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ふうん・・・

前回、お母さんから学校に電話が掛かってきた時はボロボロ泣いてしまったけど、今回は泣かなかった。もしかしたら・・・って思っていたのもあるし、入院生活がいつまで続くか分かっているからかな? 特に何も思わんかった。

ちょうどお昼休みやったから、教室にいた生徒も少ないのもあって、職員室へ呼び出しの放送が流れても騒がれることも無かった。


「お母さん何て?」


受話器を置いたとたんに、担任の先生が話し掛けてきた。

だから先生に、お母さんが入院したことだけ話したんだ。

私が通っている学校は、四月下旬から五月上旬までに担任の先生による家庭訪問があるんやけど、お母さんが安静生活を過ごさなくてはいけなくなったので、うちの家庭訪問はなくなったんや、夏休み前に担任の先生と生徒の親が話する二者懇談もあったんやけど、これもお母さんの体調が悪かったのでしていない。去年と同じ先生が担任やし、お互いがまったく知らないことも無かったから、特に問題は無かったみたい。


「そうか・・・一人で大丈夫か?」


心配そうな顔をして聞いてきた。


「もう慣れたから平気です」


私が答えるとしばらく黙ったものの、「もうお昼休みが終わるから教室に戻るように」とだけ言われる。


約一ヶ月入院か・・・今日は学校が終わってから一度家に帰って、お母さんがいる病院行こうかなと考えながら教室へ向かった。

教室に戻っても私の呼び出しで校内放送が流れたことについて誰にも聞かれなかったから、ほっとしたんや。




学校が終わり、万理と一緒に帰っている時にお母さんが入院したことを言ったら「また?」と言われた。

うん、確かに「また入院だね」。でも今度はいつまで入院しているか分かっているから、平気ということは言ったんだけどね。




で、一度家に帰ってから自転車に乗って、母さんが入院している病院へ向かう。

そこには思っていた通り、点滴をしているお母さんが目を閉じてベットで休んでいた。


「お母さん」


寝ているのかと思い、いつもより小さい声で声を掛けたんや。

お母さんはすぐに目を開けた。


「由真きてくれたん」

「うん、今まで寝てた?」


ベット横に置いてある椅子に座って話し掛けた。


「寝てへんよ、点滴したら微熱と動悸があって、しんどいから目を閉じていただけや」

「大丈夫?」

「ああ、平気や我慢できるぐらいやし、どうしてもしんどかったら、症状を和らいでくれる漢方薬出してくれる言ってくれてるしな」


そう言われて点滴を見ると、今までお母さんが飲んでいた薬と同じ名前が書いてあった。


「点滴しているのって・・・今まで飲んでいた薬と同じなん?」

「そうやで、服薬するよりも体内に直接入れている方がきついみたいや。そのうち今のしんどさも慣れて、なくなるやろうけどな」

「ふうん・・・で、今回の入院はあーちゃんが下がったからなん?」

「そうや、今日の検診で『産道が三センチもないから入院して下さい』言われてん」

「三センチ?!えっえ?どういうこと!?」


思いもしなかった数字が出てきて、びっくりや。


「産道っていうのはな、赤ちゃんが出てくるまでに通る道のことを言うんやけど、それが三センチもなかったんやって、あーちゃんが後三センチ下がってきたら生まれてしまうねん」

「それって・・・かなり、やばいんじゃない?」

「そやから、入院してんねんやんか。あーちゃんがこれ以上下がらないようにな、なんとか37週に入るまでもって欲しいな。今は32週と4日やから約、一ヶ月入院か」

「なぁ、思ってたんやけど・・・絶対に一ヶ月入院じゃやないんやろ?もしかしたら、それよりも早く退院できるかもしれないってことはないん?」

「んー、『早く退院できるかもしれない』思って、それができなかったら気分的に落ち込むやんか、それが嫌やから一ヶ月入院かも、ってふうに思ってんねん。それにな二回目入院した時に、看護師さんが『臨月が近づけば近づくにつれて、入院したら退院しにくい』って教えてくれたからな」

「そうなんや・・・」

「十月の頭には由真にとって、最後の小学校の運動会やし、見に行きたいからな。それまで、生まれんようにあーちゃんに頑張ってもらわな!」


お母さんは笑いながら言ってくれた。



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