―正式サービス初日③―
森へ入ると木、木、木…だった。
夜に入ると絶対に迷う自信がある。というか、もうすでに日が落ちていて空は薄暗くなっている。とりあえずスキルスロットから[*楽譜詠み]を控えにして、[料理]を入れる。
森に生えてある食用キノコや木の実などを採りながら森の奥へ進んでいくと…
―[料理]のスキルレベルが1上がりました。―
―〔食材知識〕と〔食材採集〕を覚えました。―
その間、鼻歌でよくフォークダンスの時や椅子取りゲームの時に流れている歌いながら歩いていると…
―[*歌]のスキルレベルが1上がりました。―
―〔鼻歌〕を覚えました。―
結構、森を進んでいくと湖に出た。
「…綺麗…」
メニューを開き、スクショを撮った。
とりあえず冒険道具の中からテントを出して張る。
薪になる枝を集めてファイヤースターターと小型ナイフで火を着けて焚き火が出来たので、釣り道具を出してスキルスロットに[釣り]を入れて湖で釣りを開始した。
ゆったり流れる時間の中で15分くらいで二ゼアジという鯵が釣れた。
バケツに水を入れてその中に二ゼアジを入れておく。
―[釣り]のスキルレベルが1上がりました。―
―[鑑定]のスキルレベルが2上がりました。―
それからニゼアジを1時間で10匹釣れた。
それから料理キットを取り出して包丁で二ゼアジの鱗とハラワタと内臓を取り除く。三枚におろすと1品目は刺身にした。2品目は串を刺して二ゼアジの串焼きにして焼く。
―[料理]のスキルレベルが2上がりました。―
いい感じで串焼きが焼けたので二ゼアジ3匹で作った刺身と串焼きを食べると、メッチャ美味しかった。塩胡椒もしてないのに十分な美味しかった。
残った二ゼアジは串焼きにしてパックの中に入れて鞄の中に入れておいた。
鞄から水筒を出して片手鍋に水筒の中の水を全部入れて、焚き火で湯を沸かす。その間に、15弦カンテレを出して1曲弾く。
ドヴォルザーク作曲の交響曲第9番「新世界から」第2楽章の編曲作品。
遠き山に 日は落ちて
星は空を ちりばめぬ
きょうのわざを なし終えて
心軽く 安らえば
風は涼し この夕べ
いざや 楽しき まどいせん
まどいせん
やみに燃えし かがり火は
炎今は 鎮まりて
眠れ安く いこえよと
さそうごとく 消えゆけば
安き御手に 守られて
いざや 楽しき 夢を見ん
夢を見ん
―〈樂士〉のジョブレベルが3上がりました。―
―[*歌]のスキルレベルが4上がりました。―
―[*楽器演奏]のスキルレベルが4上がりました。―
―[*音感]のスキルレベルが3上がりました。―
―[魔力]のスキルレベルが2上がりました。―
―[*冒険]のスキルレベルが2上がりました。―
―〔子守唄〕を覚えました。―
「…ふう…」
周りを見るといつの間にかラビット2匹とゴブリン1匹とウルフ1匹が眠っていた。不意打ちで悪いとは思ったが、モンスターだし槍を突き刺して倒しておいた。
ラビットからは、毛皮と肉×2
ゴブリンからは、斧と風の魔除けネックレス
ウルフからは、毛皮と肉と牙
これらのアイテムを剥ぎ取って鞄の中に入れた。
―[槍術]のスキルレベルが3上がりました。―
―〔貫通〕を覚えました。―
―種族レベルが3上がりました。―
ステータスの方にも変化はあったようだ。
結構色々上がってる。
それを確認しているとガサガサと音がした。
「…誰…?」
その人物は、私の前に出てきた。
* * * * *
NAME:シュリー
種族:人族Lv4 (+3)
人種:人間
所持金:500G
HP:40/70 (+10)
MP:30/80 (+20)
SP:10 (+4)
ステータス
ATK:8 (+3)
DEF:7
STR:9 (+4)
DEX:35 (+15)
AGI:8
INT:17 (+5)
VIT:18 (+8)
ジョブ :〈樂士Lv3〉
使用楽器:15弦カンテレ
使用武器:槍
スキル
[*歌Lv5][*楽器演奏Lv4][魔力Lv2][*音感Lv3][料理Lv3][釣りLv1][*冒険Lv1][言語Lv4][槍術Lv3][鑑定Lv2]
控え
裁縫/*バランス/*楽譜詠み/*舞
戦闘回だったのに…
寝てた所を槍で突き刺しただけですね…。
ま、まあ、自分で眠らせて自分で突き刺したんですから、結果だけ見れば結局一人で倒してますね。
次回は樂士とは違いますが、同種のジョブ持ちプレイヤーが登場です。
β時代からの有名人です。
では次回、新キャラ回です。
お楽しみに~(人''▽`)