気付いていけない
カッキーン オーライオーライ イケイケ
子供たちが野球をしているのを見ながら俺はケータイをいじっていた。俺は伊藤実悟で高校二年帰宅部だ。
俺があの出来事に出会ったのはこんな日常的生活のあとであった。
「あーだるい。ここから家まで一キロあるのにもう動きたくねぇ」いつもいっているかのに呟き諦めつつ帰ろうとした。
「あれ?可笑しいな、さっきまで聞こえた子供の声が聞こえなくなった何故だ?」
本来ここで疑問さえ持たなければよかったのかもしれない。
次の瞬間、俺はこの世界から消えた
「どこだ?ジャングルか?…ん?この音は‥」
そこは一面自然で満たされていた。
じっとしても何も始まらない、そう思った俺は音のする方へ向かった。
そこまでに何故か動物どころか草も生えていなく木しかなかったことを疑問に思いつつそこに行くと滝があった。
いや滝『しか』なかったと言えばいいのか。
何故ならその回りにはナニカに喰われたかのように
本当に何もなかった。まさに空間ごと削りとられたかのように…
「なん‥だよ、これ」言葉も出なかった。
不意に風が吹いたその場所を目でたどるとそこにいたのは、
化物だった。
そして目があった瞬間。
ノイズが聞こえ実悟は化物に喰われ、実悟というものが消え
実悟という存在すら忘れ去られてしまった。
そして、
化物は犬のような形からある忘れ去られた少年へと姿を変えた。
少年は、円を書いたと思えばすぐその円へくぐり伊藤実悟として過ごしていくのであった。
これは、違和感を感じてしまった哀れなあるナニカの話。
「あれは実悟じゃ、ない?」