう


「2人とも出来たな。じゃあ、あそこの的に飛んでいって当たるイメージをしてぶつけてみろ」


 そう言いながら師匠が土魔法で的をつけってくれたのでサンダーボールを放つ


 俺のとソウマのがそれぞれの的に飛んでいきぶつかって音を立てる


 バァン!


 バァンバリバリバリ!


 俺のは炸裂するイメージで放ったのでソウマのと少し違った


「おう、そんな感じだな。じゃあ、次はこれをやってみろ」


 そう言って師匠は的を用意し、それに向かって雷で出来た先端が尖った木の実のような大きさのものを3つほど回転を加えながら放つ

 放たれた3つの物は的に当り少し音を立てて的を貫通していった


「今のはサンダーバレットっていって先端を尖らせ、さらに回転を加えて貫通力を上げたものだ。こいつは中々便利だから覚えとけ。じゃあ、やってみ」


 師匠がまた的を用意してくれたのでさっき見たのをイメージしてサンダーバレットを放つ


 さっきの師匠と同じように的を貫通した。ちゃんとできたようだ。横を見るとソウマもできていた


「よし、できたな。じゃあ後は身体強化をしっかり使いこなせるように練習だ」


 その後は晩ご飯の時間まで身体強化の練習をして、最後に身体強化を使っての師匠との模擬戦を行った


 相変わらず師匠は強かった


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