小さな手足
次の日も学校が終わると一度家に帰り、それから直ぐに病院へ行った。
お母さんの病室に行く前に新生児室によって見たんやけど、あーちゃんはおらんかった。
だから、ドキドキしながらお母さんの病室に行ったら・・・
新生児を乗せて病院内を移動できるケースがベッド横に置いてあって、その中にあーちゃんがおった!!
両手を万歳のポーズをしたまま寝ていたで!
あーちゃんが入っているケースには青い色で『橘ベービー』と書いてある紙が貼ってある。
赤ちゃんの名前が決まっている人は、そのまま赤ちゃんの名前を書いて貼ってくれるんやって。
あーちゃんが寝ているから、小さい声でお母さんに話し掛けたら笑われた。
そこまで気を使わなくていいから、普段の声で会話してもかまへんねんて。
あーちゃんのほっぺを突っついたり、あーちゃんの手の平に自分の人差し指を入れたり、しながらお母さんに言ったんや
「なぁ抱っこしたい」
「寝ている時は止めてな」
「いつ起きるん?」
「ん・・・今、母乳あげたばっかりやからな」
「えーそうなん!?」
がっかりや・・・
寝ているあーちゃんの両手、両足が時々ピクピク動く。
足なんか服に隠れて見えへんやん。
そやから服の裾をめくって足の裏見たんやけど
「あーちゃんが寒いやろうから止めて」
・・・怒られた
それにしても、小っさい手足やな。
力加減を間違ったらポキッと骨が折れてしまいそうや。
「あーちゃん、起きて」
あーちゃんが寝ていると面白くないから、今度は話しかけてみる。
「あ、そう言えばもうすぐ『あーちゃん』って呼べなくなるな」
お母さんが突然言い出した。
昨日、お父さんと一緒にお母さんとあーちゃんに会いに行って、その帰りに晩御飯食べて帰ってきて、私がお風呂に入っている最中にお父さんが『赤ちゃんの名前はこの神社で付けてもらおう』と前から決めていた神社にメールを送ったんやって。
生まれた日時と赤ちゃんの両親の名前、それからこの名前にしたいからと希望する赤ちゃんの名前を書いてな。
そやから、あーちゃんの名前はお父さんが付けたい名前に勝手になってしまった。
その神社からは返事のメールがまだ届かないらしいねんけど・・・
お父さんの付けたい名前で、そこから色んな漢字の画数を見て決まるねんて。
それを、お風呂から上がった時に言われたもんやからびっくりしたよ・・・
お母さんには今朝お父さんからメールが送られてきて、それには『神社に、赤ちゃんの名前を考えてもらうメールを出したから』と書かれてあったらしい。
お母さんも驚いたけど、もう神社に依頼してしまったんなら、『しょうがない』諦めるしかないって言っていた。
で、どんな名前で漢字を見てもらうのかメールでお父さんに聞いたんやって、そしたら
『〇太郎』と付けたいからと神社にメールお願いしていることが分かったらしい。
これにはお母さんも『なんで今の時代に〇太郎なん?!』と怒りのメールを送ったら、すかさずお父さんから『逆にいまの時代やからかえっていいんや!〇太郎かっこいいやろ!』と返事が返ってきたんやって。
だから、あーちゃんは〇太郎決定。
〇の字に当てはまる漢字をいくつか神社が考えてメールで送信してくれて、そのいくつか書かれてる漢字の中から一つだけ選んで決めるんだとか。
『もう神社に頼んだんやったら仕方ないけど、〇に当てはまる漢字は私も一緒に決めるからな。勝手に一人で〇の漢字を決めんとって!』
とお父さんにメール送信したんやって。
お母さん、私も一緒に名前決めるで!!




