哺乳瓶
あーちゃんが生まれてから、お父さんは残業せずに帰ってくるようになった。
会社側も、赤ちゃんが生まれたばかりやから残業しなくていいと言ってくれているんやって。
この日の夜も、再びお父さんと一緒にお母さんと、あーちゃんに会いに行った。
夕方にお母さんの病室へ行っても、私が帰るまでずっと寝ていて起きてくれなかったあーちゃんが起きていた!
お母さんに良いって言ったから、抱っこさせてもらったで!
首がまだ座っていないから、あーちゃんの首の下に私の腕がくるように支えて、もう片方の腕であーちゃんの背中からお尻あたりを支えるようにって言われて、一度お母さんが抱っこして見せてくれたけど・・・難しかった。
私が抱っこしたのを見たお父さんと、お母さんが
「わーっ!落とさんとって!」
ってな、叫ばれたほどやから・・・
いや、もちろん実際にあーちゃんは落とさなかったけど、見ている側はあーちゃんを落としそうな抱き方に見えたらしい。
隣にいたお母さんが慌てて、私の腕を下から支えてくれた。
確かに、あーちゃん抱きながら
「怖い、怖い」言っていたよ。でも落とすわけないやん!
そんな抱き方したのにも関わらず、あーちゃんは泣かへんかった。えらいな、あーちゃんは!
そんなあーちゃんを抱っこしながら、あーちゃんに話しかける。
「あーちゃんは、〇太郎という名前になるらしいで、嫌やなそんな名前」
「嫌なことあるかいな、いい名前付けるんやから」
お父さんが言ってくるけど、無視や無視。
「なー、あーちゃん。嫌なもんは嫌なんやもんな」
それから、さらに話掛けていると、だんだんあーちゃんの顔が泣き顔になってきて、泣き出したから慌ててお母さんに助けを求めた。
「あー、お腹空いたんやわ」
それだけ言うと、あーちゃんを受け取りすぐに母乳を飲ませるお母さん。あーちゃんはすぐに泣き止んだ。
その様子をじっと見ていると
「由真も赤ちゃんの時飲んでたんよ、でもお母さんの母乳が足りなくてな。足りない分を粉ミルクで飲ませようとしたら由真嫌がって中々飲んでくれなくて、大変やったんやで」
「ふ~ん。そうやったんや、今は?母乳たくさん出る?」
「今回も足りなくてな、足りない分はナースコールでお願いしたら看護師さんが哺乳瓶で粉ミルクを作って、部屋まで持ってきてくれるんやで」
「えっ、じゃあ私が哺乳瓶で飲ませたい!いいやろ?!」
「かまへんけど・・・」
お母さんが母乳を飲ませ終わっても、あーちゃんはまだ足らないみたいやから、ナースコールで粉ミルク持ってきてもらうようお願いしたら、すぐに持ってきてくれた。
お母さんに教えてもらいながら、緊張したけど哺乳瓶で粉ミルク飲ませたで!
あーちゃん、ちゃんと飲んでくれた!!
でもその後、あーちゃんを立て抱っこして、背中を優しくさすったりしてゲップを出させなあかんのやけど、それはさせてくれへんかった・・・
「さすがに、それを今由真にさせるのは不安や。もうちょっと、あーちゃんが大きくなってからおねがいするわ」
お母さんに言われたから仕方がない。




