その後
運動会の振り替えで、平日やけど学校が休みの日、友達と遊ぶことなく家にいてます。
お母さんは平気やから遊びに行ってくればいいって言ってくれたんやけど、秋冬の衣替えがまだ終わっていないから手伝っている。
退院した日から少しずつしているんやけどな・・・
お母さんは季節ごとにキッチンマットや、のれんに玄関マットなんかを換えるから、結構大変なんや。退院してから、『私が入院中に一回も洗濯していなかったやろう!』とか言われて、今まで私らが使っていた布団シーツや枕カバーを洗ったし、布団も命令されて干さされた。
それから、今日ベビーベッドとベビーバスが届いたんや。
ベビーベッドは業者の人が組み立ててくれたし、私が赤ちゃんの時に使っていたベビー布団セットを押入れから出し、シーツを洗い、布団乾燥機をかけたから直ぐに使えるようになった。
ベビーバスはまだ使わないのに、お風呂場に置いとくと邪魔になるから、あまり使っていない和室に置いてある。
それにしても・・・
ベビー布団セットが十二年も押し入れに入っていたんや。
「なぁ、なんで今まで誰かにあげようとか、ほかすとかせへんかったん?結構大きいし場所とって邪魔やったんやろう?」
「ん?おばあちゃんが買ってくれたもんやしな、欲しい人がおらへんかったからかな。でも今までとっておいてよかったわ」
結局、この日も出産になることはなく一日が終わった。
次の日は学校がある日なんやけど、私が学校にいる間に病院へいくかもしれないから、家の鍵を持って行くように言われたんや。
そして、給食を食べ終わった後に先生に言われたのが
「お母さん病院へ行ったって、おばあちゃんから電話があったから」
だった。
もうすぐ、あーちゃんに会えるんや!!
学校が終わると、家に帰らずにそのまま病院へ向かった。
ナースステーションでお母さんの名前を言うと
「お母さんとね、まだ会えることができないの。もうちょっとしたら会うことができるんやけど、それまでガラス越しやけど赤ちゃん見ることができるから、見て待っている?」
言われた。
今まで何回も病院に来ているから、ナースステーションの隣が生まれた赤ちゃんが並べられて、見れるようにガラス張りになっているのは知っているんやけど・・・
「赤ちゃんて・・・よその赤ちゃんですか?」
「違うよ、橘さんの赤ちゃんよ。お姉ちゃんになったんやよ、おめでとう」
笑顔で看護師さんに言われた。
「えっ、もう生まれたんですか?!」
ものすごく驚いた。もう生まれているなんて思ってもいなかったから・・・
「さっきまで、おばあちゃんもいらしていたのよ。もう帰られたけど」
おばあちゃんが、今までいてたんや。
看護師さんにお礼を言って赤ちゃんがいる場所に向かう。
看護師さんに言われたことがまだ信じられへん。疑いながら赤ちゃんが見れる場所に行ったらほんまにおったで。
赤ちゃんの頭の上から見えるように寝かされていて。
病院の服を着て、足首に青いなんか着けられて、赤ちゃんの頭の上に『橘ベビー』って掛かれた紙が置かれていて、その紙には赤ちゃんの体重も書いてあって見たら、三千グラムって書いてある。
三千グラムちょうどで生まれたんや!
なんか・・・すごいな。
食い入るように赤ちゃんずっと見ていたら、看護師さんに呼ばれて振り向くと、点滴をしていて疲れた表情をしているお母さんと、私が出産準備をしたバッグと、病院の名前が書いてある紙袋を載せたカートを押している看護師さんが立っていた。
「これから入院する間に使う部屋に案内してくれるんやって、由真も一緒にくるやろう?」
疲れた感じを出しながらも、お母さんが微笑みながら言ったから、慌ててお母さんの傍により大丈夫か尋ねると
「大丈夫やで、かなり疲れたけどな」
ため息を吐いて言ったお母さん。
私には分からへんけど出産て、大変そうなんやな・・・。




