24:レア魔物
只今ダンジョン23階に来ている。昨日は護衛の練習ということでカリルと一緒に1階から5階を攻略した。護衛の練習と言うよりはカリルの弓の練習になっていたのだが。
まあ、その分カリルはレベルが上がり、力が上がったことにより出来ることが増えていたので良いことだろう。
魔物を求めてダンジョンを進む。20階を超えた辺りから魔物がかなり強くなってきて、普通に身体強化を使っても良いくらいなのでとても良い修行になっていると思う。まあ、身体強化はなるべく使っていないが。それに、なによりも楽しい
「ぎゃぁぁぁぁ!」
突然の叫び声、冒険者だろう。俺は即座に声のした方へ走り出す。
ソウマとラキアも何も言わずに付いてくる。俺達の基本方針として、助けられるときは助けるということにしている。これは正義だなんだというよりも、俺が助けたいと思うのと何より俺達のメリットとなるからだ。善意や手助けと言ったものは必ず自分に返ってくるのだ。もちろん悪意や敵意もだが。
途中に出てきたリビングアーマーは全部無視で進んでいく
そして、現場に辿り着くとそこには倒れる冒険者のパーティと3体の鎧の魔物であるリビングアーマーがいた。だが、倒れている冒険者は6人。ここまで来れる冒険者で3体のリビングアーマーにそう簡単に負ける訳がない。しかも、3体のリビングアーマーの鎧は良いものだと見ただけで分かる。
つまり、レアの魔物だということだ。
そんなことを状況から推察しながら足は止めない。気配を感じたところだと冒険者の2人は生きているようだ。
俺は大きめのウォーターボールを3つ作り、リンビングアーマーにぶつける。それで吹き飛ばして時間を稼ぐつもりだったが、リビングアーマーは魔力をそれぞれの得物に魔力を流して魔術を切りやがった。
うおー!戦いたい!
だけど今は助けるのが先だ。
「ソウマは1体を相手して!ラキア、2体の足止めを!」
「おうよ!」「はっ!」
ソウマが剣持ちに攻撃を仕掛け、ラキアは人化を解いて残りの斧持ちと槍持ちを突撃で吹き飛ばす。
俺はこの間に生きてる2人の傷を治す。
手を翳し、ハイヒールを使う。袈裟懸けに斬られた男性は1回で治ったが、腕がちぎれかけ腹に風穴が空いていた女性は2回使う必要があった。
「ラキア!1体はそのまま倒して!」
そうラキアに声をかけて斧持ちに腰に差していた鉄剣を2本抜き、斬りかかる。
右からの斬撃を斧持ちが左手に持っていた盾で防ぎ、続けて放った左も盾で防がれて斧が上から振り下ろされる。それを身体強化と勁の運用、それと鉄剣を魔力で包み上へと弾く。その作った隙を逃さないように左の剣を足へと叩き込む。
だが、リビングアーマーは斧を弾かれると無理やり止めて、盾を前面に出して突進してきた。
俺は攻撃を中断し、リビングアーマーの突進に合わせて盾を蹴って宙に逃れる。そのまま弾かれるように後ろに跳んでファイアバレットを適当に20くらい放って牽制し、着地する
いや~、強いね。と言うよりもさっきのは上手かったな。ちょっと燃えてきたよ。
俺は【縮地】と師匠に教わった残像を生み出す歩法、朧を使いその場に残像を残し斧持ちの盾によって出来た死角に移動し、鉄剣を魔力で覆って右の剣を振り上げて盾を持った腕を切断する。流石に魔術付与をされているような鎧は鉄剣のみでは斬れないと思ったので魔力を使った。
ゴトッ
盾と斬られた腕の落ちた音で斧持ちが気付くが俺は既に攻撃に入っている。
だが、俺が繰り出した足を狙った左での斬撃は斧持ちに空中に逃れられて避けられる。そこから斧持ちは縦に回転し斧を遠心力を付けて振り下ろす。俺はそれに振り切った左手を地面に付いて、その手を支えに変則的な上段回し蹴りを斧の側面に当てて斧の軌道を変える。回転を止めずに回りきり、着地と同時に右の剣を反転しながら横薙ぎにする。首の辺りを狙ったそれは上体を反らして躱されるが、上体を反らして苦しい体勢となった所へ左の剣を下から振り上げる。けれどもリビングアーマーは中身が無いので無理な体勢とかは関係なく後ろへ跳ぶ。しかし俺はそこまでを予想し魔力で剣身を伸長していたので鎧を腹の部分から両断する。
ゴトンッ
そして、鎧の中の魔核を抜き出して終了だ。
ソウタの方を見ると四肢をもがれ、兜を取られて魔核をリビングアーマーが取り出されているときだった。
ラキアの方は……うん。見なかったことにしよう。ラキアが俺になんか言ってくるが俺は何にも見てない。次は気を付けて欲しいです。
「んっ、うあ?あれ、俺は……そうだ!みんな!」
どうやら冒険者の人が起きたようだ。鎧を回収して声を掛ける
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ。君達が助けてくれたのか?」
「ええ」
「そうか。助けてくれてありがとう!俺はフーツ、Cランク冒険者だ」
「俺はクウガです。そっちはソウマとラキアです。助けられたのは貴方とそこの女性だけでした」
「オメーさん達が噂の…。いや、助けてくれただけで感謝してるよ。そっちのまだ寝てるのはナタリーだ。この恩は一生忘れねぇ、なんか出来ることがあったなら言ってくれ、力になれるよう頑張る」
「わかりました。何か頼むことがあるかも知れません。その時はお願いしますね」
「おう!」
「一応ハイヒールで治しておきましたが完全では無いかも知れないのでしっかりと治療院に行った方が良いでしょう。街に戻りましょうか送ります」
「すまねぇな、まだちょっと力が入んなくてな」
「アイテムボックスが使えるのでお仲間の遺体は運べますが」
「本当か!?よろしく頼む!」
「わかりました」
フーツさんの仲間の遺体をアイテムボックスへと入れ、ラキアにはナタリーさんを、俺はフーツさんを背負って22階への階段へと戻る。途中、魔物は気配を探り遭遇しないように進み階段の所にある転移陣で街に戻った
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クウガ達がダンジョンに入って少し時間が経った頃、門に息を切らした冒険者のパーティが駆け込んできた。
「ん?どうしたんだお前達」
門番が疑問に思い声を掛ける
「ゴブリンだ!ゴブリンの大群が向こうの山から来てるんだ!」
冒険者が息を切らしながらも大声で教委が迫っていることを伝える。
「なに!? 数は!? 魔王軍の差し金なのか!?」
「ぜぇぜえ、正確な数はわからねぇ。はぁはぁ、とにかく1000や2000じゃきかねぇ数がいやがった。それと、多分だが魔王軍だ。複数のワイバーンがゴブリンの上空を飛んでいた。だからゴブリン種だけじゃねぇ可能性もある」
「わかった!お前らは少し休息をとれ、ギルドにはこちらから伝えておくから」
「ああ、すまねぇな」
「聞いてたな!行け!」
「はっ!」
門の詰め所に詰めていた1人の警備兵が走ってギルドへと向かって行く




