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気持ち悪い上機嫌

いつまでもお母さんの病室にいることはできなくて、残念やけど病室を出た。

でも直ぐに家に帰らずに新生児室に寄ったんや。

ガラス越しに見えるあーちゃんは、口を開けて両手を動かしながら泣いていたけど、泣き声は全く聞こえないから防音ガラスなんやろうな。

あーちゃん泣いているのに、その隣に寝ている赤ちゃんはよく寝ている。

こうやってよく見ると、赤ちゃんによって髪の量に違いがある。

あーちゃんは髪が多くあるけど、隣の赤ちゃんは髪が全くない。髪にしたってこんなにも違うもんなんやな。

赤ちゃんが何人もいてる中でも、やっぱりうちの赤ちゃんが一番かわいいわ。

お姉ちゃんがいっぱい抱っこしてあげるからな。これからよろしくな。


心の中で言い病院を出る。



家に帰ったらお父さんがおった!


「なんでおんの?!帰ってくるの早くない!?」

「今日残業せずに帰らしてもらったんや。今からシャワー浴びるから、お父さんが出たら一緒に赤ちゃん見に行こう!」


上機嫌でお父さんに言われたんやけど・・・


「さっきまで病院にいてたから、赤ちゃんもう見てもたよ」

「もう行ったんか!だからこの時間なのに制服なんか」

「うん、学校終わって直ぐに病院行ったから」

「そうか、でも今日は外で晩御飯食べる予定にしてるから一緒に病院に行かな晩飯食べられへんで」


それだけ言うとさっさと風呂場に向かうお父さん。

まあ、何回もあーちゃん見れるから病院行くけど。


お父さんがシャワーを浴びている間に私も着替えなあかんし、お母さんから頼まれたデジカメを用意することにした。

お父さん直ぐにシャワー終わるから、はようせんと・・・


着替え終わってから、お母さんに言われた棚を見ると、ちゃんと置いてあった。

それを手に取り鞄に入れたところで、お父さんの声が聞こえる。


「おーい。もう家出るぞ!」


早っ!!

ほんまにシャワー浴びんの早すぎるわ。

慌てて玄関に向かうと、靴を履き終わったお父さんが立って私を待っていた。

気持ちが悪いくらい相変わらず上機嫌や。鼻歌まで歌っているし。


車で病院に向かっている最中も


「楽しみやな~。可愛いんやろうな~」


そればっかり言っていたで。

仕事が終わってから、お母さんから連絡が入っていないか携帯を見たら、『生まれたよー』という文章と共に赤ちゃんの写真が届いていたからびっくりしたんやって。


「無事に生まれてきてくれて、ほんまによかった。由真が生まれた時はお父さんも病院にいてたから産声が聞けたけど、今度の子はお父さんを待っていてくれんかったんやな」

「お父さん、あーちゃんに嫌われているからや」

「そんなことない!お父さんを驚かせようとしたんや!」


と、まぁ上機嫌なお父さんに冷たく言い返したりている間に病院に着いた。

お母さんがいる病室に行く前に新生児室にいるあーちゃんに会いに行く。

あーちゃんは寝ていたんやけど、あーちゃんの隣にいた赤ちゃんが泣きだしたら、つられてあーちゃんも泣きだしてしまった。


「可愛いな」


隣にいたお父さんが呟く。

うん。ほんまあーちゃんの全てが可愛いな。

あーちゃんを見たらその場を離れずらくなってしまう。

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