家事
おばあちゃんが作って、持ってきてくれた晩御飯を食べながらお母さんに言われた。
「安静生活にしないと、また入院になるかもしれないから家事は全くできないの。だから由真は大変やと思うけど洗濯やお風呂掃除をお母さんの変わりに毎日してくれる? 掃除機をかけるのは本音を言ったら毎日して欲しいんやけど・・・学校から帰ってあれもこれもするのは大変やろ?だから掃除機をかけるのは土日だけでいいから」
「うん。頑張るわ。晩御飯はどうすんの?」
「学校から帰ってきたら由真にお金渡すから、近くのお店で何か買ってきて」
「先生が『動いてもいい』と言ってくれるまで、由真頑張れる?お父さんは朝早く仕事に行って、帰ってくるのは夜遅いから頼めないし・・・」
「大丈夫。あーちゃんのためやもん頑張れるよ」
そん時は簡単に出来ると思えたんだ・・・
でも実際は学校が始ったらとても大変やった・・・
学校が終わってからも友達と遊びたい、でも長い時間は遊ぶ事ができない。買い物行ったり、お風呂掃除に洗濯物して・・・
何より食器洗うのが一番嫌だった・・・おばあちゃん家には食器洗い機があったから、しなくてよかったんだけど、家にはない。
特に許せないのは、お父さんの食器も洗わないといけないこと!
遅くに帰ってきても、自分が使った食器ぐらい洗えばいいのに、洗わない!!
それが何日も続くんだから、さすがに私は切れた。
「お父さん!自分が使った食器ぐらい洗ってよ!」
食事が終わってテレビを見るお父さんに怒鳴った。
「お父さんは仕事で夜遅くまで頑張っているんや、それぐらいしてくれてもいいやろう!!」
「私だって、毎日頑張っているんやで!」
「それは当然の話や!由真がして当たり前なんや!」
何が『当然だ』お父さんの言ったことが、信じられない。
悔しくて涙が出そうになる。意地になって、お父さんの食器を洗わないでいると、居間で横になっていたお母さんが起きてきた。
そして無表情のまま、食器を洗い始めたから、私は慌てて止めに入る。
「お母さん止めて、私がするから横になっていて」
「ほら、由真がしないからお母さんがするんや」
お父さんが言ってきたけど、私はその言葉を無視した。
「お母さんほんまに止めて。また入院したら嫌や」
「少ししかないから、もう洗い終わったわ。由真、腹が立つかもしれないけど、お父さんに何を言っても無駄やと思うわ。だからお父さんは当てにせんとき」
ため息を吐いて、お父さんの方を見ながら、聞こえるようにお母さんは言ったけど、お父さんは相変わらずテレビを見たままで、何も言わない。わざと聞こえない振りをしてるようだった。
お母さんは私を見て
「由真は、ものすごく頑張っているよ」
頭をなでてくれて、抱きしめてくれた。
お父さんに対する怒りと、お母さんから褒められた嬉しさとで涙が出る。
それから、お父さんは仕事で頑張っているんだから、仕事が休みの土日は、家の事を手伝ってくれると思ったんだけど・・・
土日になってもまったく手伝ってくれなかった。
「仕事休みなんやろう!?何で手伝ってくれへんの!?」
「たまの休みぐらい何もせんでいいやろう!休ませてくれや」
「じゃあ、由真の休みもちょうだいや!お父さんだけ何もせんのずっこいで!!」
テレビを見ているお父さんと言い争っていると、食事が終わったお母さんが掃除機をかけ始めた。
「もういいわ。家事をいやいやしても嬉しくないし、聞いててイライラする。お母さんがした方が早いわ。」
お母さんはものすごく怒っていた・・・・
それを見たお父さんが
「お前はせんでいいって!安静にしなあかんのやろう?」
って言うだけで、自分がしようとは思わないらしく、座ったままテレビを見たまま動かない。
「今度、入院したらお父さんのせいやで!入院した方がゆっくりできるから、かえっていいかもな!」
お母さんが怒りながら言っても何もしないし、何も言わないお父さん。
「また入院したら嫌やで。」
「由真には悪いと思うけど入院した方が安静にできるわ。家におってもお父さんと由真の会話聞いたら、安静にはできへん。聞いてるだけでイライラするし、胎教にも悪いわ」
怒ったお母さんはものすごく怖かった。
どーしようもない旦那さんです。




